「AKI-H8ボード/3069Fの動作確認」の版間の差分

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(ページの作成:「== 概要 == ここでは、AKI-H8/3069Fをベースに環境構築の方法を進める。<br> <br> AKI-H8/3069Fには、LEDやLCDを操れるようにマザーボード…」)
 
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== 概要 ==
== 概要 ==
ここでは、AKI-H8/3069Fをベースに環境構築の方法を進める。<br>
ここでは、AKI-H8/3069Fの動作を確認し、H8マイコンのファームウェアが正常に動作することを確認する。<br>
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AKI-H8/3069Fには、LEDやLCDを操れるようにマザーボードが付属している。<br>
AKI-H8/3069Fには、LEDやLCDを操れるようにマザーボードが付属している。<br>
AKI-H8/3069Fマイコンボード自体は完成品であるが、マザーボードの方は組み立てる必要がある。<br>
AKI-H8/3069Fは完成品であるが、マザーボードの方は組み立てる必要がある。<br>
マザーボードの組み立て方法は、"[https://www.amazon.co.jp/はじめる組込みLinux-H8マイコン×uClinuxで学べるマイコン開発の面白さ-米田-聡/dp/4797337192 はじめる組込みLinux H8マイコン×uClinuxで学べるマイコン開発の面白さ]"に掲載されているので、<br>
マザーボードの組み立て方法は、"[https://www.amazon.co.jp/はじめる組込みLinux-H8マイコン×uClinuxで学べるマイコン開発の面白さ-米田-聡/dp/4797337192 はじめる組込みLinux H8マイコン×uClinuxで学べるマイコン開発の面白さ]"に掲載されているので、その書籍を参考にする。<br>
マザーボードを組み立てる際は、そちらを参考にする。<br>
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<span style="color:#C00000">
<span style="color:#C00000">
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== kz_h8writeの設定方法 ==
== kz_h8writeの設定方法 ==
[[Kz_h8writeをコンパイルする方法|こちらのページ]]を参照する。<br>
[[Kz_h8writeをコンパイルする方法|こちらのページ]]を参照する。<br>
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== USB-シリアル変換ケーブルの接続と確認 ==
新たにターミナルを開いて、/var/log/messagesファイル(ログファイル)を監視するため、以下のコマンドを実行する。<br>
sudo tail -f /var/log/messages
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この状態で、Linux PCにUSB-シリアル変換ケーブルを接続すると、/var/log/messagesファイルの内容が、以下のように出力される。<br>
なお、"pl2303 converter detected"メッセージは、pl2303を検出したという意味である。<br>
Aug 11 13:24:16 localhost kernel: usb 1-1: USB disconnect, address 2
Aug 11 13:24:26 localhost kernel: ohci_hcd 0000:00:0f.4: wakeup
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usb 1-1: new full speed USB device using ohci_hcd and address 3
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usb 1-1: configuration #1 chosen from 1 choice
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usbcore: registered new driver usbserial
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: drivers/usb/serial/usb-serial.c: USB Serial support registered for generic
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usbcore: registered new driver usbserial_generic
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: drivers/usb/serial/usb-serial.c: USB Serial Driver core
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: drivers/usb/serial/usb-serial.c: USB Serial support registered for pl2303
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: pl2303 1-1:1.0: pl2303 converter detected
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usb 1-1: pl2303 converter now attached to ttyUSB0
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usbcore: registered new driver pl2303
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: drivers/usb/serial/pl2303.c: Prolific PL2303 USB to serial adaptor driver
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Linux PCに読み込まれているドライバを確認するため、以下のコマンドを実行する。<br>
出力の先頭の方に、pl2303というドライバが読み込まれているのが確認できる。<br>
これが、USB-シリアル変換ケーブルで使用するデバイスドライバである。<br>
Linuxカーネルは、USB-シリアル変換ケーブルがUSBポートに接続されたことを受けて、必要なドライバを呼び出す。<br>
lsmod
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# 出力
Module                  Size  Used by
pl2303                17668  0
usbserial              29032  1 pl2303
...略...
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<span style="color:#C00000">
'''※注意'''<br>
'''このページで使用するUSB-シリアル変換ケーブルには、Linux用ドライバは存在しない。(Windows用ドライバはある)'''<br>
'''しかし、CentOSやSUSEには、標準でPL2303用ドライバが用意されているので、新たにドライバを追加する必要はない。'''<br>
'''もし、ここに記載していないUSB-シリアル変換ケーブルを使用する場合、ドライバの対応があるか調べておく。'''<br>
</span>
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h8writeコマンドでアクセスするデバイスファイルが存在するか確認するため、以下のコマンドを実行する。<br>
/dev/ttyUSB0ファイル(または、0以上の数字)が生成されていることを確認する。<br>
ls -l /dev/ttyUSB0
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# 出力
crw-rw---- 1 root uucp 188, 0  8月11日 13:33 /dev/ttyUSB0 
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/dev/ttyUSB0ファイルに、一般ユーザでアクセスする場合は、以下のコマンドを実行する。<br>
sudo chmod o+rw /dev/ttyUSB0
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続いて、led_test.motファイルとlcd_test.motファイルをAKI-H8/3069Fに書き込む。<br>
続いて、led_test.motファイルとlcd_test.motファイルをAKI-H8/3069Fに書き込む。<br>
 
まず、AKI-H8/3069FにACアダプタを接続して、以下のコマンドを実行する。(led_test.motの書き込みが開始される)<br>
書き込みが完了すると、"EEPROM Writing is successed."メッセージが表示される。<br>
h8write -f20 -3069 led_test.mot /dev/ttyUSB0
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# 出力
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  KOZOS H8/3069F Flash Writer.         
  Copyright(C) 2011 Shinichiro Nakamura
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Bitrate sequence: Done.
Inquiry device: Done.
Select device: Done.
Inquiry clock mode: Done.
Select clock mode: Done.
Select bitrate: Done.
Write erase: Done.
Complete.
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書き込み完了後、AKI-H8/3069FのACアダプタを抜いて、下図のようにSW1を通常モードに変更する。<br>
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再度、AKI-H8/3069FにACアダプタを接続すると、2つの赤色のLEDと緑色のLEDが一緒に点滅する。<br>
もし、点滅しない場合は、以下の点を確認する。<br>
* ファームウェアが書き込めていない。
* 半田付けの不良がある。
* LEDの極性を間違えて接続している。
<br>
次に、LCDの表示を行う。上記と同様に、以下の手順で書き込みを行う。<br>
# AKI-H8/3069FのACアダプタを抜いて、SW1を下図のように設定する。(書き込みモード)
#: <br>
# AKI-H8/3069FにACアダプタを接続して、h8writeコマンドを実行する。<br>h8write -f20 -3069 lcd_test.mot /dev/ttyUSB0
#: <br>
# 書き込み完了後、AKI-H8/3069FのACアダプタを抜いて、下図のようにSW1を通常モードに変更する。<br>
# AKI-H8/3069FにACアダプタを接続する。
# LCDに、Hello, Worldと表示される。
<br>
もし、LCDに表示されない場合は、以下の点を確認する。<br>
* ファームウェアが書き込めていない。
* LCD周辺に半田付けの不良がある。
* LCDのコントラスト(LCDの近くにある半固定抵抗を回して調整する)
<br>
次のページは、AKI-H8/3069FでuClinuxを動作させる方法とLinux PCの設定について記載する。<br>
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__FORCETOC__
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[[カテゴリ:H8]][[カテゴリ:uCLinux]]
[[カテゴリ:H8]][[カテゴリ:uCLinux]]

2020年3月1日 (日) 03:39時点における版

概要

ここでは、AKI-H8/3069Fの動作を確認し、H8マイコンのファームウェアが正常に動作することを確認する。

AKI-H8/3069Fには、LEDやLCDを操れるようにマザーボードが付属している。
AKI-H8/3069Fは完成品であるが、マザーボードの方は組み立てる必要がある。
マザーボードの組み立て方法は、"はじめる組込みLinux H8マイコン×uClinuxで学べるマイコン開発の面白さ"に掲載されているので、その書籍を参考にする。

※注意
"はじめる組込みLinux H8マイコン×uClinuxで学べるマイコン開発の面白さ"のサポートサイトはこちらを参照する。


準備するもの



kz_h8writeの設定方法

こちらのページを参照する。


USB-シリアル変換ケーブルの接続と確認

新たにターミナルを開いて、/var/log/messagesファイル(ログファイル)を監視するため、以下のコマンドを実行する。

sudo tail -f /var/log/messages 


この状態で、Linux PCにUSB-シリアル変換ケーブルを接続すると、/var/log/messagesファイルの内容が、以下のように出力される。
なお、"pl2303 converter detected"メッセージは、pl2303を検出したという意味である。

Aug 11 13:24:16 localhost kernel: usb 1-1: USB disconnect, address 2
Aug 11 13:24:26 localhost kernel: ohci_hcd 0000:00:0f.4: wakeup
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usb 1-1: new full speed USB device using ohci_hcd and address 3
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usb 1-1: configuration #1 chosen from 1 choice
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usbcore: registered new driver usbserial
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: drivers/usb/serial/usb-serial.c: USB Serial support registered for generic
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usbcore: registered new driver usbserial_generic
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: drivers/usb/serial/usb-serial.c: USB Serial Driver core
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: drivers/usb/serial/usb-serial.c: USB Serial support registered for pl2303
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: pl2303 1-1:1.0: pl2303 converter detected
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usb 1-1: pl2303 converter now attached to ttyUSB0
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: usbcore: registered new driver pl2303
Aug 11 13:24:27 localhost kernel: drivers/usb/serial/pl2303.c: Prolific PL2303 USB to serial adaptor driver 


Linux PCに読み込まれているドライバを確認するため、以下のコマンドを実行する。
出力の先頭の方に、pl2303というドライバが読み込まれているのが確認できる。
これが、USB-シリアル変換ケーブルで使用するデバイスドライバである。
Linuxカーネルは、USB-シリアル変換ケーブルがUSBポートに接続されたことを受けて、必要なドライバを呼び出す。

lsmod


# 出力
Module                  Size  Used by
pl2303                 17668  0
usbserial              29032  1 pl2303
...略...


※注意
このページで使用するUSB-シリアル変換ケーブルには、Linux用ドライバは存在しない。(Windows用ドライバはある)
しかし、CentOSやSUSEには、標準でPL2303用ドライバが用意されているので、新たにドライバを追加する必要はない。
もし、ここに記載していないUSB-シリアル変換ケーブルを使用する場合、ドライバの対応があるか調べておく。

h8writeコマンドでアクセスするデバイスファイルが存在するか確認するため、以下のコマンドを実行する。
/dev/ttyUSB0ファイル(または、0以上の数字)が生成されていることを確認する。

ls -l /dev/ttyUSB0 


# 出力
crw-rw---- 1 root uucp 188, 0  8月11日 13:33 /dev/ttyUSB0  


/dev/ttyUSB0ファイルに、一般ユーザでアクセスする場合は、以下のコマンドを実行する。

sudo chmod o+rw /dev/ttyUSB0



動作確認

実際に、LEDとLCDのファームウェアを書き込み、AKI-H8/3069Fの動作確認を行う。

まず、Webブラウザを起動して、2つのファームウェアであるled_test.motファイル(LEDの点滅)とlcd_test.motファイル(LCDの表示)を、
任意のディレクトリにダウンロードする。

led_test.motとlcd_test.motをAKI-H8/3069Fに書き込む前に、AKI-H8/3069F上にあるSW1を下図のように設定する。(書き込みモード)
下図のように設定できたら、PCとAKI-H8/3069FをUSB-シリアル変換ケーブルで接続する。

※注意
白い部分がスイッチの突起を示す

続いて、led_test.motファイルとlcd_test.motファイルをAKI-H8/3069Fに書き込む。
まず、AKI-H8/3069FにACアダプタを接続して、以下のコマンドを実行する。(led_test.motの書き込みが開始される)
書き込みが完了すると、"EEPROM Writing is successed."メッセージが表示される。

h8write -f20 -3069 led_test.mot /dev/ttyUSB0


# 出力
=======================================
 KOZOS H8/3069F Flash Writer.          
 Copyright(C) 2011 Shinichiro Nakamura 
=======================================
Bitrate sequence: Done.
Inquiry device: Done.
Select device: Done.
Inquiry clock mode: Done.
Select clock mode: Done.
Select bitrate: Done.
Write erase: Done.
Complete.


書き込み完了後、AKI-H8/3069FのACアダプタを抜いて、下図のようにSW1を通常モードに変更する。

再度、AKI-H8/3069FにACアダプタを接続すると、2つの赤色のLEDと緑色のLEDが一緒に点滅する。
もし、点滅しない場合は、以下の点を確認する。

  • ファームウェアが書き込めていない。
  • 半田付けの不良がある。
  • LEDの極性を間違えて接続している。


次に、LCDの表示を行う。上記と同様に、以下の手順で書き込みを行う。

  1. AKI-H8/3069FのACアダプタを抜いて、SW1を下図のように設定する。(書き込みモード)

  2. AKI-H8/3069FにACアダプタを接続して、h8writeコマンドを実行する。
    h8write -f20 -3069 lcd_test.mot /dev/ttyUSB0

  3. 書き込み完了後、AKI-H8/3069FのACアダプタを抜いて、下図のようにSW1を通常モードに変更する。
  4. AKI-H8/3069FにACアダプタを接続する。
  5. LCDに、Hello, Worldと表示される。


もし、LCDに表示されない場合は、以下の点を確認する。

  • ファームウェアが書き込めていない。
  • LCD周辺に半田付けの不良がある。
  • LCDのコントラスト(LCDの近くにある半固定抵抗を回して調整する)


次のページは、AKI-H8/3069FでuClinuxを動作させる方法とLinux PCの設定について記載する。