DELL - SATAモード
概要
ここでは、DELL PCにおけるAHCIモードへの変更方法を記載する。
併せて、AHCIとRAIDの違いについても記載する。
AHCIとは
AHCIとは、Intelによって定義されたAdvanced Host Controller Interfaceの略である。
AHCIは、NCQやホットスワップなどのSerial ATA標準インターフェースの多くのネイティブ機能を所有しており、デバイスの互換性とパフォーマンスを向上させる。
AHCIの仕様は、SATAのホストコントローラ用のレジストリレベルのインターフェースを指す。
その仕様は、ソフトウェア(デバイスドライバ)設計者とハードウェア設計者に適している。
AHCIモードは、SATA / AHCIアダプタをプログラムするための標準的な方法を提供する。
RAIDとは
RAIDとは、Redundant Array of Independent Disksの略である。
データストレージの仮想化技術として、RAIDは複数の独立したディスクを1つ以上のアレイに仮想化することができる。
これにより、ストレージのパフォーマンス、信頼性、容量の面で大きな改善が得られる。
RAIDは複数のデバイス環境で冗長性を提供し、特にHDDのストレージを高速化する。
AHCIやIDEと同様に、RAIDはSATAコントローラもサポートしている。
RAIDコントローラには、ソフトウェアRAIDとハードウェアRAIDの2種類がある。
異なるタイプのRAIDコントローラは異なるRAIDレベルをサポートしており、通常、ハードウェアRAIDは、ソフトウェアRAIDよりも高度なRAIDレベルでのパフォーマンスが優れている。
標準的なRAIDレベルには、RAID 0〜RAID 6、RAID 10等があり、各種類のRAIDには、それぞれ特徴的な機能がある。
また、RAIDモードでは、次のような共通の利点がある。
- 伝送速度の向上
- 最大の利点の1つは、RAIDによりデータ転送速度が向上することである。
- これは、RAIDを使用することで、異なるディスクからのデータの書き込みと読み込みを同時に行うことができるため、データスループットが向上するからである。
- セキュリティが高い
- 周期的な冗長性チェックを含まない平均的なディスクとは異なり、データ検証による耐障害性を誇る。
- ハードウェアの耐障害性に基づいて構築されたRAIDは、より高いセキュリティを提供します。
- データの保護
- 適切なRAID構成により、ディスクのアレイを1つのストレージとしてコンピュータに提示することができる。
- データをバックアップし、パフォーマンスを向上させ、その他の機能を自動的に動作させることができる。
AHCIモードへの変更
Dell PCでは、Intel Rapid Storage Technologyを有効にしてRAIDモードに設定して出荷されている。
RAIDモードからAHCIモードに変更しないと、LinuxはNVME SSDドライブを認識しない。
また、RAIDの代わりにAHCIを有効にしてもパフォーマンスの低下しない。
※注意
この手順に従わない場合、Windowsの再インストールが必要になる可能性がある。
- Intelの公式Webサイトから、Intel Rapid Storage Technology Driverをダウンロードしてインストールする。(SetupRST.exeファイルが必要)
- PCを再起動する。
- BitLockerを停止する。
- MSConfigを実行して、次回はセーフモードで起動するように設定する。
次回からセーフモードで起動しないと、ブルースクリーンと"inaccessible boot device"エラーが表示される。
この時、RAIDに戻して、このセクションの手順1から再度始める。 - PCを再起動して、BIOS設定画面を表示する。
[System Configuration] - [SATA Operation] - [AHCI]チェックボックスにチェックを入力して保存する。 - セーフモードでWindowsが起動するので、ログインする。
Windows HelloやPINログイン等を設定している場合、Windowsのログイン画面で、ログイン + PINではなく、ログイン + パスワードを求められることがある。
その場合は、画面左下の[その他のユーザ]を選択して、管理者としてログインする。 - 管理者権限にてPowerShellまたはコマンドプロンプトを起動して、以下のコマンドを実行する。
bcdedit /deletevalue {current} safeboot
- PCを再起動する。
これで、SSDドライブを搭載したWindowsがAHCIモードで動作する。