「電子回路 - コンパレータ」の版間の差分

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==== 温度制御 ====
==== 安定性と性能の向上 ====
オペアンプ741の安定性と性能を向上させるため、以下に示す回路要素を推奨する。<br>
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* 電源端子およびGND端子
*: ノイズ対策と電源の安定化のため、0.1[uF]のバイパスコンデンサを各電源端子とGND間に追加する。
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* オフセット補正
*: 出力オフセット電圧の補正のため、1ピンおよび5ピンに1[kΩ]~10[kΩ]の抵抗を接続する。
*: ただし、精度の不要な回路では厳密な補正は不要の可能性がある。
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* フィードバック回路
*: 応答特性を改善させるため、
*: 出力端子から反転入力端子への帰還経路に100[kΩ]程度の抵抗を接続する。
*: また、必要に応じて、10[pF]~100[pF]の小容量コンデンサを並列に接続する。
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* 入力保護
*: サージ電圧からの保護するため、反転入力端子および非反転入力端子にそれぞれ100[kΩ]程度の直列抵抗を接続する。
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* 高周波ノイズ対策
*: 高周波ノイズの除去するため、非反転入力端子とGND間に0.01[uF]のコンデンサを接続する。
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低周波回路の場合は、以下に示す2つの対策を行う。<br>
* 電源端子およびGND端子に0.1[uF]程度のバイパスコンデンサを接続する。
* 各入力端子に100[kΩ]程度の入力保護抵抗を接続する。
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==== 使用例 : 温度制御 ====
以下に示す回路は、周辺の温度が設定値を超えた場合、自動的にDCファンを作動させることにより、発熱する電子機器を冷却することができる。<br>
以下に示す回路は、周辺の温度が設定値を超えた場合、自動的にDCファンを作動させることにより、発熱する電子機器を冷却することができる。<br>
温度が正常値に戻ると自動的に停止して、DCモータとファンを使用する。<br>
温度が正常値に戻ると自動的に停止して、DCモータとファンを使用する。<br>

2024年12月15日 (日) 22:50時点における版

概要



741

LM741


uA741


安定性と性能の向上

オペアンプ741の安定性と性能を向上させるため、以下に示す回路要素を推奨する。

  • 電源端子およびGND端子
    ノイズ対策と電源の安定化のため、0.1[uF]のバイパスコンデンサを各電源端子とGND間に追加する。

  • オフセット補正
    出力オフセット電圧の補正のため、1ピンおよび5ピンに1[kΩ]~10[kΩ]の抵抗を接続する。
    ただし、精度の不要な回路では厳密な補正は不要の可能性がある。

  • フィードバック回路
    応答特性を改善させるため、
    出力端子から反転入力端子への帰還経路に100[kΩ]程度の抵抗を接続する。
    また、必要に応じて、10[pF]~100[pF]の小容量コンデンサを並列に接続する。

  • 入力保護
    サージ電圧からの保護するため、反転入力端子および非反転入力端子にそれぞれ100[kΩ]程度の直列抵抗を接続する。

  • 高周波ノイズ対策
    高周波ノイズの除去するため、非反転入力端子とGND間に0.01[uF]のコンデンサを接続する。


低周波回路の場合は、以下に示す2つの対策を行う。

  • 電源端子およびGND端子に0.1[uF]程度のバイパスコンデンサを接続する。
  • 各入力端子に100[kΩ]程度の入力保護抵抗を接続する。


使用例 : 温度制御

以下に示す回路は、周辺の温度が設定値を超えた場合、自動的にDCファンを作動させることにより、発熱する電子機器を冷却することができる。
温度が正常値に戻ると自動的に停止して、DCモータとファンを使用する。

サーミスタの特性を利用してDCモータのファンを駆動する。
サーミスタは温度依存型の抵抗器の一種であり、表面の温度に応じて抵抗値が変化する。
温度特性によって、NTCとPTCの2種類のサーミスタが存在する。

負の温度係数 (NTC) サーミスタは温度が上昇すると抵抗値が減少、正の温度係数 (PTC) サーミスタは温度が上昇すると抵抗値が増加する。
サーミスタはビーズ状の抵抗器であり、10[Ω]から数[kΩ]以上の値がある。

以下に示す回路では、10D-9 NTCサーミスタを使用している。

オペアンプ 741は電圧コンパレータとして使用しており、DCファンのスイッチングを行う。
反転入力端子は半固定抵抗を通じて調整可能な電圧を受け取り、非反転入力端子は抵抗R1とサーミスタで構成される分圧回路を通じて電圧を受け取る。
したがって、非反転入力端子の電圧はサーミスタの導電率に依存する。

温度が正常 (半固定抵抗で設定された抵抗値) の場合、反転入力端子は非反転入力端子より高い電圧となるため、オペアンプの出力ピンをHIGHにする。
これは赤色LEDで表示される。

オペアンプの出力がHIGHの場合、トランジスタQ1のベース電圧が正であるため、トランジスタはオフとなる。
この状態ではDCモータは停止している。

温度が半固定抵抗で設定された抵抗値を超えて上昇する場合、サーミスタの抵抗値が減少して、反転入力端子の電圧が低下する。
その結果、オペアンプの出力がLOWとなり、トランジスタQ1が導通する。

DCモータが作動するっことにより、空気循環を増加させて温度が下がると、ファンは自動的に停止する。

ダイオード1N4007は、トランジスタQ1がオフになった時の逆起電力を除去するために必要である。

DCモータと並列にコンデンサ (セラミックまたはフィルムコンデンサ) を接続することを推奨する。
これにより、他の機器への電磁干渉も低減することができる。

  • ノイズ対策
    モータのブラシからのスパークノイズを抑制する。
    推奨値 : 0.1[uF]
    オプションとして、0.01[uF] (高周波ノイズ用) を並列に追加する。

  • サージ電圧の抑制
    スイッチング時のサージをさらに抑制する。


モータ端子間に直接コンデンサを接続する。

  • コンデンサの選定
    耐圧は、電源電圧の2倍以上
  • 種類
    セラミックコンデンサまたはフィルムコンデンサが推奨される。
    これは、高周波特性が良好であり自己回復性がある。