インストール - Webカメラ
概要
Webカメラは、PCにUSBまたはLANを介して接続されるビデオキャプチャデバイスである。
Linuxにおいて、Webカメラを使用するには、Webカメラソフトウェアが必要である。
ここでは、Webカメラで画像や映像を撮影して、ビデオ監視装置として動作させることができるソフトウェアを記載する。
Webcamoid
Webcamoidは、写真やビデオを撮影するための多機能なオープンソースのソフトウェアである。
このソフトウェアは、C++とQt 5で開発されている。
インストーラを使用してインストールする場合
- まず、Webcamoidの公式Webサイトにアクセスする。
- Linux 64bit向けの"Installable"項目にあるrun拡張子の実行ファイルをダウンロードする。
- ダウンロードしたファイルに実行権限を付加する。
chmod u+x webcamoid-installer-x.x.x-x86_64.run
- 実行権限を付加したファイルをダブルクリックまたは以下のコマンドを実行する。
./webcamoid-installer-x.x.x-x86_64.run
- 画面通りにインストールを進める。
ソースコードからインストールする場合
Webcamoidのビルドに必要な依存関係のライブラリをインストールする。
ただし、Qt 5.15以降(Qt Base、Qt Declarative、Qt QuickControls2, Qt Svg)およびCMake 3.16以降が必要となることに注意する。
sudo zypper install ccache gzip fontconfig which clang cmake patchelf git python3 libkmod-devel libusb-1_0-devel pipewire-devel \ alsa-devel libpulse-devel libjack-devel ffmpeg-devel gstreamer-plugins-base gstreamer-plugins-base-devel gstreamer-plugins-good \ libQt5QuickControls2-devel libqt5-linguist libqt5-qtbase-devel libqt5-qtdeclarative-devel \ libqt5-qtquickcontrols2 libqt5-qtsvg-devel libqt5-qtwayland libv4l-devel vlc-devel vlc-noX xauth xvfb-run
Webcamoidの公式WebサイトまたはWebcomoidのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf webcamoid-<バージョン>.tar.gz cd webcamoid-<バージョン>
ビルド用ディレクトリを作成する。
mkdir build && cd build
Webcomoidをビルドおよびインストールする。
cmake -B build -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<Webcomoidのインストールディレクトリ> . cmake --build build -j $(nproc) cmake --install build
Webcomoidの実行に必要なライブラリをインストールする。
sudo zypper install curl wget libX11-xcb1 libXext6 libXrender1 libdbus-1-3 libglvnd libxcb-glx0 libxkbcommon-x11-0
Clight
Clightのビルドに必要な依存関係のライブラリをインストールする。
# RHEL sudo dnf install @development-tools cmake pkg-config systemd-devel popt-devel libconfig-devel gsl-devel dbus-1-devel # SUSE sudo zypper install gcc cmake pkg-config systemd-devel popt-devel libconfig-devel gsl-devel dbus-1-devel
ClightのGithubにアクセスして、Clightをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍して、Clightのビルドディレクトリを作成する。
mkdir build cd build
cmake -G "Unix Makefiles" -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=$HOME/InstallSoftware/Clight \ -DCMAKE_INSTALL_LIBDIR=lib -DCMAKE_BUILD_TYPE="Release" .. make -j $(nproc) make install
Clightの実行に必要な依存関係のライブラリをインストールする。
# RHEL sudo dnf install libsystemd0 libconfig11 libpopt gsl # SUSE sudo zypper install libsystemd0 libconfig11 libpopt gsl
また、SUSEの場合、openSUSEソフトウェアセンターにアクセスして、Clightをインストールすることもできる。
ユーザごとに1つのClightインスタンスしか起動できないことに注意すること。
Clightは、0-confソフトウェアを目指しているため、XDG自動起動デスクトップファイルを同梱している。
これにより、XDGに準拠したDEであれば、Clightは自動的に起動される。
もし、XDGに対応していないDEやWMを使用している場合は、Clightをスタートアップスクリプトに追加すること。
画面のバックライトを高速に再調整するためのデスクトップファイルもインストールされるため、アプリケーションメニューに表示される。
さらに、描画の一時停止と再開、自動バックライトキャリブレーションの一時停止と再開等の副次的な機能も用意されている。
また、Clightdのsystemdユニットを有効にすることを忘れないこと。
sudo systemctl start clightd.service
Linuxの起動と同時に有効にする場合は、以下のコマンドを実行する。
sudo systemctl enable clightd.service
Clightの詳細を知りたい場合、ClightのGithubにアクセスすること。
https://github.com/FedeDP/Clight/wiki
Cheese
Cheeseは、GNOMEの公式ソフトウェアであり、Webカメラから写真やビデオを撮影するための簡易ソフトウェアである。
バーストモードを使用して複数の写真を連続して撮影したり、特殊効果を適用して個人的なタッチを加えることができる。
また、Cheeseは、GStreamerを使用して写真やビデオに派手なグラフィック効果を適用する。
Cheeseで動作させるには、GstreamerとVideo4Linux2(V4L2)またはVideo4Linux(V4L)との互換性が必要である。
古いWebカメラには対応していない場合もある。
Cheeseをインストールするには、以下のコマンドを実行する。
# RHEL sudo dnf install cheese # SUSE sudo zypper install cheese