オペアンプ - 入力オフセット電圧

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入力オフセット電圧とは

入力オフセット電圧とは、任意の入力とは別にオペアンプの入力端子に発生するオフセット電圧のことである。
入力オフセット電圧Voffsetは、下図のようにオペアンプの+端子に記載して考える。
理想的なオペアンプでは入力オフセット電圧は0[V]だが、実際のオペアンプには存在しており、+極性、-極性どちらも存在することがある。

OPAMP Offset Voltage 1.png
図.1 オペアンプの入力オフセット電圧



入力オフセット電圧が存在すると、増幅回路で構成している利得分が出力オフセット電圧として現れる。
例えば、回路の利得が20倍、入力オフセット電圧が2[mV]の場合、出力オフセット電圧が40[mV]となる。
オペアンプでmV単位の微小な信号を検出している場合、入力オフセット電圧は決して無視できないパラメータとなるので注意が必要である。

入力オフセット電圧に影響するパラメータ

入力オフセット電圧は、内部回路の影響によって個々のばらつきが発生するが、オペアンプ単体で見た場合にも使用条件によって電圧は変動する。

影響するパラメータは電源電圧、温度、同相入力電圧の3つがある。
1. 電源電圧
電源電圧は3つの中でも、最も影響が少ないパラメータである。電源電圧の影響が全くない部品もあれば、少しだけ影響する部品もある。

2. 温度
温度変化は、入力オフセット電圧への影響は大きく、安定した出力を実現するにはオペアンプの温度特性を考慮した設計にしなければならない。
  発熱しやすい部品をオペアンプの周囲に実装しないこと、冷却効果が見込める位置にオペアンプを配置する必要がある。

3. 同相入力電圧範囲
同相入力電圧範囲は、オペアンプを使う上で必ず守らなければならない。
オペアンプを正常に使うためには、同相入力電圧範囲内で使用する必要がある。
この範囲を超えると入力オフセット電圧が急激に変動し、正しい出力を得ることができない。