シェルスクリプトの基礎 - 配列
概要
シェルスクリプトにおいて、配列を使用する方法を記載する。
配列の定義
配列を定義するには、以下のように記述する。
array[0]=a
array[1]=b
array[2]=c
または、以下のように記述する。
array=(a b c)
配列の基本
以下の例では、0〜3番目(2番目を除く)までの要素の配列を定義した後、各要素と配列全体を出力している。
#!/bin/sh
array[0]=a
array[1]=b
array[3]=d
# 0番目の要素を参照する
echo "$array"
# 1番目の要素を参照する
echo "$array[1]"
# 2番目の要素は存在しないので空文字となる
echo "$array[2]"
# 3番目の要素を参照する
echo "$array[3]"
# 全要素を参照する
echo "$array[@]"
# 出力
a
b
d
a b d
配列の要素の追加
配列に要素を追加する場合、新たな添字を指定して値を代入する。
また、配列に配列を追加する場合、+=を使用して配列名+=(値 値 値...)のように記述する。
#!/bin/bash
array=(a b c d)
# 配列arrayの4番目の要素に代入
array[4]=e
# 配列arrayの末尾に要素を代入
array+=(f g)
# 配列arrayの末尾に要素を代入(ただし、添字が0から1ずつ値が存在する場合のみ可能)
array[${#array[@]}]=h
for i in ${!array[@]}
do
echo $i ${array[$i]}
done
# 出力
a
b
c
d
e
f
g
h
配列の要素の削除
以下の例では、配列を定義した後、unsetコマンドにより0番目の要素を削除している。
#!/bin/sh
array[0]=a
array[1]=b
unset array[0]
echo "$array[@]"
# 出力
b
配列の表示
配列の要素数を表示するには、${#変数名[@]}を使用する。
#!/bin/sh
array=(a b c d)
echo "${#array[@]}"
# 出力
4
配列と繰り返し
以下の例では、括弧()を使用して配列を定義した後、for文を使用して配列の要素を出力している。
#!/bin/sh
array=(a b c d)
for e in $array[@]
do
echo "element = $e"
done
# 出力
element = a
element = b
element = c
element = d
また、以下のように記述することもできる。
#!/bin/sh
array=(a b c d)
for ((i=0; i<${#array[@]}; i++))
do
echo "element = $array[i]"
done
# 出力
element = a
element = b
element = c
element = d
連想配列
連想配列の定義は、declare -A <配列名>と記述する。
例えば、連想配列arrayを定義する場合は、declare -A arrayと記述する。
通常の配列は、declare -a <配列名>と記述する。通常の変数は、declare <変数名>とする。
連想配列の値は、連想配列名[キー]=値と記述する。
例えば、連想配列arrayにおいて、キーhogeに値10を代入する場合、array["hoge"]=10と記述する。
引用符""または''を省略して、array[hoge]=10と記述してもよい。
値の参照は、通常の配列と同様に${array["hoge"]}と記述する。ここでも、引用符""は省略できる。
for文で配列の値を全て参照する場合も、通常の配列と同様、for <変数名> in ${配列名[@]}と記述できる。
全てのキーの値を参照する場合、配列名の前に!記号を付加して、for <変数名> in ${!配列名[@]}と記述する。
以下の例では、連想配列arrayを定義して、hoge、piyo、fugaの点数を保存している。
1つ目のfor文では、全員の値を順次表示して、2つ目のfor文では、全員の名前と値(キーと値)を表示している。
#!/bin/sh
declare -A array
array["hoge"]=10
array["piyo"]=20
array["fuga"]=30
for VALUE in ${array[@]}
do
echo "$VALUE"
done
echo ""
for KEY in ${!array[@]}
do
echo "key : $KEY"
echo "value : ${array[$KEY]}"
done
# 出力
10
20
30
key : hoge
value : 10
key : piyo
value : 20
key : fuga
value : 30