応用数学 - 広義積分と無限積分

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概要

広義積分および無限積分について理解する。


極限の例題

例題:
 
について、以下の極限を求めよ。

(1)  
(2)  
(3)  
(4)  
(5)  

解答:
(1)
xを正の方向から1に近づけた極限なので、
 

(2)
xを負の方向から1に近づけた極限なので、
 

(3)
xを正と負の両方から近づけた極限である。
しかし、(1)(2)より、右側極限と左側極限は一致しない。
そのため、一定の値には収束しないので、
  は値なし。

(4)
xを限りなく大きくしたときの極限なので、
 

(5)
xを限りなく小さくしたときの極限なので、
 



連続な関数

定義:
関数    で連続とは、以下の条件を満たすことである。
(1)   が存在する。
(2)   が存在する。
(3)  

関数   が区間Iで連続とは、以下の条件を満たすことである。
区間Iの任意の値aについて、   で連続。



区分的に連続な関数

定義:
  で定義された関数   が以下の条件を満たすとき、    で区分的に連続(piecewisely continuous)であるという。

(1)    において有限個の点を除いて連続である。
(2)   の不連続な点cにおいては、以下で示す右側極限と左側極限が存在する。
     

   で区分的に連続であるとは、言い換えると以下の条件を満たすことである。
(1) 不連続な点があっても有限個である。
(2) 不連続な点では、値が    に発散したり振動したりしない。

このような区分的に連続な関数に対しては、連続な関数とほぼ同様に定積分を行うことができる。


下図に、区分的に連続な関数を示す。

図.   において区分的に連続な関数  



ラプラス変換では、このような関数を扱う。