ベクトル - 内積と外積

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概要

ベクトルの内積とは、ベクトル に対して垂直な光を当てる時、ベクトル 上にできるベクトル の射影の長さと、元のベクトル の長さとの積のことである。
ベクトル がある時、外積は と表すため、ドット積とも呼ばれる。

ベクトルの外積とは、2本のベクトルが作る平行四辺形に対して、垂直な方向に働く新しいベクトルのことである。
ベクトル がある時、外積は と表すため、クロス積とも呼ばれる。

ベクトルの外積は、線形代数において幅広く使われる重要な概念であるため、線形代数の幾何学的なイメージを深めることができる。


ベクトルの外積の幾何学的な意味

ベクトルの外積とは、2つのベクトルが作る平行四辺形に対して、垂直方向に伸びる新しいベクトルである。(ベクトルの外積の解はベクトル)
ベクトルの外積で求められるベクトルの長さは、2つのベクトルが作る平行四辺形の面積と等しくなる。

なお、垂直方向とは、平行四辺形に対して、真上の方向と真下の方向という2つの場合があり、外積の方向は、右手の法則で判断することができる。
を人差し指、 を中指とする場合、外積 の方向は親指の方向となる。


ベクトルの外積の計算方法

ベクトルの外積の計算方法を、次式に示す。


これは、次式のように、基底ベクトル を1列目の要素に入れて、ベクトル をそれぞれ2列目と3列目の要素にした3次の行列式を解くことと同様である。



ベクトルの外積の長さ

ベクトルの外積の長さは、三平方の定理を用いて、次式のように求めることができる。


ベクトルの外積の長さと、2つのベクトルが作る平行四辺形の面積は等しいため、この方法により、平行四辺形の面積を求めることもできる。


ベクトルの外積の性質

ある2つのベクトルの外積は、そのベクトルが作る平行四辺形の面積に等しい。

  • ベクトルの外積において、2つのベクトルを交換する時、ベクトルが伸びる方向が反対になるという性質がある。

  • ベクトルの外積 において、一方のベクトルがS倍になる時、その外積もS倍になる。
    または、 である。

    また、一方がS1倍になり、他方がS2倍になる時、外積はS1 S2倍になる。つまり、 である。

  • 平行するベクトルの外積は0
    平行なベクトル同士の外積は、0になる。
    これは、2つのベクトルが平行の場合、平行四辺形を作ることができず、その面積が0になるからである。
    また、2つのベクトルが直交する場合、平行四辺形の面積が最大になるため、外積の長さも最大になる。