「Qtのコントロール - プッシュボタン」の版間の差分
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2024年10月14日 (月) 11:13時点における最新版
概要
QPushButtonは、Qtにおけるプッシュボタンのコントロールである。
QPushButtonは機能が多岐にわたり、カスタマイズ性が高いため、ユーザインターフェイスを設計する上で非常に重要なコントロールである。
- 外観のカスタマイズ
- QPushButtonのスタイルシートを使用して、ボタンの色、フォント、枠線、背景画像等を自由に設定することができる。
 setStyleSheetメソッドを使用して、CSSスタイルシートを適用できる。- アイコンの設定は、
setIconメソッドで行う。 - また、アイコンとテキストを併せて表示することも可能である。
 
 - ショートカットキー (アクセラレータ) の設定
setShortcutメソッドでショートカットキーを設定することができる。- 例: 
btn->setShortcut(Qt::CTRL + Qt::Key_P); - テキストにアンダーラインを付けてショートカットキーを示すことができる。
 - 例: 
btn->setText("&Print"); 
 - その他の機能
isCheckableプロパティを有効にする場合、チェックボックス付きのプッシュボタンとなる。isFlatプロパティを有効にする場合、フラットなプッシュボタンとなる。
setMenuメソッドを使用して、プッシュボタンにメニューを設定することができる。setDefaultメソッドおよびsetAutoDefaultメソッドを使用して、デフォルトのプッシュボタンを設定することができる。setDownメソッドを使用して、ボタンを押下された状態に設定することができる。
 - シグナルとスロット
clickedシグナルは、ボタンがクリックされた時に発生する。pressedシグナルは、ボタンが押下された瞬間に発生する。releasedシグナルは、ボタンが離された瞬間に発生する。
 - レイアウト
- QPushButtonはQWidgetクラスを継承しているため、レイアウトに簡単に配置することができる。
 - 水平・垂直方向の伸縮モードを
setSizePolicyメソッドで設定することができる。 
 
プッシュボタンの角を丸くする
Qt Designer画面にて、プッシュボタンを配置する。
次に、Qt Designer画面にて、プッシュボタンのスタイルシートを設定する。
プッシュボタンの角を丸くするには、border-radiusプロパティにて、丸みの半径をpxで指定する。
(丸みの半径の値が大きいほど丸く、小さいほど角になる)
 /* プッシュボタンの前景色と背景色を指定する */
 QPushButton
 {
    color: rgb(255, 255, 255);
    background-color: rgb(0, 0, 0);
 }
 /* 前景色、背景色、border-rariusを指定する */
 QPushButton
 {
    color: rgb(255, 255, 255);
    background-color: rgb(0, 0, 0);
    border-radius: 10px;
 }
プッシュボタンの背景色をグラデーションにする
QLinearGradientクラスを使用して、プッシュボタンの左上を(0, 0)、右下を(1, 1)として、
始点(x1, y1)および終点(x2, y2)を指定すると、始点から終点に向かってグラデーションとなる。
stopには、0~1の位置(実数)と、その位置における色を指定する。
以下の例では、8個のプッシュボタンをグラデーションにしている。
 MainWindow::MainWindow(QWidget *parent) : QMainWindow(parent), ui(new Ui::MainWindow)
 {
    ui->setupUi(this);
 
   // 左上から右下(白->黒)
   ui->pushButton_1->setStyleSheet(QStringLiteral(
      "background-color: qlineargradient(x1:0, y1:0, x2:1, y2:1,"
      "stop:0 rgb(255, 255, 255), stop:1 rgb(0, 0, 0));"));
 
   // 上から下(白->黒)
   ui->pushButton_2->setStyleSheet(QStringLiteral(
      "background-color: qlineargradient(x1:0, y1:0, x2:0, y2:1,"
      "stop:0 rgb(255, 255, 255), stop:1 rgb(0, 0, 0));"));
 
   // 右上から左下(白->黒)
   ui->pushButton_3->setStyleSheet(QStringLiteral(
      "background-color: qlineargradient(x1:1, y1:0, x2:0, y2:1,"
      "stop:0 rgb(255, 255, 255), stop:1 rgb(0, 0, 0));"));
 
   // 右から左(白->黒)
   ui->pushButton_4->setStyleSheet(QStringLiteral(
      "background-color: qlineargradient(x1:1, y1:0, x2:0, y2:0,"
      "stop:0 rgb(255, 255, 255), stop:1 rgb(0, 0, 0));"));
 
   // 右下から左上(白->黒->白)
   ui->pushButton_5->setStyleSheet(QStringLiteral(
      "background-color: qlineargradient(x1:1, y1:1, x2:0, y2:0,"
      "stop:0 rgb(255, 255, 255), stop:0.5 rgb(0, 0, 0), stop:1 rgb(255, 255, 255));"));
 
   // 下から上(白->黒->白)
   ui->pushButton_6->setStyleSheet(QStringLiteral(
      "background-color: qlineargradient(x1:0, y1:1, x2:0, y2:0,"
      "stop:0 rgb(255, 255, 255), stop:0.5 rgb(0, 0, 0), stop:1 rgb(255, 255, 255));"));
 
   // 左下から右上(白->黒->白)
   ui->pushButton_7->setStyleSheet(QStringLiteral(
      "background-color: qlineargradient(x1:0, y1:1, x2:1, y2:0,"
      "stop:0 rgb(255, 255, 255), stop:0.5 rgb(0, 0, 0), stop:1 rgb(255, 255, 255));"));
 
   // 左から右(白->黒->白)
   ui->pushButton_8->setStyleSheet(QStringLiteral(
      "background-color: qlineargradient(x1:0, y1:0, x2:1, y2:0,"
      "stop:0 rgb(255, 255, 255), stop:0.5 rgb(0, 0, 0), stop:1 rgb(255, 255, 255));"));
 }
トグルボタンの作成
まず、Qt Designer画面にて、プッシュボタンを配置して、QPushButtonクラスのcheckableプロパティにチェックを入力する。
次に、配置したプッシュボタンを右クリックして[スロットへ移動]を選択する。
プッシュボタンのシグナルにおいて、clicked(bool)またはtoggled(bool)を選択する選択して、スロット関数を作成する。
プッシュボタンの押下において、clicked(bool)シグナルもtoggled(bool)シグナルも同じように呼び出されるが、
ただし、以下のように、ソースコードから操作する場合は、差異がある。
- ui->pushButton->setChecked(true);
toggled(bool)は呼び出されるが、clicked(bool)は呼び出されない。- 例えば、親ボタン1と子ボタン1-1、1-2、1-3がある時、
 - "親ボタンを押下すると、子ボタンを全て押下状態にする"
 - "親ボタンが押下されていない状態で、子ボタンが全て押下されると、親ボタンも押下状態にする"
 - ような場合の2で、親ボタンの押下状態だけを変える場合等。
 
 
- ui->pushButton->click();
toggled(bool)もclicked(bool)も呼び出される。(UI操作でボタンを押下したのと同様)
 
画像の表示
プッシュボタンの画像
プッシュボタンは、画像とテキストが表示できる。
画像の位置は固定、画像のサイズは指定可能であり、テキストの左側に表示される。
プッシュボタンコントロールのサイズを変更しても、画像のサイズは自動的に変化しない。
画像のサイズを指定しない場合は、原画像のサイズで表示される。
 std::unique_ptr<QPushButton> pBtn = std::make_unique<QPushButton>();
 
 pBtn->setIcon(style()->standardIcon(QStyle::SP_ArrowDown));
 pBtn->setText(tr("Test"));
 pBtn->setIconSize(QSize(32, 32));
 pBtn->setFont(QFont("Meiryo", 18));
フレーム画像
背景画像ではなく境界画像を指定する場合、サイズ変更に対応した枠を表示できる。
 std::unique_ptr<QPushButton> pBtn = std::make_unique<QPushButton>();
 
 pBtn->setText(tr("Test"));
 pBtn->setStyleSheet(
                       "border-width:27px; padding:10px; color:red;"
                       "background-image:url(:/images/close-hover.gif); background-color:skyblue;"
                       "border-image:url(:/images/border.png) 27 repeat;");
下図左は、border.pngファイルである。
黒い箇所が透過の場合、背景色と背景画像が見える。
repeatを指定しない場合は、引き伸ばした画像に変換される。
原画像を9分割して組み合わせることにより、境界線の長さの変化に対応することができる。
下図中央の緑の部分が、border-widthで指定した27pxの境界である。
②④⑥⑧の画像は、タイプにしたがって引き伸ばしたり、タイル状に敷き詰めたりする。
例えば、border-imageの幅を54に変更する時、左上・右上・左下・右下の四隅は、以下のようになる。
上下左右の境界画像は、②④⑥⑧に対応する部分が足りなくなるため、表示されない。
- 左上
- ① + ② + ④ + ⑤
 
 - 右上
- ② + ③ + ⑤ + ⑥
 
 - 左下
- ④ + ⑤ + ⑦ + ⑧
 
 - 右下
- ⑤ + ⑥ + ⑧ + ⑨
 
 
border-imageは、最初に画像データを指定する必要がある。その他の項目はどちらを先に記述しても構わない。
下表に、境界画像(border-image)の設定例を示す。
image-widthの指定方法は、CSSのmarginプロパティと同様である。
| 項目 | 初期値 | 設定例 | 説明 | 
|---|---|---|---|
| 画像データ (image-source)  | 
none | url(:/images/border.png) url(C:/temp/frame.gif)  | 
リソース画像 画像ファイル  | 
| 幅と高さ (image-width)  | 
1 | 20 2em 5% 3  | 
上下左右20px 上2em、左右5%、下3px  | 
| タイプ (image-repeat)  | 
stretch | round repeat stretch  | 
縦横ともに均等タイル 横方向はタイル、縦方向は伸縮  | 
タイプの種類は、タイル(repeat)、均等タイル(round)、伸縮(stretch)の3種類がある。
例えば、上図②の場合、タイル(repeat)は単純に②を並べるため、途中で画像が切れることがある。
均等タイル(round)は、②を何個表示できるかを計算して、均等になるように②の幅を伸縮する。(端数は四捨五入)
プッシュボタンのフレーム
背景としてフレーム画像を指定する場合、プッシュボタンのサイズ変更に対応できない。
 button->setStyleSheet(
                         "background:skyblue url(:/images/frame.png) no-repeat;");
境界としてフレーム画像を指定することにより、プッシュボタンのサイズ変更に対応することができる。
 button->setStyleSheet(
                         "border-width:4px; background-color:skyblue;"
                         "border-image:url(:/images/frame.png) 4;");