「C Sharpの基礎 - CSVファイル」の版間の差分

ナビゲーションに移動 検索に移動
330行目: 330行目:


== CsvHelperライブラリ ==
== CsvHelperライブラリ ==
==== CsvHelperライブラリとは ====
CsvHelperライブラリは、C#で使用される強力なCSVファイル操作ライブラリである。<br>
このライブラリは、CSVファイルの読み書きを簡単かつ効率的に行うための多様な機能を提供している。<br>
<br>
CsvHelperライブラリの主な特徴として、高速な処理能力が挙げられる。<br>
大量のデータを含むCSVファイルでも、迅速に処理することができる。<br>
また、メモリ効率も優れており、大規模なファイルを扱う場合にも効果を発揮する。<br>
<br>
このライブラリはシンプルなAPIを通じて、複雑なCSV操作を簡単に実行することができる。<br>
例えば、オブジェクトのコレクションをCSVファイルに書き込み、あるいは、CSVファイルの内容をオブジェクトのコレクションとして読み込むことが、数行のコードで可能である。<br>
<br>
カスタマイズ性も高く、様々なCSV形式に対応できる。<br>
区切り文字の変更、ヘッダの有無の指定、エスケープ文字の設定等、細かな調整が可能である。<br>
さらに、日付や数値のフォーマット指定、null値の扱い等、データの読み書きに関する詳細な制御もサポートしている。<br>
<br>
属性 (Attributes) を使用したマッピング機能も便利である。<br>
クラスのプロパティにCSVのカラム名を対応させることにより、オブジェクトとCSVデータの変換を直感的に行うことができる。<br>
<br>
また、フルーエントAPIも提供されており、コードの可読性を高めつつ、複雑な設定を行うことができる。<br>
これにより、CSVファイルの構造や読み書きの挙動を詳細に定義できる。<br>
<br>
非同期処理もサポートさあれており、大規模なファイルを扱う場合やI/O処理の効率化が必要な場面で、非同期メソッドを活用することができる。<br>
<br>
セキュリティ面でも考慮されており、インジェクション攻撃等のリスクに対する保護機能が組み込まれている。<br>
<br>
CsvHelperライブラリは広範なプラットフォームをサポートしており、.NET Framework、.NET Core、.NET Standard等、様々な.NET環境で使用できるため、プロジェクトの移植性も高い。<br>
<br>
==== フルーエントAPIとは ====
フルーエントAPI (Fluent API) は、メソッドチェーンを使用してコードをより読みやすく、より自然な言語に近い形で記述できるプログラミングパターンである。<br>
<br>
CsvHelperライブラリのフルーエントAPIは、主に設定やマッピングの定義に使用される。<br>
これにより、複雑な設定も直感的に記述できるようになる。<br>
<br>
メソッドチェーンを使用することにより、追加の設定 (例: 日付フォーマット) を簡潔に記述することができる。<br>
* 可読性の向上
*: コードが自然言語に近い形で記述されるため、理解しやすくなる。
* コードの簡潔さ
*: 複数の設定を1行で記述できるため、コードが簡潔になる。
* 柔軟性
*: 必要な設定のみを追加でき、不要な設定は省略できる。
* インテリセンスのサポート
*: IDEのコード補完機能と相性が良く、利用可能なオプションを容易に把握できる。
* エラーの検出
*: コンパイル時にエラーを検出しやすくなる。
<br>
以下の例では、PersonMapクラスを使用してCSVファイルの構造を定義している。<br>
各Mapメソッド呼び出しは、プロパティとCSVカラムのマッピングを表している。<br>
<br>
<syntaxhighlight lang="c#">
public class PersonMap : ClassMap<Person>
{
    public PersonMap()
    {
      Map(m => m.Id).Name("社員番号");
      Map(m => m.Name).Name("氏名");
      Map(m => m.BirthDate).Name("生年月日")
                            .TypeConverterOption.Format("yyyy年MM月dd日");
    }
}
// 使用例
var config = new CsvConfiguration(CultureInfo.InvariantCulture)
{
    Encoding = Encoding.GetEncoding("shift_jis"),
    HasHeaderRecord = true
};
using (var writer = new StreamWriter("output.csv"))
using (var csv = new CsvWriter(writer, config))
{
    csv.Context.RegisterClassMap<PersonMap>();
    csv.WriteRecords(records);
}
</syntaxhighlight>
<br>
==== CsvHelperライブラリのインストール ====
==== CsvHelperライブラリのインストール ====
RiderまたはVisual StudioからNuGetを使用して、CsvHelperライブラリをインストールする。<br>
RiderまたはVisual StudioからNuGetを使用して、CsvHelperライブラリをインストールする。<br>
383行目: 458行目:
また、大規模なCSVファイルを扱う場合は、ストリーミング処理を使用することを推奨する。<br>
また、大規模なCSVファイルを扱う場合は、ストリーミング処理を使用することを推奨する。<br>
<br>
<br>
==== CSVファイルの読み込み : 同期処理 ====
==== CSVファイルの読み込み ====
===== 同期処理 =====
以下の例では、CsvHelperライブラリを使用して、CSVファイルを同期的に読み込んでいる。
以下の例では、CsvHelperライブラリを使用して、CSVファイルを同期的に読み込んでいる。
<br>
<br>
440行目: 516行目:
  </syntaxhighlight>
  </syntaxhighlight>
<br>
<br>
==== CSVファイルの読み込み : 非同期処理 ====
===== 非同期処理 =====
以下の例では、CsvHelperライブラリを使用して、CSVファイルをストリーミング処理かつ非同期に読み込んでいる。
以下の例では、CsvHelperライブラリを使用して、CSVファイルをストリーミング処理かつ非同期に読み込んでいる。
<br>
<br>

案内メニュー