概要
ベクトルの内積とは、ベクトル
に対して垂直な光を当てる時、ベクトル
上にできるベクトル
の射影の長さと、元のベクトル
の長さとの積のことである。
ベクトル
がある時、外積は
と表すため、ドット積とも呼ばれる。
ベクトルの外積とは、2本のベクトルが作る平行四辺形に対して、垂直な方向に働く新しいベクトルのことである。
ベクトル
がある時、外積は
と表すため、クロス積とも呼ばれる。
ベクトルの外積は、線形代数において幅広く使われる重要な概念であるため、線形代数の幾何学的なイメージを深めることができる。
ベクトルの外積の幾何学的な意味
ベクトルの外積とは、2つのベクトルが作る平行四辺形に対して、垂直方向に伸びる新しいベクトルである。(ベクトルの外積の解はベクトル)
ベクトルの外積で求められるベクトルの長さは、2つのベクトルが作る平行四辺形の面積と等しくなる。
なお、垂直方向とは、平行四辺形に対して、真上の方向と真下の方向という2つの場合があり、外積の方向は、右手の法則で判断することができる。
を人差し指、
を中指とする場合、外積
の方向は親指の方向となる。
ベクトルの外積の計算方法
ベクトルの外積の計算方法を、次式に示す。
![{\displaystyle {\begin{aligned}{\vec {v}}\times {\vec {w}}&=\left[{\begin{array}{cc}v_{1}\\v_{2}\\v_{3}\end{array}}\right]\times \left[{\begin{array}{cc}w_{1}\\w_{2}\\w_{3}\end{array}}\right]\\&=\left[{\begin{array}{cc}v_{2}w_{3}-w_{2}v_{3}\\-v_{1}w_{3}+w_{1}v_{3}\\v_{1}w_{2}-w_{1}v_{2}\end{array}}\right]\end{aligned}}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/1d3110b0d4b6c4df2be914adc10ef74d9718f5b7)
これは、次式のように、基底ベクトル
を1列目の要素に入れて、ベクトル
をそれぞれ2列目と3列目の要素にした3次の行列式を解くことと同様である。
![{\displaystyle {\begin{aligned}{\vec {v}}\times {\vec {w}}&=\left[{\begin{array}{cc}v_{1}\\v_{2}\\v_{3}\end{array}}\right]\times \left[{\begin{array}{cc}w_{1}\\w_{2}\\w_{3}\end{array}}\right]\\&={\mbox{det}}\left(\left[{\begin{array}{cc}{\hat {i}}&v_{1}&w_{1}\\{\hat {j}}&v_{2}&w_{2}\\{\hat {k}}&v_{3}&w_{3}\\\end{array}}\right]\right)\end{aligned}}}](https://wikimedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/6092abdd05a69168a8621dc4a0d3677ff8884a5c)
ベクトルの外積の長さ
ベクトルの外積の長さは、三平方の定理を用いて、次式のように求めることができる。

ベクトルの外積の長さと、2つのベクトルが作る平行四辺形の面積は等しいため、この方法により、平行四辺形の面積を求めることもできる。
ベクトルの外積の性質
ある2つのベクトルの外積は、そのベクトルが作る平行四辺形の面積に等しい。
- ベクトルの外積において、2つのベクトルを交換する時、ベクトルが伸びる方向が反対になるという性質がある。
- ベクトルの外積
において、一方のベクトルがS倍になる時、その外積もS倍になる。
または、
である。
- また、一方がS1倍になり、他方がS2倍になる時、外積はS1 S2倍になる。つまり、
である。
- 平行するベクトルの外積は0
- 平行なベクトル同士の外積は、0になる。
- これは、2つのベクトルが平行の場合、平行四辺形を作ることができず、その面積が0になるからである。
- また、2つのベクトルが直交する場合、平行四辺形の面積が最大になるため、外積の長さも最大になる。