PCB - 面付け

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概要

面付け (パネライゼーション) とは、プリント基板の製造において、1枚の大きな基板材料 (原板) の中に、同じパターンの基板を複数個取りするレイアウト方法のことである。
製造効率と歩留まりの向上を図ることができる。

面付けはPCB製造における工程最適化手法であり、個々の基板を大きなパネルにまとめることにより、製造効率を向上・コストの削減・品質の均一化を図ることができる。

製造効率において、面付けの基本となるのはパネルサイズの決定である。
一般的な製造ラインでは、18インチ x 24インチ程度のパネルサイズが使用されるが、これは製造設備の制約や取り扱いやすさを考慮して決められている。
このパネル内に、個々の基板をどのように配置するかが重要となる。

PCB間には適切なスペースを設けて、熱による歪みや実装時の作業性を考慮する必要がある。

製造工程における品質管理のため、パネルには様々な要素が追加される。
フィデューシャルマークは、実装機の位置合わせに不可欠である。

また、電気的検査用のテストクーポンやトレーサビリティのためのシリアル番号等も重要な要素となる。
これらの配置は、製造工程全体を通して効率的な作業が行えるよう慎重に検討する必要がある。

PCBの分割方法において、V溝加工による分割を前提とした設計では、スコアリング位置の最適化が必要となる。
また、応力集中を防ぐためのマウスバイトの配置も考慮して、分割時の品質を確保するため、これらの要素は細心の注意を払って設計される。

部品実装からは、実装機のヘッド移動を最小限に抑えるような部品配置が望ましい。
また、半田付けの品質を均一に保つため、部品の向きを揃えることも重要である。
特に、リフロー工程での熱分布を考慮した設計が必要となる。

特殊な要件として、例えば、フレキシブル基板では材料特性や折り曲げ部分への配慮が必要となる。
また、高周波回路を含むPCBでは、インピーダンス管理、シールド設計、グラウンドパターンの連続性等を考慮する必要がある。

面付け設計は単なるPCBの配置に留まらず、製造工程全体を見通した総合的な検討が必要である。
各要素のバランスを取りつつ最適な設計を行うことが、高品質なPCB製造の基盤となる。


面付けの目的

  • 製造効率の向上
    1度の工程で複数の基板を同時に製造できる。
  • コストの削減
    材料の無駄を減らし、加工時間を短縮することでコストを下げる。
  • 品質の均一化
    同一条件で製造することにより、品質のばらつきを抑える。
  • 取り扱いの容易さ
    小さな基板を個別に処理するよりも、大きなパネルとして扱う方が製造工程で扱いやすい。


面付けのレイアウトを決める場合は、以下に示す要素を考慮する。

  • 原板のサイズ制限
  • 各基板間のマージン
  • 加工時の基準となるアライメントマーク
  • 切り離し用のスリットやタブ構造
  • 検査用のテストパターン