インストール - MS Office(CrossOver)

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2021年6月29日 (火) 14:52時点におけるWiki (トーク | 投稿記録)による版 (→‎SUSE)
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概要

Linuxにおいて、Windowsソフトウェアを使用する方法の1つは、CrossOverを使用することである。 CrossOverは、Wineの優れた部分を導入しており、ボタンを押下するだけでWindowsソフトウェアを自動的にセットアップできる。
CrossOverを使用する場合は、アプリケーションとしてMicrosoft Office 2016を選択して、
インストールファイルを選択し、ボトルを選択し、インストールする。

※注意
Office x64はインストールに失敗するため、Office x86のオフラインインストーラを使用することを推奨する。


CrossOverのインストール

CrossOverを使用する場合、ライセンスを購入する必要がある。
また、14日間の試用版があるため、気軽にエミュレートを試すことができる。

CentOS

CodeWeaverの公式Webサイトにアクセスする。
[Red Hat、Fedora、またはその他のRPMベースのLinux]を選択して、CrossOverをダウンロードする。
(ダウンロードページに自身の情報を入力する必要がある)

まず、以下の依存関係のライブラリをインストールする。

sudo yum install nss-mdns.i686 mesa-libGLU.i686 isdn4k-utils.i686 libgphoto2.i686 mpg123-libs.i686 openal-soft.i686 ocl-icd.i686 \
mesa-libOSMesa.i686 sane-backends-devel.i686 libxslt.i686 libnsl.i686 libnsl.x86_64 gstreamer1.i686 libxcrypt-compat 


次に、ダウンロードしたCrossOverのRPMファイルをインストールするため、以下のコマンドを実行する。

sudo yum install ./crossover-<バージョン名>.rpm
# または
sudo rpm -Uvh ./crossover-<バージョン名>.rpm


また、不足している依存関係のライブラリをインストールするには、以下のコマンドを実行してもよい。

<CrossOverのインストールディレクトリ>/bin/cxfix --auto


SUSE

CrossOverをダウンロードするため、以下のコマンドを実行する。

wget http://crossover.codeweavers.com/redirect/crossover.bin


ダウンロードしたCrossOverのbinファイルにおいて、実行権限を付与する。

chmod u+x crossover.bin


crossover.binファイルをダブルクリックして実行する、または、以下のコマンドを実行する。

./crossover.bin


また、openSUSEの場合、CrossOverのインストールと同時に、以下の依存関係も自動的にインストールされる。

libX11-6-32bit libXau6-32bit libXcursor1-32bit libXext6-32bit libXfixes3-32bit libXi6-32bit libXrandr2-32bit libXrender1-32bit
libglvnd-32bit libxcb1-32bit



Officeのインストール

Click to Runインストーラの使用 (推奨)

Microsoftは、2017年にISO版のOffice 2016の提供を終了しており、それ以降はClick to Runインストーラが標準でサポートされている。

CrossOverを使用してインストールする場合、CrossOverで実行できるインストーラをダウンロードする必要があるため、
ファイルをダウンロードして、ボトルにインストールできるClick to Runインストーラを使用する。

Click to Runインストーラは、Office 365のアクティブ版またはトライアル版を持っている場合、
Microsoft Edgeを起動して、Microsoftの公式Webサイトにアクセスする。

Microsoftのアカウントでサインイン後、ページ上部の[今すぐインストール]を選択する。
言語を選択して、32bit向けのOffice 365をダウンロードする。

詳細においては、以下のWebサイトを参照すること。
https://support.office.com/en-us/article/Download-and-install-or-reinstall-Office-365-or-Office-2016-on-a-PC-or-Mac-4414EAAF-0478-48BE-9C42-23ADC4716658?ui=en-US&rs=en-US&ad=US

Officeのインストールにおいて、以下に示す依存関係のライブラリが自動的にインストールされる。

Mesa-dri-32bit Mesa-libGL1-32bit gstreamer-32bit gstreamer-plugins-base-32bit gstreamer-plugins-good-32bit gstreamer-plugins-ugly-32bit
libGLU1-32bit libX11-6-32bit libXcomposite1-32bit libXcursor1-32bit libXext6-32bit libXfixes3-32bit libXi6-32bit libXinerama1-32bit
libXrandr2-32bit libXrender1-32bit libXxf86vm1-32bit libvulkan1-32bit libxslt1-32bit sane-backends-32bit


Officeのインストールにおいて、以下のような警告が出力される場合がある。

OpenGLは動作しません: OpenGL did not work in our simple tests.
                      This means OpenGL and DirectX applications, including most games, will likely not work.
                      Other applications should be unaffected.


その場合は、以下の依存関係のライブラリをインストールする。

sudo zypper install Mesa-libGL1-32bit
または
sudo zypper install Mesa-32bit


Officeのインストール実行時に、Adobe Source Han Sans Japaneseフォントのインストールが要求される。
(本来は自動的にインストールされるが、Adobe Source Han Sans JapaneseファイルのURLが変更されているため、インストールされない)

そのため、Adobe Source Han SansフォントのGithubにアクセスして、Language Specific OTFs Japaneseをダウンロードする。
ダウンロードしたLanguage Specific OTFs Japaneseを解凍する。

Officeのインストール実行時に表示されるメッセージボックスにおいて、[ファイルを選択]ボタンを押下して、SourceHanSans-Regular.otfファイル等を選択する。

Office Deployment Tool(ODT) for Click to Runの使用 (非推奨)

Office Deployment Toolは、Click to Runインストーラに代わるものであり、Office製品をローカルディスクからダウンロードしてデプロイすることができる。
他にも多くの機能があるが、CrossOverにOfficeをインストールする目的では、最も優れた機能である。
Officeのサブスクリプションやライセンスの有無に関わらず、Microsoftから公開されているため、CrossOver上で簡単にOfficeをテストすることができる。

また、Office Deployment Toolは、Microsoftのコマンドライン実行ファイルであり、Officeのダウンロードやインストールはボトルの中で実行される。

※注意
Office Deployment Tool(ODT)を使用する場合、CrossOverウィザードの一部としてOfficeはインストールされない。
新しく作成されたボトル内にあるRun Commandを使用して、バッチファイルを実行して起動する。

以下に示すMicrosoftの公式Webサイトまたは検索エンジンで"Microsoft Office 2016 Deployment Tool"と入力する。
https://www.microsoft.com/en-au/download/details.aspx?id=49117

詳細においては、以下のWebサイトを参照すること。
https://docs.microsoft.com/en-au/DeployOffice/overview-of-the-office-2016-deployment-tool

ODTでは、configuration.xmlファイルを使用してインストールを自動化する。
バッチファイルを作成して、ダウンロードまたはインストールを実行することができる。

configuration.xmlファイルで利用可能なオプションについては、上記のWebサイトを参照すること。

Office Deployment Toolのインストール手順を、以下に示す。
以下に示す全てのファイルを、同じディレクトリ(例: ~/InstallSoftware/Office)に配置する。

  • o365proplusretail-installation.bat
    このバッチファイルは、Officeのインストールを実行するために使用される。
    Officeをローカルにダウンロードしていない場合、インターネットからダウンロードして実行される。
    事前にo365proplusretail-download.batファイルを実行している場合、ローカルから実行される。

  • o365proplusretail-download.bat
    このバッチファイルは、Officeのインストーラをsetup.exeと同じディレクトリにダウンロードするために使用する。

    Officeのダウンロードにおける進捗状況が表示されないが、Office 2016 Pro PlusとVisioは約1.8[GB]であるため、
    ダウンロードファイルのサイズやログファイルから進捗状況を確認することができる。
    インストール中は、視覚的な進捗状況のアップデートを受け取ることができる。

  • setup.exe
    以前にダウンロードしたOffice Deployment Tool。

  • o365proplusretail-configuration.xml
    Office Deployment Toolの設定ファイル。

  • Officeディレクトリ
    o365proplusretail-download.batファイルの実行後、ツールによって作成されたOfficeのダウンロードコピーである。


# o365proplusretail-installation.batファイル

setup.exe /configure o365proplusretail-configuration.xml


# o365proplusretail-download.batファイル

setup.exe /download o365proplusretail-configuration.xml


 # o365proplusretail-configuration.xmlファイル
 
 <Configuration>
    <Add OfficeClientEdition="32" >
       <Product ID="O365ProPlusRetail" >
          <Language ID="en-us" />
          <Language ID="ja-jp" />
       </Product>
       <Product ID="VisioProRetail" >
          <Language ID="en-us" />
          <Language ID="ja-jp" />
       </Product>
    </Add>
    <Updates Enabled="TRUE" />
    <Display Level="Full" AcceptEULA="TRUE" /> 
    <Property Name="AUTOACTIVATE" Value="1" />
    <Logging Level="Standard" Path="Y:\" />
 </Configuration>


※上記の設定例に関する注意

  • 製品IDは、ライセンス / サブスクリプションに対して正しい必要がある。
    詳細については、以下のセクションに示すライセンス / サブスクリプションに適したOfficeを選択する方法を参照すること。
  • Office Deployment Toolは、標準でOffice Deployment Toolの場所にOfficeを保存 / 使用する。
  • ロギングパラメータは、Y:\がLinuxのCrossOverで標準でホームドライブにマップされるため、
    インストールログファイルがLinuxホームドライブに保存されることを保証する。
    Z:\は、標準でLinuxのルート(/)にマップされる。
    ログは、インストールが失敗した理由を理解するのに役立つ。
  • Officeを他の場所に保存する方法、代替言語を選択する方法、表示レベル、更新、ログ記録などの詳細については、
    ODTリファレンスガイドを参照すること。


ライセンス / サブスクリプションに適したOfficeを選択する方法

Officeには、様々なプランとソフトウェアパッケージが用意されているため、
ライセンスまたはサブスクリプションに適したオプションをインストールすることが重要である。

以下に示すMicrosoftの公式Webサイトでは、どの製品ID(ソフトウェアパッケージ)が各プランに関連付けられているかを示している。
https://support.microsoft.com/en-au/help/2842297/product-ids-that-are-supported-by-the-office-deployment-tool-for-click

※注意
上記のMicrosoftの公式Webサイトには、Microsoft Home Use Program(HUP)を通じて購入したライセンスにおいて、
関連付けられているOffice 2016 Standaloneの製品IDは含まれていない。
Office Pro Plusの製品IDはProPlusRetailであるため、サブスクリプションではなく、プロダクトキーによってライセンスされる。

※注意
Click to Runインストーラのダウンロードで問題が発生する場合は、
ブラウザエージェントを変更するか、Windows PCからダウンロードしてLinux PCにコピーすること。


その他

KDEを使用している場合

KDEでは、1度最大化したウィンドウを元に戻すことができないという問題がある。 この問題を解決するための手順は、以下の通りである。

  1. [KDEシステム設定]を起動する。
  2. [ウインドウの操作] - [ウィンドウルール] - [新規(N)...]ボタンを押下して、新しいウィンドウルールを作成する。
  3. [Windows matching]タブを選択する。
    • [説明]項目
      任意の名前を入力する。
    • [ウィンドウクラス(アプリケーション)(L):]
      プルダウンから[正規表現]を選択する。
      正規表現の項目に、.*\b(winword.exe|excel.exe|powerpnt.exe)\b.*を入力する。
      [ウインドウクラス全体に一致(H)]チェックボックスにチェックを入力する。
  4. [サイズと位置]タブを選択する。
    • [フルスクリーン]チェックボックスにチェックを入力して、プルダウンの値を[強制]、[No]ラジオボタンを選択する。
    • [要求されたジオメトリを無視する]チェックボックスにチェックを入力して、プルダウンの値を[強制]、[Yes]ラジオボタンを選択する。


入力メソッド

入力メソッドにおいて、ibusを使用している場合、WordやExcelで日本語入力できない可能性がある。
その場合、Fcitxをインストールすることにより、日本語入力することができる。

Fcitxのインストールは、インストール - Fcitxのページを参照すること。