「ATmega328のヒューズ初期化方法」の版間の差分

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回路の作成を終えた後、PCとArduino Uno、ブレッドボードと12[V]電源を接続する。<br>
# 回路の作成を終えた後、PCとArduino Uno、ブレッドボードと12[V]電源を接続する。
Arduino IDEを起動し、シリアルモニタを表示させる。<br>
# Arduino IDEを起動して、シリアルモニタを表示させる。<br>シリアルモニタの下の設定は、CRのみ(改行なし以外なら他でも可)、9600[bps]を選択する。
シリアルモニタの下の設定は、CRのみ(改行なし以外なら他でも可)、9600[bps]を選択する。<br>
# [D]キーを押下後、[Enter]キーを押下して、ATmegaシリーズの検出を行う。<br>検出に失敗した時は、12[V]電源とUSBケーブルを抜いて回路が正常に接続されているか確認する。<br>
# 検出に成功した時、ヒューズの規定値書込みコマンド[W]キーを押下すると(確認のために[Y]キーも押下)、出荷時のヒューズをATmegaシリーズに書き込む。<br>
# 最後に、[R]キーを押下して、ヒューズが正常に書き込まれているか確認する。<br>
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DをタイプしてEnterキーで送信すると、ATmega328の検出が行われる。検出に失敗した時は、12[V]電源とUSBケーブルを抜いて回路を確認する。<br>
もし、Lock bitsが0xFF以外になっており、ヒューズ設定が書き込まれない場合、[C]キーを押下してATmega全体の初期化が出来る。<br>
正しく検出されたら、ヒューズの規定値書込みコマンド"W"を送信すると(確認のために"Y"も送信)、ATmega328に出荷時のヒューズが書き込まれる。<br>
ただし、Lock bitsだけでなく、Flash ROMやEEPROMの内容も消去される。<br>
最後に、"R"を送信して、ヒューズが正しく書き込まれているか確認する。<br>
この操作でヒューズビットの書き換えが出来るようになるので、再度、[W]キーを押下する。<br>
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もし、Lock bitsが0xFF以外になっており、ヒューズ設定が書き込まれない場合、"C"コマンドでAmega328全体の初期化が出来る。<br>
その他、[L]、[H]、[E]、[K]キーを押下して、各ヒューズビットやLock Bitsの値を指定して書き込む事も出来る。<br>
但し、Lock bitsだけでなく、Flash ROMやEEPROMの内容も消去される。<br>
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この操作でヒューズビットの書き換えが出来るようになるので、再度、"W"コマンドを送信する。<br>
 
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== チップシグネチャ ==
その他、"L"、"H"、"E"、"K"コマンドで、各ヒューズビットやLock Bitsの値を指定して書き込む事も出来る。<br>
下表にATmegaのチップシグネチャを示す。<br>
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{| class="wikitable"
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! チップ !! チップシグネチャ
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| ATmega8 || 0x1E9307
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| ATmega48A || 0x1E9205
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| ATmega48PA || 0x1E920A
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| ATmega88A || 0x1E930A
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| ATmega88PA || 0x1E930F
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| ATmega168A || 0x1E9406
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| ATmega168P<br>ATmega168PA || 0x1E940B
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| ATmega328 || 0x1E9514
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| ATmega328P || 0x1E950F
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__FORCETOC__
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[[カテゴリ:AVR]]
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2020年8月3日 (月) 03:13時点における最新版

概要

AtmelのAVRマイコンは、6本線のISP接続で簡単にファームウェアのダウンロード等が出来るが、
クロックソースを設定するヒューズビットの値を間違って書き込んだりすると、ISPでは回復するのが難しい事態に陥る事がある。
そこで、ヒューズリセッター(ヒューズ設定を出荷時状態に戻す)という装置を使用して復帰させる方法がある。
ここでは、Arduino-based AVR High Voltage Programmerをベースに、ヒューズリセッターを作成を記載する。


必要なもの

  • ヒューズリセットしたいAVRマイコン(ATmega168 / 328)
  • Arduino Uno
  • 12[V]電源
  • ブレッドボード
  • NPNトランジスタ(2SC1815)
  • 1[kΩ]抵抗 2本(R1, R4)
  • 10[kΩ]抵抗 2本(R2, R3) ※トランジスタに合わせて1[kΩ]から10[kΩ]の間で調整する
  • ジャンパーワイヤ



手順

まず、Arduinoに次のスケッチをダウンロードおよび解凍する。
ATmega168用 : ファイル:EZ HVFuse for ATmega168.zip
ATmega328用 : ファイル:EZ HVFuse for ATmega328.zip

次に、下図のように回路を作成する。

ATmega328 Chip Erase 1.png


  1. 回路の作成を終えた後、PCとArduino Uno、ブレッドボードと12[V]電源を接続する。
  2. Arduino IDEを起動して、シリアルモニタを表示させる。
    シリアルモニタの下の設定は、CRのみ(改行なし以外なら他でも可)、9600[bps]を選択する。
  3. [D]キーを押下後、[Enter]キーを押下して、ATmegaシリーズの検出を行う。
    検出に失敗した時は、12[V]電源とUSBケーブルを抜いて回路が正常に接続されているか確認する。
  4. 検出に成功した時、ヒューズの規定値書込みコマンド[W]キーを押下すると(確認のために[Y]キーも押下)、出荷時のヒューズをATmegaシリーズに書き込む。
  5. 最後に、[R]キーを押下して、ヒューズが正常に書き込まれているか確認する。


もし、Lock bitsが0xFF以外になっており、ヒューズ設定が書き込まれない場合、[C]キーを押下してATmega全体の初期化が出来る。
ただし、Lock bitsだけでなく、Flash ROMやEEPROMの内容も消去される。
この操作でヒューズビットの書き換えが出来るようになるので、再度、[W]キーを押下する。

その他、[L]、[H]、[E]、[K]キーを押下して、各ヒューズビットやLock Bitsの値を指定して書き込む事も出来る。


チップシグネチャ

下表にATmegaのチップシグネチャを示す。

チップ チップシグネチャ
ATmega8 0x1E9307
ATmega48A 0x1E9205
ATmega48PA 0x1E920A
ATmega88A 0x1E930A
ATmega88PA 0x1E930F
ATmega168A 0x1E9406
ATmega168P
ATmega168PA
0x1E940B
ATmega328 0x1E9514
ATmega328P 0x1E950F