概要
ベクトル方程式とは、"ある条件を満たす点を、ベクトルで表現した式"のことである。
直線は、点の集合である。
例えば,直線
は、点(x, y)が満たす条件を式にしたもので,この条件を満たす点の集合が直線になる。
ベクトルでは、点の位置を表すために、位置ベクトルが存在する。
この位置ベクトルを利用して、曲線上の点の位置ベクトル
の満たす関係式を、その曲線のベクトル方程式という。
直線のベクトル方程式
定点
を通り、
に平行な直線のベクトル方程式
定点を通りある直線に平行な直線のベクトル方程式
定点
を通り、
でないベクトル
に平行な直線のベクトル方程式
点
を通り、
でないベクトル
に平行な直線をgとする。
点
が直線g上にあるということは、
と表すことができる。
より、


と表すことができる。
この時、
を直線gの方向ベクトルtを媒介変数という。
また、このベクトル方程式をベクトルの成分で表すことを考える。
原点をO、点Aの座標を
、直線g上の任意の点を
として、
とする時、
ベクトル方程式は、次式となる。


媒介変数tを用いて表されたこの連立方程式を、直線gの媒介変数表示という。
この連立方程式からtを消去する時、次のことが成り立つ。
点
を通り、
が方向ベクトルである直線の方程式
異なる2点を通る直線のベクトル方程式(共線条件)
異なる2点を通る直線のベクトル方程式(共線条件)の定義
異なる2点
を通る直線のベクトル方程式は、次式となる。
または
平面上の異なる2点
を通る直線上に,点
があることを考える。
この時、
と表されるので、次式となる。

上式の方程式において、
とおく時、次式としても表すことができる。

例.
の時、直線ABの式は
である。
P(x, y)として、ベクトルで考えると

したがって、次式のように媒介変数表示で表すことができる。

上記の連立方程式からtを消去すると、直線の式
が成り立つことがわかる。
定点
を通り、ベクトル
に垂直な直線のベクトル方程式
定点を通り,ある直線に垂直な直線のベクトル方程式の定義
定点
を通り、
でないベクトル
に垂直な直線のベクトル方程式
(
は直線の法線ベクトル)
下図に、定点
を通り、ベクトル
に垂直な直線を示す。
点
がこの直線上にあるということは、
である。
内積を用いて表すと、次式となる。


例. 点
、直線ABの式
とする時、この直線に垂直な直線の式を求める。
P(x, y) として、ベクトルで考えると





したがって、ベクトル方程式
を用いて、定点
を通り、ベクトル
に垂直な直線を表すことができる。
ベクトルの終点の存在範囲
ベクトルの終点の存在範囲の定義
とする。(s、tは実数の変数)
s、tに条件がある時,次のような図形を表す。
直線AB
線分AB
の周と内部
平行四辺形OACBの周と内部
円のベクトル方程式