「CMake - インクルード」の版間の差分
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| *: CMakeプロジェクトのトップレベル (<code>project()</code>コマンドを実行したディレクトリ) の絶対パスが格納されている。 | |||
| *: サブディレクトリからこの変数を参照すると、トップレベルのディレクトリパスが返される。 | |||
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2024年4月4日 (木) 06:54時点における版
概要
非ターゲットのインクルード (target_include_directoriesコマンド)
find_packageコマンドは、includeコマンドで手動で行う設定を、REQUIREDオプション等を使用して自動で行うことができる。
 find_package(PkgConfig)
find_packageコマンドは、pkg_search_moduleコマンドよりも柔軟でより多くのオプションが存在する。
また、CMakeには豊富なパッケージ定義が付属しており、パッケージ管理システムからインストールしたソフトウェアは/usr/share/cmake/Modules/Find*.cmakeファイルにある。
target_include_directories(<ターゲット名> PUBLIC ...)コマンドは、
<ターゲット名>を使用する全てのターゲットにおいて、自動的にインクルードディレクトリが使用されるようになる。
ただし、CMakeLists.txtファイル内のターゲットにのみ有効であり、pkg_search_moduleコマンドで取得したライブラリに対しては機能しない。
 # pkg-configコマンドの使用
 find_package(PkgConfig REQUIRED)
 
 # pkg-configコマンドを使用してライブラリとヘッダファイルを自動的に設定
 pkg_check_modules(<任意の変数名> <.pcファイル内の[Name]セクション名  例. sdl2> REQUIRED IMPORTED_TARGET)
 
 # ...略
 
 target_link_libraries(<ターゲット名>
    ${<任意の変数名>_LIBRARIES}
 )
 
 target_include_directories(<ターゲット名> PUBLIC
    ${<任意の変数名>_INCLUDE_DIRS}
 )
 
 target_compile_options(<ターゲット名> PUBLIC
    ${<任意の変数名>_CFLAGS}
    # または
    ${<任意の変数名>_CFLAGS_OTHER}
 )
インクルードパスの指定
target_include_directoriesコマンド (推奨)
インクルードパスを指定する場合、target_include_directoriesコマンドを使用する。
target_include_directoriesコマンドを使用することにより、ターゲット単位でインクルードパスを適切に管理できる。
- PUBLIC
- このターゲットを使用する他のターゲットからインクルードできるパス
 
- PRIVATE
- このターゲット内部でのみ使用するインクルードパス
 
- $<BUILD_INTERFACE:...>
- ビルド時のインクルードパス
 
- $<INSTALL_INTERFACE:...>
- インストール後のインクルードパス
 
- ${PROJECT_SOURCE_DIR}
- CMakeが自動的に設定する変数であり、プロジェクトのトップレベルのソースディレクトリへの絶対パスを表す。
- CMakeプロジェクトのトップレベル (project()コマンドを実行したディレクトリ) の絶対パスが格納されている。
- サブディレクトリからこの変数を参照すると、トップレベルのディレクトリパスが返される。
 
 # ターゲットの定義
 add_library(my_library
    source1.cpp
    source2.cpp
 )
 
 # ターゲットのインクルードディレクトリを指定
 target_include_directories(my_library
    PUBLIC
       $<BUILD_INTERFACE:${CMAKE_CURRENT_SOURCE_DIR}/include>
       $<INSTALL_INTERFACE:include>
    PRIVATE
       ${PROJECT_SOURCE_DIR}/external/lib1/include
       ${PROJECT_SOURCE_DIR}/external/lib2/include
 )
include_directoriesコマンド (非推奨)
include_directoriesコマンドの使用は避けるべきである。
これは、プロジェクト全体で共通のインクルードパスを設定するため、意図しないインクルードが発生する可能性があるからである。
インクルードパスを指定する場合、include_directoriesコマンドを使用する。
 include_directories(/path/to/include)
include_directoriesコマンドを複数使用する場合、デフォルトでは、指定したパスは最後尾となる。
ただし、include_directoriesコマンドにBEFOREオプションを付加した場合は最前となる。
以下の例では、"-I/path1/to/include -I/path2/to/include"となる。
 include_directories(/path1/to/include)
 include_directories(/path2/to/include)
以下の例では、"-I/path2/to/include -I/path1/to/include" となる。
 include_directories(/path1/to/include)
 include_directories(BEFORE /path2/to/include)