「トランジスタ - トランジスタの特性」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
編集の要約なし
編集の要約なし
8行目: 8行目:
<br><br>
<br><br>


== トランジスタの出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性) ==
== 出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性) ==
==== 出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)とは ====
トランジスタの出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)とは、エミッタ接地トランジスタの静特性において、<br>
トランジスタの出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)とは、エミッタ接地トランジスタの静特性において、<br>
あるベース電流I<sub>B</sub>を流している状態で、コレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>とコレクタ電流I<sub>C</sub>の関係を表した特性のことである。<br>
あるベース電流I<sub>B</sub>を流している状態で、コレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>とコレクタ電流I<sub>C</sub>の関係を表した特性のことである。<br>
15行目: 16行目:
コレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>がある一定値を超えると、コレクタ電流I<sub>C</sub>はコレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>によらず、ベース電流I<sub>B</sub>に依存する値となる。<br>
コレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>がある一定値を超えると、コレクタ電流I<sub>C</sub>はコレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>によらず、ベース電流I<sub>B</sub>に依存する値となる。<br>
[[ファイル:ErectricParts_Transistor_Characteristic_1.jpg|フレームなし|中央]]
[[ファイル:ErectricParts_Transistor_Characteristic_1.jpg|フレームなし|中央]]
<br><br>
<br>
 
==== トランジスタの飽和領域、活性領域、遮断領域について ====
== トランジスタの飽和領域、活性領域、遮断領域について ==
トランジスタの出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)には、3つの領域(飽和領域、活性領域、遮断領域)がある。<br>
トランジスタの出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)には、3つの領域(飽和領域、活性領域、遮断領域)がある。<br>
<br>
<br>
26行目: 26行目:
次に、3つの領域(飽和領域、活性領域、遮断領域)について順番に記載する。<br>
次に、3つの領域(飽和領域、活性領域、遮断領域)について順番に記載する。<br>
<br>
<br>
==== 飽和領域 ====
===== 飽和領域 =====
飽和領域とは、ベース電流I<sub>B</sub>を大きくしてもコレクタ電流I<sub>C</sub>が増加しない領域であり、出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)の青色の箇所となる。<br>
飽和領域とは、ベース電流I<sub>B</sub>を大きくしてもコレクタ電流I<sub>C</sub>が増加しない領域であり、出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)の青色の箇所となる。<br>
出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)の見方によって様々な説明方法があるため、コレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>が小さくてもコレクタ電流I<sub>C</sub>が流れる領域と説明している専門書も存在する。<br>
出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)の見方によって様々な説明方法があるため、コレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>が小さくてもコレクタ電流I<sub>C</sub>が流れる領域と説明している専門書も存在する。<br>
34行目: 34行目:
これは、コレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>を小さくすることで、オン状態における損失(<math>P_{LOSS} = V_{CE} \times I_C</math>)が小さくなるからである。<br>
これは、コレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>を小さくすることで、オン状態における損失(<math>P_{LOSS} = V_{CE} \times I_C</math>)が小さくなるからである。<br>
<br>
<br>
==== 活性領域 ====
===== 活性領域 =====
活性領域とは、ベース電流I<sub>B</sub>が一定ならコレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>によらずコレクタ電流I<sub>C</sub>が一定となる領域であり、出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)の赤色の箇所となる。<br>
活性領域とは、ベース電流I<sub>B</sub>が一定ならコレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>によらずコレクタ電流I<sub>C</sub>が一定となる領域であり、出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)の赤色の箇所となる。<br>
つまり、活性領域では、コレクタ電流I<sub>C</sub>はコレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>ではなく、ベース電流I<sub>B</sub>で決まる。<br>
つまり、活性領域では、コレクタ電流I<sub>C</sub>はコレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>ではなく、ベース電流I<sub>B</sub>で決まる。<br>
47行目: 47行目:
コレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>を大きくしてもコレクタ電流I<sub>C</sub>は大きく変化しないことから、活性領域ではコレクタ抵抗R<sub>C</sub>は非常に大きな値ということになる。<br>
コレクタ-エミッタ間電圧V<sub>CE</sub>を大きくしてもコレクタ電流I<sub>C</sub>は大きく変化しないことから、活性領域ではコレクタ抵抗R<sub>C</sub>は非常に大きな値ということになる。<br>
<br>
<br>
==== 遮断領域 ====
===== 遮断領域 =====
遮断領域とは、ベース電流I<sub>B</sub>が0[A]でもコレクタ電流I<sub>C</sub>が0[A]とならず漏れ電流がわずかに流れる領域であり、出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)の緑色の箇所となる。<br>
遮断領域とは、ベース電流I<sub>B</sub>が0[A]でもコレクタ電流I<sub>C</sub>が0[A]とならず漏れ電流がわずかに流れる領域であり、出力特性(I<sub>C</sub>-V<sub>CE</sub>特性)の緑色の箇所となる。<br>
この漏れ電流のことを、コレクタ遮断電流I<sub>CEO</sub>と言う。(また、コレクタ遮断電流I<sub>CEO</sub>は、コレクターエミッタ間遮断電流とも呼ばれる)<br>
この漏れ電流のことを、コレクタ遮断電流I<sub>CEO</sub>と言う。(また、コレクタ遮断電流I<sub>CEO</sub>は、コレクターエミッタ間遮断電流とも呼ばれる)<br>
58行目: 58行目:
<u>遮断領域は、コレクタ遮断領域とも呼ばれる。</u><br>
<u>遮断領域は、コレクタ遮断領域とも呼ばれる。</u><br>
<br>
<br>
==== その他 : トランジスタの出力アドミタンス ====
===== その他 : トランジスタの出力アドミタンス =====
トランジスタを使用する時、h定数と呼ばれるものを用いることがある。
トランジスタを使用する時、h定数と呼ばれるものを用いることがある。
h定数には、出力アドミタンスh<sub>OE</sub>、電流増幅率h<sub>FE</sub>、入力インピーダンスh<sub>IE</sub>、電圧帰還率h<sub>RE</sub>がある。<br>
h定数には、出力アドミタンスh<sub>OE</sub>、電流増幅率h<sub>FE</sub>、入力インピーダンスh<sub>IE</sub>、電圧帰還率h<sub>RE</sub>がある。<br>
80行目: 80行目:
ゲルマニウムを素材としたゲルマニウムトランジスタの場合、ベース-エミッタ間電圧V<sub>BE</sub>が0.2~0.3[V]以上になると、ベース電流I<sub>B</sub>が大きく変化する。<br>
ゲルマニウムを素材としたゲルマニウムトランジスタの場合、ベース-エミッタ間電圧V<sub>BE</sub>が0.2~0.3[V]以上になると、ベース電流I<sub>B</sub>が大きく変化する。<br>
<br>
<br>
==== 入力特性(I<sub>B</sub>-V<sub>BE</sub>特性)における温度特性 ====
==== 入力特性(I<sub>B</sub>-V<sub>BE</sub>特性)における温度特性 ====
<u>トランジスタの入力特性(I<sub>B</sub>-V<sub>BE</sub>特性)は、温度によって変化する。</u><br>
<u>トランジスタの入力特性(I<sub>B</sub>-V<sub>BE</sub>特性)は、温度によって変化する。</u><br>

案内メニュー