広義積分とは
定積分(definite integral)は、ある の区間 上で連続な関数 で考えていた。
ここでは、 や で が発散してしまったり、定義されていない場合や、不連続の場合を考える。
このように、区間の端で不連続な にまで拡張された定積分を広義積分(improper integral)という。
また、広義積分が収束するとき、広義積分可能(improper integrable)であるという。
広義積分の定義
定義1:
は で連続であるとする。
このとき、 における定積分を以下で定義する。
説明:
となる をとると、 において は連続なので、通常の定積分 が考えられる。
その結果を として右側極限を考えたのが上の定義式である。
関数により、収束する場合もあり、収束しない場合もある。
定義2:
は で連続であるとする。
このとき、 における定積分を以下で定義する。
定義3:
は で連続であるとする。
このとき、 における定積分を以下で定義する。
積分区間の分割
が において連続で、 で不連続な場合、以下のように積分区間を分割して考えればよい。
が において連続で、 で不連続な場合、
が で不連続であっても、 に関する の右側極限と左側極限の値が有限の値に収束する場合には、普通の積分と同じように計算することができる。
一方、それら右側積分や左側積分の値が や に発散したり、振動したりする場合には、広義積分の収束・発散を調べる必要がある。
下図に、積分区間の分割の概要を示す。(この図は、上図の区分的に連続な関数の再掲である)
図. において区分的に連続な関数
広義積分の例題
例題:
関数
のとき、以下の広義積分の値を求めよ。
解答:
は で不連続なので積分区間を分けて考える。
は において左側極限も右側極限も存在し、 において区分的に連続なので、通常の定積分と同じように計算できる。