「インストール - DCP-J940Nドライバ」の版間の差分

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#: <code>sudo zypper install ./brscan-skey-<バージョン名>.x86_64.rpm</code>
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== CUPSの管理 ==
CUPSを管理するには、Webブラウザを起動して、CUPS Web管理サイト( http://localhost:631/admin )にアクセスする。<br>
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[プリンターの管理]を選択して、プリンタの登録状況を確認する。<br>
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==== インストールしたプリンタ名を確認 ====
もし、プリンタ名が表示されていない場合は、[プリンターの追加]を選択して、画面の指示に従ってプリンタデバイスおよびプリンタドライバを設定する。<br>
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==== デバイスURI(プリンターハードウェアの指定)を確認 ====
例. USB接続の場合、デバイスURIは"<code>usb://Brother/</code>"で始まる文字列になる。<br>
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[アクセスログの表示]、[エラーログの表示]、[ページログの表示]を閲覧する場合、ユーザ名とパスワードの入力が求められる。<br>
* ユーザ名
*: root
* パスワード
*: rootユーザのパスワード
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もし、一般ユーザで閲覧する場合は、<code>wheel</code>グループ等にユーザを追加する必要がある。<br>
sudo usermod -aG wheel $USER
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次に、/etc/cups/cups-files.confファイルにある<code>SystemGroup</code>に、<code>wheel</code>グループを追記する。<br>
sudo vi /etc/cups/cups-files.conf
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# /etc/cups/cups-files.confファイル
# 編集前
SystemGroup root
# 編集後
SystemGroup root wheel
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cupsサービスを再起動する。
sudo systemctl restart cups
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もし、<code>wheel</code>グループからユーザを削除する場合は、以下に示すコマンドを実行する。<br>
sudo gpasswd -d $USER wheel
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2024年10月3日 (木) 14:38時点における版

DCP-J940ドライバのダウンロード

Brotherの公式サイトから、DCP-J940NのLinux簡易インストーラをダウンロードする。


DCP-J940Nドライバのインストール

LPR(LPD)プリンタドライバ

  1. USBケーブルを使用する場合、プリンタとLinux PCをUSBケーブルで接続する。
  2. Brotherの公式Webサイトから、LPR(LPD)プリンタドライバをダウンロードしてインストールする。
    sudo rpm -Uvh --nodeps dcpj940nlpr-<バージョン名>.i386.rpm
    または
    sudo zypper install ./dcpj940nlpr-<バージョン名>.i386.rpm

  3. LPR(LPD)プリンタドライバのインストール完了後、自動的にポートがUSBに設定される。
    Linux PCから正常に印刷ができるかどうか確認する。
    パラレルインターフェースのみの製品の場合、ポートはパラレルに設定される。

  4. ネットワークポートまたはパラレルポートを使用する場合は、/etc/printcapファイルを編集する。(RHELの場合は、/etc/printcap.localファイル)
    ただし、CUPSシステムを使用する場合は、このファイルを編集する必要はない。
    sudo vi /etc/printcap
    または
    sudo vi /etc/printcap.local

    • ネットワークポートの場合
      :rm=<IPアドレス>\
      :rp=lp\

    • パラレルポートの場合
      :lp=/dev/lp0

    • USBポートの場合
      :lp=/dev/usb/lp0

  5. 最後に、LPR(LPD)プリントサービスを再起動する。
    /etc/init.d/lpd restart


Linux簡易インストーラ (推奨)

  • インストールする場合
    1. USBケーブルを使用する場合は、DCP-J940NとLinux PCをUSBで接続する。
    2. Brotherの公式Webサイトから、Linux簡易ツールをダウンロードする。
    3. ダウンロードしたLinux簡易ツールを解凍する。
      gunzip linux-brjprinter-installer-<バージョン名>-x.gz
    4. プリンタドライバおよびスキャナドライバをインストールする。
      対応ドライバをインターネット上から自動的にダウンロードするため、インターネットが利用できる状態で実行すること。
      sudo ./linux-brjprinter-installer-<バージョン名> DCP-J940N

      もし、代替ドライバを使用するように記載されている場合は、その代替ドライバの機種名を入力すること。
      例. DCP-115Cのドライバをインストールする場合
      sudo ./linux-brjprinter-installer-<バージョン名> MFC-410CN

      上記でも見つからない場合は、機種名の数字の後のアルファベットや/以降を省いた形で指定する。
      例1. DCP-1000Jのドライバをインストールする場合
      sudo ./linux-brjprinter-installer-<バージョン名> DCP-1000

      例2. MFC-610CLN/CLWNのドライバをインストールする場合
      sudo ./linux-brjprinter-installer-<バージョン名> MFC-610

    5. インストールの途中において、DeviceURIを指定する。
      • USBポートを使用する場合は、Nを選択する。
      • ネットワークポートを使用する場合は、Yを選択後、DeviceURIの一覧から番号8を選択して、DCP-J940NのIPアドレスを入力する。

    6. 正常にインストールされているかどうか確認するため、プリンタのテスト印刷を行う。

  • アンインストールする場合
    1. プリンタドライバのアンインストールファイルがあるディレクトリに移動する。
      cd <プリンタドライバのアンインストールファイルがあるディレクトリ>

    2. プリンタドライバをアンインストールする。
      sudo ./uninstaller_DCPJ940N

    3. スキャンドライバをアンインストールする。
      sudo ./uninstaller_brscan4

    4. スキャンキーツール(ブラザー製品の本体パネル上のスキャンボタンから各種機能を利用できるツール)をアンインストールする。
      sudo ./uninstaller_brscan-skey


スキャナドライバ

  1. Brotherの公式Webサイトから、スキャナドライバをダウンロードしてインストールする。
  2. ネットワークポートで接続する場合、ファイアウォールのポートを解放する。
    受信(インバウンド接続) ポート番号 : 54925 プロトコル : UDP
    sudo firewall-cmd --permanent --add-port=54925/udp
    sudo firewall-cmd --reload

    送信(アウトバウンド接続) ポート番号 : 54921 プロトコル : TCP
    sudo firewall-cmd --permanent --add-port=54921/tcp
    sudo firewall-cmd --reload

  3. スキャナドライバをインストールする。
    sudo rpm -Uvh brscan<バージョン名>.x86_64.rpm
    または
    sudo zypper install ./brscan<バージョン名>.x86_64.rpm

  4. ネットワークポートで接続する場合、ネットワークスキャナを登録する。

    使用するスキャナドライバにより、コマンド名は、以下のいずれかとなる。
    各スキャナドライバに合わせてコマンドを選択すること。
    • brsaneconfig(brscanドライバ)
    • brsaneconfig2(brscan2ドライバ)
    • brsaneconfig3(brscan3ドライバ)
    • brsaneconfig4(brscan4ドライバ)
    • brsaneconfig5(brscan5ドライバ)

    brsaneconfig4 -a name=<任意のスキャナの名前> model=DCP-J940N ip=<スキャナのIPアドレス>

  5. Krita、XSane、GIMP等を起動して、テストスキャンを実施する。


スキャンキーツール

  1. Brotherの公式Webサイトから、スキャンキーツールをダウンロードしてインストールする。
    sudo rpm -Uvh brscan-skey-<バージョン名>.x86_64.rpm
    または
    sudo zypper install ./brscan-skey-<バージョン名>.x86_64.rpm



CUPSの管理

CUPSを管理するには、Webブラウザを起動して、CUPS Web管理サイト( http://localhost:631/admin )にアクセスする。

[プリンターの管理]を選択して、プリンタの登録状況を確認する。

インストールしたプリンタ名を確認

もし、プリンタ名が表示されていない場合は、[プリンターの追加]を選択して、画面の指示に従ってプリンタデバイスおよびプリンタドライバを設定する。

デバイスURI(プリンターハードウェアの指定)を確認

例. USB接続の場合、デバイスURIは"usb://Brother/"で始まる文字列になる。

[アクセスログの表示]、[エラーログの表示]、[ページログの表示]を閲覧する場合、ユーザ名とパスワードの入力が求められる。

  • ユーザ名
    root
  • パスワード
    rootユーザのパスワード


もし、一般ユーザで閲覧する場合は、wheelグループ等にユーザを追加する必要がある。

sudo usermod -aG wheel $USER


次に、/etc/cups/cups-files.confファイルにあるSystemGroupに、wheelグループを追記する。

sudo vi /etc/cups/cups-files.conf


# /etc/cups/cups-files.confファイル

# 編集前
SystemGroup root

# 編集後
SystemGroup root wheel


cupsサービスを再起動する。

sudo systemctl restart cups


もし、wheelグループからユーザを削除する場合は、以下に示すコマンドを実行する。

sudo gpasswd -d $USER wheel



スキャナの使用

DCP-J940Nのスキャナ機能を利用する場合は、スキャナソフトウェアをインストールして使用する。

Skanliteを使用する場合

  • パッケージ管理システムからインストールする場合
    sudo zypper install skanlite

  • ソースコードからインストールする場合
    ビルドに必要な依存関係のライブラリをインストールする。
    sudo zypper install gcc gcc-c++ cmake extra-cmake-modules libQt5Core-devel libQt5Widgets-devel libQt5Test-devel \
    kdoctools-devel kcoreaddons-devel ki18n-devel kio-devel kxmlgui-devel libksane-devel

    SkanliteのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
    ダウンロードしたファイルを解凍する。
    tar xf skanlite-<バージョン>.tar.gz
    cd skanlite

    Skanliteをビルドおよびインストールする。
    mkdir build && cd build
    cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<Skanliteのインストールディレクトリ> -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release ..
    make -j $(nproc)
    make -j $(nproc) install

    Skanliteのデスクトップエントリファイルを作成する。
    vi ~/.local/share/applications/Skanlite.desktop
# ~/.local/share/applications/Skanlite.desktopファイル

[Desktop Entry]
Type=Application
Name=Skanlite
Name[ja]=Skanlite
GenericName=Image Scanning Application
GenericName[ja]=画像スキャンソフト
Comment=Scan and save images
Comment[ja]=画像をスキャンして保存します
Exec=/<Skanliteのインストールディレクトリ>/bin/skanlite
Icon=/<Skanliteのインストールディレクトリ>/share/icons/hicolor/48x48/apps/org.kde.skanlite
Categories=Qt;KDE;Graphics;Scanning;
X-DocPath=skanlite/index.html
Terminal=false
X-DBUS-ServiceName=org.kde.skanlite
StartupWMClass=skanlite


GNOMEドキュメントスキャナ (Simple Scan)を使用する場合

  • パッケージ管理システムからインストールする場合
    sudo zypper install simple-scan

  • ソースコードからインストールする場合
    ビルドに必要な依存関係のライブラリをインストールする。
    RHELの場合
    sudo dnf install meson vala gettext itstool fribidi-devel gtk3-devel gobject-introspection-devel \
    libgusb-devel colord-devel PackageKit-glib-devel libwebp-devel sane-backends-devel git
    SUSEの場合
    sudo zypper install meson vala gettext itstool fribidi-devel gtk3-devel gobject-introspection-devel \
    libgusb-devel libcolord-devel libpackagekit-glib2-devel libwebp-devel sane-backends-devel git wayland-devel wayland-protocols-devel

    Simple Scanのソースコードをダウンロードする。
    git clone https://gitlab.gnome.org/GNOME/simple-scan.git
    cd simple-scan

    Simple Scanをビルドおよびインストールする。
    meson --prefix <Simple Scanのインストールディレクトリ> build
    ninja -C build all install

    Simple Scanを実行する。
    export LD_LIBRARY_PATH="/<Simple Scanのインストールディレクトリ>/lib64:$LD_LIBRARY_PATH" \
    export XDG_DATA_DIRS=/<Simple Scanのインストールディレクトリ>/share:$XDG_DATA_DIRS \
    /<Simple Scanのインストールディレクトリ>/bin/simple-scan


または、Simple Scanを実行するシェルスクリプトを作成する。

vi /<Simple Scanのインストールディレクトリ>/bin/simple-scan.sh


# /<Simple Scanのインストールディレクトリ>/bin/simple-scan.shファイル

#!/usr/bin/env sh

appname="simple-scan"

# use -f to make the readlink path absolute
dirname="$(dirname -- "$(readlink -f -- "${0}")" )"

if [ "$dirname" = "." ]; then
   dirname="$PWD/$dirname"
fi

# Initialize interpreter path
export LD_LIBRARY_PATH="${dirname}/../lib64:$LD_LIBRARY_PATH"
export XDG_DATA_DIRS="${dirname}/../share:$XDG_DATA_DIRS"

# Run Simple Scan binary
"$dirname/$appname" "$@"


上記のシェルスクリプトに実行権限を付加する。

chmod u+x /<Simple Scanのインストールディレクトリ>/bin/simple-scan.sh


Simple Scanのデスクトップエントリファイルを作成する。

vi ~/.local/share/applications/Simple_Scan.desktop


# ~/.local/share/applications/Simple_Scan.desktopファイル

[Desktop Entry]
Type=Application
Name[ja]=ドキュメントスキャナー
Name=Document Scanner
Comment[ja]=写真と文書のデジタルコピーを作成します
Comment=Make a digital copy of your photos and documents
Exec=/<Simple Scanのインストールディレクトリ>/bin/simple-scan.sh
Icon=/<Simple Scanのインストールディレクトリ>/share/icons/hicolor/scalable/apps/org.gnome.SimpleScan
Categories=GNOME;GTK;Graphics;Scanning;
Keywords[ja]=scan;scanner;flatbed;adf;スキャン;スキャナー;フラットベッド;オートドキュメントフィーダー;自動給紙装置;
Keywords=scan;scanner;flatbed;adf;
Terminal=false
StartupNotify=true


XSaneを使用する場合

sudo zypper install xsane


qScanを使用する場合

qScanのビルドに必要なライブラリをインストールする。

# SUSE
sudo zypper install gcc13 gcc13-c++ meson sane-backends-devel ImageMagick-devel fmt-devel nlohmann_json-devel \
                    libQt5Core-devel libQt5Gui-devel libQt5Widgets-devel
                    spdlog-devel  # spdlogを使用する場合 (デフォルトは無効)


qScanのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。

tar xf qScan-<バージョン>.tar.gz
cd qScan-<バージョン>


qScanをビルドおよびインストールする。

meson setup ./build --prefix=<qScanのインストールディレクトリ>
meson compile -C ./build
meson install -C ./build


qScanのデスクトップエントリファイルを作成する。

vi ~/.local/share/applications/qScan.desktop


 # ~/.local/share/applications/qScan.desktopファイル
 
 [Desktop Entry]
 Type=Application
 Version=<qScanのバージョン>
 Name=qScan
 Comment=Document scanner
 Exec=/<qScanのインストールディレクトリ>/bin/qscan
 Icon=qScan
 Categories=Office;Graphics
 Terminal=false


VueScanを使用する場合

スキャナソフトウェアとしてVueScanをインストールする場合、VueScanの公式Webサイトにアクセスしてダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍して、インストールディレクトリに配置する。

tar xf vuescan-*.tgz
cp vuescan-* <VueScanのインストールディレクトリ>


VueScanのデスクトップエントリファイルを作成する。

vi ~/.local/share/applications/VueScan.desktop


~/.local/share/applications/VueScan.desktop

[Desktop Entry]
Version=1.0
Type=Application
Name=VueScan
GenericName=Scanner Tool
Comment=Scanner Tool
Exec=/home/suse/InstallSoftware/VueScan/vuescan %F
Icon=/home/suse/InstallSoftware/VueScan/vuescan.png
Terminal=false
StartupNotify=true
Categories=Utility;
MimeType=



その他

WindowsおよびMacOS向けのプリンタは、フォントを持たず、PostScript非対応である。

Linuxにおける印刷の仕組みを、以下に示す。

  1. まず、アプリケーション側において、文字や画像の印刷イメージをカーネルに送る。
  2. 次に、カーネルが印刷イメージをフィルタ(ドライバ)に与えて、該当プリンタ向けの制御用データを作成する。
  3. 最後に、プリンタにその制御用データを渡す。


LinuxカーネルがAMD64の場合でもそのフィルタ(ドライバ)を実行可能であればよい。
例えば、フィルタ(ドライバ)がx86専用ドライバの場合であっても、そのx86専用ドライバに必要なライブラリがあればAMD64 Linuxでも印刷可能である。

そのため、x86専用ドライバであったとしてもプリンタを動作させることができる。