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* 例: /dev/md0 | * 例: /dev/md0 | ||
*: 作成するRAIDデバイス名 | *: 作成するRAIDデバイス名 | ||
* --level | * 例: /dev/sdXA, /dev/sdYB, /dev/sdZC, /dev/sdWD | ||
*: | *: 使用するデバイスを指定 | ||
* --raid-devices | <br> | ||
*: | ==== --levelオプション ==== | ||
* -chunk | <code>--level</code>オプション または <code>-l</code>オプションは、RAIDレベルを指定するためのオプションである。<br> | ||
*: | <br> | ||
*: | 指定可能な値を以下に示す。<br> | ||
* raid0 または 0 | |||
*: | *: ストライピングのみ | ||
*: データを複数のディスクに分散して書き込む。 | |||
*: 冗長性なし、性能向上が目的 | |||
*: 必要なディスク数は、最低2台である。 | |||
*: <br> | |||
* raid1 または 1 | |||
*: ミラーリング | |||
*: 同じデータを複数のディスクに書き込む。 | |||
*: 完全な冗長性を提供する。 | |||
*: 必要なディスク数は、最低2台である。 | |||
*: <br> | |||
* raid4 または 4 | |||
*: ストライピング + 専用パリティ | |||
*: 1台のディスクをパリティ専用として使用する。 | |||
*: 必要なディスク数は、最低3台である。 | |||
*: <br> | |||
*: <u>現在はあまり使用されていない。</u> | |||
*: <br> | |||
* raid5 または 5 | |||
*: ストライピング + 分散パリティ | |||
*: パリティ情報を全ディスクに分散する。 | |||
*: 1台のディスク障害まで耐えられる。 | |||
*: 必要なディスク数は、最低3台である。 | |||
*: <br> | |||
* raid6 または 6 | |||
*: ストライピング + 二重分散パリティ | |||
*: 2台のディスク障害まで耐えられる。 | |||
*: 必要なディスク数は、最低4台である。 | |||
*: <br> | |||
* raid10 または 10 | |||
*: RAID1 (ミラーリング) と RAID0 (ストライピング) の組み合わせ | |||
*: 高性能と冗長性の両立する。 | |||
*: 必要なディスク数は、最低4台 (2の倍数である必要あり) である。 | |||
*: <br> | |||
* linear | |||
*: 単純な結合 | |||
*: ディスクを順番に使用する。 | |||
*: 冗長性なし。 | |||
*: 必要なディスク数は、最低2台である。 | |||
<br> | |||
==== --raid-devicesオプション ==== | |||
<code>--raid-devices</code>オプション または <code>-n</code>オプションは、RAIDアレイを構成するディスクの数を指定する。<br> | |||
<br> | |||
<u>※注意</u><br> | |||
<u>RAIDレベルに応じて最小必要数が異なる。</u><br> | |||
<u>RAID1とRAID10では偶数である必要がある。</u><br> | |||
<br> | |||
一般的な構成例<br> | |||
* RAID1 | |||
*: 2台 | |||
* RAID5 | |||
*: 3〜5台 | |||
* RAID6 | |||
*: 4〜6台 | |||
* RAID10 | |||
*: 4台以上 (2の倍数) | |||
<br> | |||
==== --chunkオプション ==== | |||
<code>--chunk</code>オプション または <code>-c</code>オプションは、チャンクサイズを指定するために使用する。<br> | |||
チャンクサイズとは、RAIDアレイ内の各ディスクに書き込まれるデータの最小単位のサイズである。<br> | |||
<br> | |||
指定できる値<br> | |||
* K (キロバイト)、M (メガバイト)、G (ギガバイト) の単位を使用する。 | |||
* 一般的な値は4K、64K、512K、1M等 | |||
* デフォルトは、512K | |||
<br> | |||
チャンクサイズの選択は、RAID性能に大きな影響を与える。<br> | |||
* 大きなチャンクサイズ | |||
*: 大きなファイルの連続読み書きに適している。 | |||
* 小さなチャンクサイズ | |||
*: 小さなファイルやランダムアクセスに適している。 | |||
<br> | |||
==== --layoutオプション ==== | |||
<code>--layout</code>オプションは、RAIDアレイのデータレイアウトを指定する。<br> | |||
<br> | |||
指定できる主な値<br> | |||
* n2 (ネスト化) | |||
*: RAID10のネスト化されたレイアウト (2wayミラー) | |||
*: 最も一般的なRAID10レイアウト | |||
*: デバイスをペアに分割し、各ペア内でミラーリングする。 | |||
*: 高い信頼性と良好な性能を提供する。 | |||
*: <br> | |||
*: --layout=n2は、近距離コピーを意味する。 | *: --layout=n2は、近距離コピーを意味する。 | ||
* / | *: <br> | ||
* o2 (オフセット) | |||
*: RAID10のオフセットレイアウト | |||
*: 各デバイスのブロックを隣接するデバイスにミラーリングする。 | |||
*: より柔軟な冗長性を提供する。 | |||
*: ディスク障害時の再構築が比較的高速である。 | |||
*: <br> | |||
* f2 (遠距離) | |||
*: RAID10の遠距離レイアウト | |||
*: 各ブロックを離れた位置にあるデバイスにミラーリング | |||
*: 連続するディスク障害に対してより強い耐性を持つ。 | |||
<br> | |||
<u>※注意</u><br> | |||
<u>これらのレイアウトオプションは主にRAID10で使用される。</u><br> | |||
<u>数値である<code>2</code>は、ミラーリングの方法を示す。</u><br> | |||
<u>デフォルトは、<code>n2</code>である。</u><br> | |||
<br> | <br> | ||
==== 作成例 ==== | |||
# X : ストレージ番号 | # X : ストレージ番号 | ||
# A, B, C, D : パーティション番号 | # A, B, C, D : パーティション番号 | ||
66行目: | 162行目: | ||
--level=10 \ | --level=10 \ | ||
--raid-devices=<使用するディスク数> \ | --raid-devices=<使用するディスク数> \ | ||
--chunk= | --chunk=512K \ | ||
--layout=n2 \ | --layout=n2 \ | ||
/dev/sd<span style="color:#C00000">X</span><span style="color:#00C000">A</span> \ | /dev/sd<span style="color:#C00000">X</span><span style="color:#00C000">A</span> \ |