「インストール - KDEソフトウェア」の版間の差分
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KDEソフトウェアのビルドの詳細を知りたい場合は、[https://community.kde.org/Get_Involved/development KDEの公式Webサイト]を参照すること。<br> | KDEソフトウェアのビルドの詳細を知りたい場合は、[https://community.kde.org/Get_Involved/development KDEの公式Webサイト]を参照すること。<br> | ||
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== KDE Plasmaデスクトップのビルド == | |||
KDE Plasmaデスクトップ環境とその関連アプリをビルドするために、以下に示すソフトウェアもビルドする。<br> | |||
./kdesrc-build --include-dependencies plasma-desktop systemsettings ksysguard plasma-disks plasma-systemmonitor ksystemstats kinfocenter kmenuedit | |||
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ビルドしたKDE Plasmaデスクトップに翻訳を取り込む場合は、<br> | |||
<code>ccmake</code>コマンドにおいて、<code>-DKDE_L10N_SYNC_TRANSLATIONS</code>オプションを<code>true</code>に指定して、plasma-workspaceソフトウェアをビルドする必要がある。<br> | |||
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これを行うには、plasma-workspaceのビルドディレクトリ(/<KDEソフトウェアの作業ディレクトリ>/build/plasma-workspace)に移動して、plasma-workspaceプロジェクトを再構築する。<br> | |||
ccmake -DKDE_L10N_SYNC_TRANSLATIONS=true . | |||
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ビルドしたKDE PlasmaセッションをSDDMのログイン画面からアクセスできるようにするには、ビルドしたDBusソフトウェアをシステムパスから見える場所にコピーする必要がある。<br> | |||
/<KDEソフトウェアの作業ディレクトリ>/build/plasma/plasma-workspace/login-sessions/install-sessions.sh | |||
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<u>※注意</u><br> | |||
<u>SELinuxは、ビルドしたDBusサービスの動作を妨害する可能性がある。</u><br> | |||
<u>SELinuxの無効化を知りたい場合は、https://www.tecmint.com/disable-selinux-in-centos-rhel-fedora/ を参照すること。</u><br> | |||
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PCをログアウトまたは再起動することにより、SDDMのログイン画面(Breeze SDDMテーマを使用している場合は、画面左下隅)から新しいKDE Plasmaセッションが選択できる。<br> | |||
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また、ビルドしたKDE Plasmaを、以下に示すように動作確認することもできる。<br> | |||
source /<KDEソフトウェアの作業ディレクトリ>/build/plasma-desktop/prefix.sh | |||
/<KDEソフトウェアの作業ディレクトリ>/usr/bin/plasmashell --replace | |||
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2022年6月28日 (火) 01:04時点における版
概要
kdesrc-buildスクリプトは、KDEソフトウェアの開発環境の構築と維持のプロセスを合理化するものである。
これは、KDEソフトウェアのソースコードリポジトリからソースコードをダウンロードして、そのソースコードをビルドおよびインストールするプロセスを自動化する。
Perlのインストール
もし、必要となるPerlのバージョンより古い場合は、インストール - Perlのページにアクセスして、Perlをビルドおよびインストールする。
KDEソフトウェアのビルドに必要なPerlモジュールをインストールする。
perl cpan IO::Socket::SSL YAML::XS YAML::PP YAML::Syck URI::Escape
KDEソフトウェアのインストール
KDEソフトウェアのビルドに必要な依存関係のライブラリをインストールする。
sudo zypper install libxslt-devel libxml2-devel polkit-devel wayland-devel wayland-protocols-devel \ xcb-util-keysyms-devel xcb-util-wm-devel libplist-devel libimobiledevice-devel libonig4 \ phonon4qt5-devel libcanberra-devel lmdb lmdb-devel breezy libattr-devel giflib-devel libjpeg8-devel libjpeg62 \ qrencode-devel zxing-cpp-devel libdmtx-devel libSM-devel php7-phpunit8 NetworkManager-devel \ kwidgetsaddons-devel \ libqt5-qttools-devel libqt5-qtbase-devel libqt5-qtbase-common-devel libqt5-qtdeclarative-devel \ libQt5QuickControls2-devel libQt5QuickTemplates2-devel libQt5QuickTemplates2-devel libqt5-qtdoc-devel \ libqt5-qtlocation-devel libqt5-qtlocation-private-headers-devel libqt5-qtremoteobjects-devel \ libqt5-qtstyleplugins-devel libqt5-qtxmlpatterns-devel libqt5-qtscxml-devel libqt5-qtsvg-devel \ libqt5-qtscript-devel libqt5-qtx11extras-devel libqt5-qtwebview-devel libqt5-qtwayland-devel \ libqt5-qtmultimedia-devel libqt5-qtmultimedia-private-headers-devel libQt5Charts5-devel \ libexiv2-devel libpoppler-devel libpoppler-qt5-devel typelib-1_0-Poppler-0_18 libepub-devel mobipocket-devel \ ffmpeg-4-libavcodec-devel ffmpeg-4-libavdevice-devel ffmpeg-4-libavfilter-devel ffmpeg-4-libavformat-devel \ ffmpeg-4-libavresample-devel ffmpeg-4-libavutil-devel ffmpeg-4-libpostproc-devel ffmpeg-4-libswresample-devel \ ffmpeg-4-libswscale-devel ffmpeg-4-private-devel \ systemd-devel # SUSE 15.4の場合 libudev-devel # SUSE 15.3以前の場合
KDEソフトウェアをビルドするためのツールであるkdesrc-buildをダウンロードする。
git clone https://invent.kde.org/sdk/kdesrc-build.git cd kdesrc-build
まず、kdesrc-buildが正常に実行できるかどうかを確認する。
./kdesrc-build --version
kdesrc-buildを設定する。
これは、ビルドおよびインストールするKDEソフトウェアのディレクトリの設定、および、ビルドするソフトウェア・ライブラリの設定を行うためのものである。
この設定は、~/.config/kdesrc-buildrcファイルに保存される。
./kdesrc-build-setup
次に、KDEプロジェクトと依存関係データをダウンロードする。
これは、KDEソフトウェアのソースリポジトリとその依存関係を記述した情報をダウンロードして、kdesrc-buildが何をビルドすればよいかを判断するために行う。
kdesrc-buildは、これらの情報を自動的に管理するが、このステップを実行することにより、
kdesrc-buildがKDEソフトウェアのソースリポジトリに正しく到達できることを確認して、--pretend
オプションでより正確な出力を提供できるようにする。
./kdesrc-build --metadata-only
次に、kdesrc-buildのテスト実行を行う。
これは、kdesrc-buildの実行に必要なファイル(cmake、git、make等)がインストールされているかどうかを確認する。
./kdesrc-build --pretend
KDEソフトウェアの依存関係およびKDEソフトウェアをビルドおよびインストールする。
stop-on-failure
オプションは、ビルドに失敗した時、依存関係が無い場合にkdesrc-buildを停止させるオプションである。
このオプションを設定しない場合、kdesrc-buildのビルドに失敗しても、全てのモジュールをビルドしようとする。
export CC=<GCC 8以降のgccファイルのパス>; export CXX=<GCC 8以降のg++ファイルのパス>; \ ./kdesrc-build --stop-on-failure <KDEソフトウェア名> # Dolphinをビルドおよびインストールする場合 export CC=<GCC 8以降のgccファイルのパス>; export CXX=<GCC 8以降のg++ファイルのパス>; \ ./kdesrc-build --stop-on-failure dolphin # KDE Plasmaデスクトップをビルドおよびインストールする場合 export CC=<GCC 8以降のgccファイルのパス>; export CXX=<GCC 8以降のg++ファイルのパス>; \ ./kdesrc-build --include-dependencies plasma-desktop
ビルドされた各ライブラリや各ソフトウェアにおいて、kdesrc-buildは以下のステップを実行する。
- ソースコードのダウンロードおよび最新版へのアップデート
- ビルドシステムの設定、および、必要に応じてソースコードの設定
- 各ライブラリや各ソフトウェアのビルド
- 各ライブラリや各ソフトウェアのインストール
KDEソフトウェアのビルドの詳細を知りたい場合は、KDEの公式Webサイトを参照すること。
KDE Plasmaデスクトップのビルド
KDE Plasmaデスクトップ環境とその関連アプリをビルドするために、以下に示すソフトウェアもビルドする。
./kdesrc-build --include-dependencies plasma-desktop systemsettings ksysguard plasma-disks plasma-systemmonitor ksystemstats kinfocenter kmenuedit
ビルドしたKDE Plasmaデスクトップに翻訳を取り込む場合は、
ccmake
コマンドにおいて、-DKDE_L10N_SYNC_TRANSLATIONS
オプションをtrue
に指定して、plasma-workspaceソフトウェアをビルドする必要がある。
これを行うには、plasma-workspaceのビルドディレクトリ(/<KDEソフトウェアの作業ディレクトリ>/build/plasma-workspace)に移動して、plasma-workspaceプロジェクトを再構築する。
ccmake -DKDE_L10N_SYNC_TRANSLATIONS=true .
ビルドしたKDE PlasmaセッションをSDDMのログイン画面からアクセスできるようにするには、ビルドしたDBusソフトウェアをシステムパスから見える場所にコピーする必要がある。
/<KDEソフトウェアの作業ディレクトリ>/build/plasma/plasma-workspace/login-sessions/install-sessions.sh
※注意
SELinuxは、ビルドしたDBusサービスの動作を妨害する可能性がある。
SELinuxの無効化を知りたい場合は、https://www.tecmint.com/disable-selinux-in-centos-rhel-fedora/ を参照すること。
PCをログアウトまたは再起動することにより、SDDMのログイン画面(Breeze SDDMテーマを使用している場合は、画面左下隅)から新しいKDE Plasmaセッションが選択できる。
また、ビルドしたKDE Plasmaを、以下に示すように動作確認することもできる。
source /<KDEソフトウェアの作業ディレクトリ>/build/plasma-desktop/prefix.sh /<KDEソフトウェアの作業ディレクトリ>/usr/bin/plasmashell --replace