「情報理論 - 通信路符号化」の版間の差分

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実際の系では、上記の概念を組み合わせて、要求される性能と複雑さのバランスを取った設計が行われる。<br>
実際の系では、上記の概念を組み合わせて、要求される性能と複雑さのバランスを取った設計が行われる。<br>
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== 二元対称通信路 ==
二元対称通信路 (Binary Symmetric Channel, BSC) とは、情報理論における最も基本的な通信路モデルの1つである。<br>
この通信路では、入力信号と出力信号はともに2値 (0と1) で表現される。<br>
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この対称性が二元対称通信路の特徴である。<br>
これは、入力された0が1に反転する確率と1が0に反転する確率が等しい。<br>
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この確率をp ( <math>0 \le p \le 0.5</math> ) と表す。<br>
<br>
したがって、入力信号が正しく伝送される確率は、<math>1 - p</math> となる。<br>
pは、通信路の反転確率あるいはビット誤り率 (BER : Bit Error Rate) と呼ばれる。<br>
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二元対称通信路の重要なものとして、通信路容量の計算が簡単に行えることが挙げられる。<br>
通信路容量Cは以下の式で表される。<br>
<math>C = 1 - H(p)</math><br>
<br>
ここで、H(p)は2値エントロピー関数で、次式で定義される。<br>
<math>H(p) = -p \log_{2} p - (1 - p) \log_{2} (1 - p)</math><br>
<br>
<math>
\begin{array}{cc}
\quad \begin{array}{cc}
0 & \quad 1
\end{array} \\
\begin{array}{c}
0 \\
1
\end{array}
\begin{pmatrix}
1 - p & p \\
p & 1 - p
\end{pmatrix}
\end{array}
</math>
<br>
二元対称通信路モデルは、実際の通信システムでも頻繁に使用される。<br>
例えば、デジタル通信における雑音の影響を模擬する場合や誤り訂正符号の性能評価を行う場合のベースラインモデルとして広く活用されている。<br>
<br>
特に、誤り訂正符号の設計において、ハミング符号やBCH符号等の線形ブロック符号は、この通信路モデルを前提として設計されている。<br>
これらの符号は、通信路で発生するビット反転を検出して、場合によっては訂正することができる。<br>
<br>
また、シャノンの符号化定理との関連において、<br>
通信路容量Cより小さい任意の伝送レートRに対して、任意に小さい誤り確率を実現できる符号化方式が存在することが証明されている。<br>
<br>
衛星通信や光ファイバー通信等の多くのデジタル通信システムにおいて、二元対称通信路は基本的なモデルとして使用されている。<br>
ただし、実際の通信路はより複雑な特性を持つことが多く、より精密なモデル化が必要となる場合もある。<br>
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[[カテゴリ:情報理論]]
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