「電子回路 - オペアンプ」の版間の差分

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(ページの作成:「== 概要 == <br><br> == オペアンプの飽和 == オペアンプの出力が電源電圧に達して飽和する場合、バーチャルショート (仮想短絡) の条件は成り立たない。<br> <br> ==== バーチャルショートの前提条件 ==== * オペアンプは理想的な動作範囲内で動作している。 * 十分な負帰還がかかっている。 * オープンループゲインが非常に大きい。 <br> ==== 飽和時の動作 ==…」)
 
 
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4 - 24 + 4 - 2 V_1 &= -12 + V_1 \\
4 - 24 + 4 - 2 V_1 &= -12 + V_1 \\
3 V_1 &= -4 \\
3 V_1 &= -4 \\
V_1 = - \dfrac{4}{3} \mbox{[V]}
V_1 &= - \dfrac{4}{3} \mbox{[V]}
\end{array}
\end{array}
</math><br>
</math><br>

2024年12月16日 (月) 04:13時点における最新版

概要



オペアンプの飽和

オペアンプの出力が電源電圧に達して飽和する場合、バーチャルショート (仮想短絡) の条件は成り立たない。

バーチャルショートの前提条件

  • オペアンプは理想的な動作範囲内で動作している。
  • 十分な負帰還がかかっている。
  • オープンループゲインが非常に大きい。


飽和時の動作

出力電圧が電源電圧に達する時、それ以上の出力ができない。
この状態において、負帰還が正常に機能しない。

したがって、反転入力端子(-)と非反転入力端子(+)の電位差が生じる。

具体例

例えば、±12[V]の電源で動作するオペアンプがあり必要な出力が16[V]の場合、出力は+12[V]で飽和する。
そのため、理想的な動作点に達することができない。

入力端子間の電位差が生じて、バーチャルショートは維持できない。

このため、回路設計では、想定される信号レベルに対して十分なヘッドルームを確保する、あるいは、必要に応じて電源電圧を見直す必要がある。
場合によっては回路構成自体を再検討するといった対策が必要になる。

計算例

以下の例では、±12[V]の電源で動作するオペアンプにおいて、計算上の出力が16[V]の場合である。

まず、反転入力端子にゼロ電流が流れるという前提 (入力インピーダンスが無限大) で、反転入力端子にキルヒホッフの法則を適用する。


仮の出力電圧は電源電圧 (12[V]) よりも高いため、オペアンプは飽和する。
オペアンプは飽和しているため、バーチャルショートは適用されず、反転入力の電圧値を再考する必要がある。
これは端子電圧法を使用して計算することができる。

まず、出力電圧を+VCCに適用する。




したがって、V1点には [V]の電圧が印加されることになる。