「QMLのコントロール - Label」の版間の差分
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== 文字列の配置 == | == 文字列の配置 == | ||
==== 中央に配置 ==== | |||
<code>width</code>プロパティ、<code>height</code>プロパティで設定した領域のうち、文字列の配置を指定する。<br> | <code>width</code>プロパティ、<code>height</code>プロパティで設定した領域のうち、文字列の配置を指定する。<br> | ||
<syntaxhighlight lang="qml"> | <syntaxhighlight lang="qml"> | ||
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} | } | ||
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==== 行間の調整 ==== | |||
ピクセル数で行間を指定できる。<br> | |||
<syntaxhighlight lang="qml"> | |||
Label { | |||
lineHeightMode: Text.FixedHeight | |||
lineHeight: 20 | |||
} | |||
</syntaxhighlight> | |||
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割合で行間を指定することもできる。<br> | |||
<syntaxhighlight lang="qml"> | |||
Label { | |||
lineHeightMode: Text.ProportionalHeight // 省略可能 | |||
lineHeight: 1.8 | |||
} | |||
</syntaxhighlight> | |||
<br> | |||
==== トラッキング(文字間隔)の調整 ==== | |||
指定のピクセル数だけ、文字と文字の間隔を調整することができる。<br> | |||
値が負数の場合は、間隔が狭くなる。<br> | |||
<syntaxhighlight lang="qml"> | |||
Label { | |||
font.letterSpacing : 3 | |||
} | |||
</syntaxhighlight> | |||
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==== 配置の調整に<code>lineLaidOut</code>シグナルを使用する ==== | |||
<code>Label</code>コントロール (<code>Text</code>コントロールも含む)は、1行毎に<code>x</code>プロパティ、<code>y</code>プロパティ、<code>width</code>プロパティ、<code>height</code>プロパティを変更することができる。<br> | |||
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以下の例では、2行目の幅を20ピクセルずつ狭めて文字列を配置している。<br> | |||
<syntaxhighlight lang="qml"> | |||
Label { | |||
onLineLaidOut: { | |||
if (line.number === 1) | |||
{ | |||
line.x = line.x + 20 | |||
line.width = line.width - 20 | |||
} | |||
} | |||
} | |||
</syntaxhighlight> | |||
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行毎に<code>x</code>プロパティ、<code>y</code>プロパティ、<code>width</code>プロパティ、<code>height</code>プロパティを指定することができるため、ボタン等のコントロールを避けて配置することが可能である。<br> | |||
行番号を意味する変数<code>number</code>の値は、<code>0</code>から始まることに注意する。<br> | |||
<br> | |||
さらに、<code>forceLayout()</code>メソッドも併用すれば動的に変更することができる。<br> | |||
<br><br> | <br><br> | ||
== ツールチップ == | == ツールチップ == | ||
サイズより大きい<code>Label</code>コントロールをツールチップでホバー表示することができる。<br> | |||
<br> | <br> | ||
<code>Label</code>コントロールには、文字列がサイズより大きい場合、<code>truncated</code>プロパティが<code>true</code>になる。<br> | |||
<br> | <br> | ||
<code>maximumLineCount</code>プロパティ、または、<code>elide</code>プロパティを設定することにより、<code>truncated</code>プロパティが<code>true</code>になる。<br> | <code>maximumLineCount</code>プロパティ、または、<code>elide</code>プロパティを設定することにより、<code>truncated</code>プロパティが<code>true</code>になる。<br> | ||
同様に、<code>MouseArea</code> | 同様に、<code>MouseArea</code>コントロールの<code>hoverEnabled</code>プロパティを<code>true</code>に設定することにより、<code>containsMouse</code>プロパティが<code>true</code>になる。<br> | ||
<br> | <br> | ||
以下の例では、上記の<code>truncated</code>プロパティ、および、<code>containsMouse</code>プロパティが<code>true</code>の時、ツールチップを表示させている。<br> | 以下の例では、上記の<code>truncated</code>プロパティ、および、<code>containsMouse</code>プロパティが<code>true</code>の時、ツールチップを表示させている。<br> | ||
<syntaxhighlight lang="qml"> | |||
Label { | Label { | ||
id: name | id: name | ||
2023年11月29日 (水) 01:20時点における最新版
概要
Labelタイプは、Textタイプにスタイルとフォントを継承したものである。
デフォルトの色とフォントはスタイルに依存する。
Labelタイプは、視覚的な背景項目を持つこともできる。
Label {
text: "Label"
}
textプロパティを使用して、テキストの外観を自由に変更することができる。
Label {
text: "Hello world"
font.pixelSize: 22
font.italic: true
}
Labelタイプの詳細を知りたい場合は、Qtの公式Webサイトを参照すること。
Labelタイプの独自プロパティ
- background : Item型
- 背景項目を保持する。
- ※注意
- 背景アイテムのサイズが明示的に指定されていない場合は、自動的にコントロールのサイズに従う。
- 多くの場面では、背景アイテムの幅や高さを指定する必要はない。
- implicitBackgroundHeight : real型
- 暗黙の背景の高さを保持する。
- この値は、
background ? background.implicitHeight : 0と等価である。 - このプロパティは、QtQuick.Controls 2.5 (Qt 5.12) で導入された。
- 以下に示すimplicitBackgroundWidthプロパティも参照すること。
- implicitBackgroundWidth : real型
- 暗黙の背景幅を保持する。
- この値は、
background ? background.implicitWidth : 0と等価である。 - このプロパティは、QtQuick.Controls 2.5 (Qt 5.12) で導入された。
- 上記のimplicitBackgroundHeightプロパティも参照すること。
- topInset : real型
- 背景のトップインセットを保持する。
- このプロパティは、QtQuick.Controls 2.5 (Qt 5.12) で導入された。
- QMLのコントロール - Controlレイアウト、および、以下に示すbottomInsetプロパティも参照すること。
- bottomInset : real型
- 背景のボトムインセットを保持する。
- このプロパティは、QtQuick.Controls 2.5 (Qt 5.12) で導入された。
- QMLのコントロール - Controlレイアウト、および、上記のtopInsetプロパティも参照すること。
- leftInset : real型
- 背景の左インセットを保持する。
- このプロパティは、QtQuick.Controls 2.5 (Qt 5.12) で導入された。
- QMLのコントロール - Controlレイアウト、および、以下に示すrightInsetプロパティも参照すること。
- rightInset : real型
- 背景の右インセットを保持する。
- このプロパティは、QtQuick.Controls 2.5 (Qt 5.12) で導入された。
- QMLのコントロール - Controlレイアウト、および、上記のleftInsetプロパティも参照すること。
- palette : palette型
- ラベルに現在設定されているパレットを保持する。
- このプロパティは、QtQuick.Controls 2.3 (Qt 5.10) で導入された。
- QMLのコントロール - ControlレイアウトにあるControl::paletteプロパティも参照すること。
palette型
palette型において、使用可能なプロパティを下表に示す。
| プロパティ | 説明 |
|---|---|
| palette.alternateBase : color型 | 行の色が交互に表示されるアイテムビューの代替背景色として使用される。 |
| palette.base : color型 | 主にテキストエディタコントロールやアイテムビューの背景色として使用される。 通常は白か他の明るい色である。 |
| palette.brightText : color型 | palette.windowTextとは大きく異なり、palette.dark等と良好なコントラストを持つテキスト色である。通常、 palette.textやpalette.windowText、palette.buttonTextではコントラストが悪くなるようなテキストを描画する必要がある場合に使用する。 |
| palette.button : color型 | 一般的なボタンの背景色。 スタイルによっては、ボタンに異なる背景色を必要とするため、この背景は palette.windowとは異なることがある。
|
| palette.buttonText : color型 | palette.button.colorで使用される前景色。
|
| palette.dark : color型 | palette.buttonより暗い色。 |
| palette.highlight : color型 | 選択された項目または現在の項目を示す色。 |
| palette.highlightedText : color型 | palette.highlightと対照的なテキスト色。 |
| palette.light : color型 | palette.buttonより明るい色。 |
| palette.link : color型 | ハイパーリンクに使用されるテキスト色。 |
| palette.linkVisited : color型 | 既に訪問したハイパーリンクに使用されるテキスト色。 |
| palette.mid : color型 | palette.buttonとpalette.darkの間の色。 |
| palette.midlight : color型 | palette.buttonとpalette.lightの間の色。 |
| palette.shadow : color型 | とても濃い色。 |
| palette.text : color型 | palette.baseで使用される前景色。これは、 palette.windowTextと同じであり、その場合は、palette.windowやpalette.baseと良好なコントラストを提供する必要がある。
|
| palette.toolTipBase : color型 | ツールチップの背景色として使用される。 |
| palette.toolTipText : color型 | ツールチップの前景色として使用される。 |
| palette.window : color型 | 一般的な背景色。 |
| palette.windowText : color型 | 一般的な前景色。 |
詳細を知りたい場合は、QMLのコントロール - ControlにあるControl::palette、QMLのコントロール - PopupにあるPopup::palette、QMLのコントロール - ウインドウにあるApplicationWindow::palette、
QMLのコントロール - QPaletteにあるQPalette::ColorRoleも参照すること。
文字列の配置
中央に配置
widthプロパティ、heightプロパティで設定した領域のうち、文字列の配置を指定する。
Label {
verticalAlignment: Label.AlignVCenter
horizontalAlignment: Label.AlignHCenter
}
行間の調整
ピクセル数で行間を指定できる。
Label {
lineHeightMode: Text.FixedHeight
lineHeight: 20
}
割合で行間を指定することもできる。
Label {
lineHeightMode: Text.ProportionalHeight // 省略可能
lineHeight: 1.8
}
トラッキング(文字間隔)の調整
指定のピクセル数だけ、文字と文字の間隔を調整することができる。
値が負数の場合は、間隔が狭くなる。
Label {
font.letterSpacing : 3
}
配置の調整にlineLaidOutシグナルを使用する
Labelコントロール (Textコントロールも含む)は、1行毎にxプロパティ、yプロパティ、widthプロパティ、heightプロパティを変更することができる。
以下の例では、2行目の幅を20ピクセルずつ狭めて文字列を配置している。
Label {
onLineLaidOut: {
if (line.number === 1)
{
line.x = line.x + 20
line.width = line.width - 20
}
}
}
行毎にxプロパティ、yプロパティ、widthプロパティ、heightプロパティを指定することができるため、ボタン等のコントロールを避けて配置することが可能である。
行番号を意味する変数numberの値は、0から始まることに注意する。
さらに、forceLayout()メソッドも併用すれば動的に変更することができる。
ツールチップ
サイズより大きいLabelコントロールをツールチップでホバー表示することができる。
Labelコントロールには、文字列がサイズより大きい場合、truncatedプロパティがtrueになる。
maximumLineCountプロパティ、または、elideプロパティを設定することにより、truncatedプロパティがtrueになる。
同様に、MouseAreaコントロールのhoverEnabledプロパティをtrueに設定することにより、containsMouseプロパティがtrueになる。
以下の例では、上記のtruncatedプロパティ、および、containsMouseプロパティがtrueの時、ツールチップを表示させている。
Label {
id: name
wrapMode: Label.Wrap
maximumLineCount: 1
MouseArea {
anchors.fill: parent
hoverEnabled: true
ToolTip {
visible: parent.containsMouse && name.truncated
delay: 500
text: name.text
contentItem: Label { } // contentItemプロパティでLabelをカスタマイズすることができる
background: Rectangle { } // 背景も同様
}
}
}
URLリンクの作成
LabelにURLを貼るには、LabelまたはTextを使用して、MouseAreaを組み合わせる方法がある。
Qt.openUrlExternallyメソッドを使用して、外部ブラウザでURLを開くことができる。
以下の例では、Labelで表示されるテキストをクリックすると、指定したURLがWebブラウザで開かれる。
import QtQuick 2.15
import QtQuick.Controls 2.15
ApplicationWindow {
visible: true
width: 500
height: 300
title: "URL Label Example"
Label {
text: "Click here to visit a website"
color: "blue"
underline: true
MouseArea {
anchors.fill: parent
onClicked: {
Qt.openUrlExternally("http://www.example.com")
}
}
}
}
フォントの変更
QMLで使用されるデフォルトのフォントを変更することができる。
main関数で、QGuiApplication::setFontメソッドにフォント名を指定することにより、デフォルトのフォントを変更することができる。
QGuiApplicationクラスのオブジェクトを生成する前に記述する必要がある。
これは、QGuiApplicationクラスのコンストラクタで生成されるQFontクラスは、QGuiApplication::setFontメソッドで指定したフォントになるためである。
つまり、システムのデフォルトのQFontクラスが生成されないということである。
QGuiApplication::setFont(QFont("Arial"));