C++の基礎 - 可変長引数

概要

C++で可変長の引数を使用する場合は、テンプレートを用いる必要がある。

可変長引数テンプレート

この方法は、最も簡潔な方法である。

<syntaxhighlight lang="c++">
template<typename... T>
int sum(T... args)
{
   int s = 0;
   for (int i : std::initializer_list<int>{args...})
   {
      s += i;
   }

   return s;
}
</source>
<syntaxhighlight lang="c++">
// 使用方法
std::cout << sum();        // 0
std::cout << sum(1);       // 1
std::cout << sum(1, 2);    // 3
std::cout << sum(1, 2, 3); // 6
</source>

パラメータパックT... argsは配列ではないため、for文で処理することはできないが、
パラメータパックを初期化リストstd::initializer_listに展開することで、for文を用いた可変長引数の操作が可能になる。

再帰呼び出しによるパラメータパックの展開
この方法は、より伝統的な方法である。

テンプレート関数(2)が処理の肝である。
テンプレート内のtypename... Restという記述により、可変長のテンプレートパラメータを受け取ることが可能になる。
また、第2引数Rest... restという記述により、関数呼び出し側の第2引数以降に指定した実引数は、全てこのrestに集約される。
これらは、パラメータパックと呼ばれる。(Rest : テンプレートパラメータパック、rest : 関数パラメータパック)

集約された複数の引数はRest...という記述で展開する。(アンパック)
以下のサンプルコードでは、sum(1, 2, 3)という記述は、引数firstに1、引数restに2と3という形に展開される。
よって、sum(1, 2, 3)という呼び出しは、関数内ではreturn 1 + sum(2, 3);という展開が行われる。

sum(2, 3)は再帰呼び出しとなるため、再びテンプレート関数(2)呼び出され、先程と同じ手順による展開が行われる。(return 2 + sum(3);)
最後に、sum(3)がテンプレート関数(1)に適用される形となる。

<syntaxhighlight lang="c++">
// (1)
template<typename First>
int sum(First first)
{
   return first;
}

// (2)
template<typename First, typename... Rest>
int sum(First first, Rest... rest)
{
   return first + sum(rest...);
}

int main(int argc, char *argv[])
{
   int v = sum(1, 2, 3);
   std::cout << v;  // 6
}
</source>

これら一連の展開が完了すると、およそ以下のような実行コードが形成されることになる。

<syntaxhighlight lang="c++">
int sum(int c) { reutrn c; }
int sum(int b, int c) { reutrn b + sum(c); }
int sum(int a, int b, int c) { reutrn a + sum(b, c); }

int main()
{
   int v = sum(1, 2, 3);
}
</source>

初期化子リスト

若干趣旨が異なるが、初期化子リストを受け取るためのクラスstd::initializer_listを活用する方法もある。
ソースコードの役割を明確化したり、可読性を高めたりするための用途として活用できる。

<syntaxhighlight lang="c++">
int sum(std::initializer_list<int> list)
{
   int sum = 0;
   for (int i : list)
   {
      sum += i;
   }

   return sum;
}

void test()
{
   int v = sum({1, 2, 3});
   std::cout << v; // 6
}
</source>

<syntaxhighlight lang="c++">
return contain(extention, {"cpp", "cc", "cp"});
</source>

可変個数の実引数

C言語の仕組みを利用する方法もある。
この方法は、こちらのページを参照すること。