「インストール - Docker CE」の版間の差分

提供:MochiuWiki - SUSE, Electronic Circuit, PCB
ナビゲーションに移動 検索に移動
571行目: 571行目:


__FORCETOC__
__FORCETOC__
[[カテゴリ:CentOS]][[カテゴリ:SUSE]]
[[カテゴリ:RHEL]][[カテゴリ:SUSE]]

2023年4月13日 (木) 20:51時点における版

概要

Dockerとは、軽量なコンテナ型のアプリケーション実行環境である。dotCloud社(現Docker社)が開発し、2013年にオープンソースのプロジェクトとして公開された。
ソフトウェアの高速な配布・実行、容易なイメージのカスタマイズ、導入運用の手軽さ、豊富なプレビルドイメージの提供などの理由により、当初はソフトウェアの開発やテスト段階における利用が多かったが、
現在ではパブリッククラウドからオンプレミスシステムまで、さまざまなシーンで急速に普及しつつある。

コンテナは、Linuxの通常のプロセスとほぼ同じものであるが、利用できる名前空間やリソースが他のプロセスやコンテナからは隔離され、それぞれ固有の設定を持てるようになっている。
そのため、コンテナ内のアプリケーションから見ると、独立したコンピュータ上で動作しているように振る舞う。
コンテナを管理するコストは、プロセスを管理するコストとほぼ変わらず、仮想マシンを管理するコストと比較すると非常に軽い。

  • 名前空間の隔離機能
    ファイルシステムやコンピュータ名、ユーザー名(ユーザーID)、グループ名(グループID)、プロセスID、ネットワーク機能などを、コンテナごとに独自に設定できるようにする機能。
  • リソースの隔離機能
    CPUやメモリ、ディスク入出力など、コンテナ内で利用するリソースを他のコンテナから隔離したり、設定に基づいて振り分けたりする機能。


様々なDockerイメージは下記のWebサイトよりダウンロードできる。
https://hub.docker.com


Docker公式サイトからバイナリをインストールする

サポート外のプラットフォーム用の手順として、バイナリインストールの手順が以下にある。
Install Docker CE from binaries | Docker Documentation
最新版をインスールする場合はこの手順が推奨される。

バイナリは以下のWebサイトから選択する。
https://download.docker.com/linux/static/stable/x86_64/
(stable以外のedgeやtestは好みで選択する)

wget https://download.docker.com/linux/static/stable/x86_64/docker-<バージョン>.tgz
tar xf docker-<バージョン>.tgz
sudo cp docker-<バージョン>/* /usr/local/bin


正常にインストールできたか確認する。

docker version

# 結果
Client:
Version:      18.06.3-ce
API version:  ****
Go version:   *******
Git commit:   *******
Built:        **************
OS/Arch:      linux/amd64
Cannot connect to the Docker daemon at unix:///var/run/docker.sock. Is the docker daemon running?


次に、systemdユニットファイルを作成する。
パッケージ管理システムを使用せずにバイナリファイルをインストールする場合、Dockerとsystemdを手動で統合する。

以下のGitHubにアクセスして、docker.serviceファイルとdocker.socketファイルを/etc/systemd/systemディレクトリに配置する。
https://github.com/moby/moby/tree/master/contrib/init/systemd

リポジトリを追加してインストール

Dockerのリポジトリを追加してインストールする場合は、こちらの手順を用いる。
ただし、リポジトリに含まれるDocker CEの更新が遅い場合があるので注意すること。

CentOSの場合

まず、Docker CEをインストールするために、依存関係のライブラリをインストールする。

sudo yum install yum-utils device-mapper-persistent-data lvm2


続いて、Docker CEをインストールする。

sudo yum install docker-ce


※注意
Docker CEの最新バージョンを使用する場合は、標準設定では無効になっているリポジトリを有効にする必要がある。

sudo yum-config-manager --enable docker-ce-edge
sudo yum-config-manager --enable docker-ce-test


SUSEの場合

まず、Dockerのリポジトリを追加するため、以下のファイルを任意のエディタで作成する。

sudo vi /etc/zypp/repos.d/docker.repo

# 追記
[Virtualization_containers]
name=Virtualization:containers (SLE and openSUSE 15)
type=rpm-md
baseurl=http://download.opensuse.org/repositories/Virtualization:/containers/SLE_xx_SPx/          # SLEの場合
baseurl=http://download.opensuse.org/repositories/Virtualization:/containers/openSUSE_Leap_xx.x/  # openSUSEの場合
gpgcheck=1
gpgkey=http://download.opensuse.org/repositories/Virtualization:/containers/SLE_xx_SPx/repodata/repomd.xml.key  # SLEの場合
gpgkey=http://download.opensuse.org/repositories/Virtualization:/containers/openSUSE_Leap_xx.x/repodata/repomd.xml.key  # openSUSEの場合
enabled=1


ファイル作成後、リポジトリの更新とdockerのインストールを行う。

sudo zypper --gpg-auto-import-keys refresh
sudo zypper install docker docker-compose yast2-docker


または、SLEの場合は、以下の手順を行うこともできる。

  1. YaSTを起動して、[ソフトウェア] - [ソフトウェアリポジトリ]を選択する。
  2. [ソフトウェアリポジトリ]画面から、[追加]ボタンを押下する。
  3. [Extensions and Module from Registration Server]を選択して、[次へ]ボタンを押下する。
  4. [利用可能なextensionsとmodules]から、[Container Module]を選択して、[次へ]ボタンを押下する。
    この時、containerモジュールとリポジトリがシステムに追加される。
  5. Subscription Management Toolを使用している場合、SMTサーバのリポジトリリストを更新する。
    または、以下のコマンドを実行する。
    sudo SUSEConnect -p sle-module-containers/15/x86_64 -r
    または
    sudo SUSEConnect -p sle-module-containers/15/x86_64



Dockerのアンインストール

Dockerエンジン、Docker CLI、Containerdをアンインストールする。

sudo zypper remove docker-ce docker-ce-cli containerd.io


Dockerイメージ、Dockerコンテナ、ボリューム、Dockerの設定ファイルを削除する。(自動的に削除されない)

sudo rm -rf /var/lib/docker
sudo rm -rf /var/lib/containerd



Docker CEの設定

正常にインストールできたか確認する。

docker version

# 結果
Client:
Version:      18.06.3-ce
API version:  ****
Go version:   *******
Git commit:   *******
Built:        **************
OS/Arch:      linux/amd64
Cannot connect to the Docker daemon at unix:///var/run/docker.sock. Is the docker daemon running?


インストールが正常に完了したら、Dockerサービスを開始する。

sudo systemctl start docker


また、システムの起動後すぐにDockerを実行する場合、以下のコマンドを実行する。

sudo systemctl enable docker


また、管理者権限不要でDockerを使用する場合は、以下のコマンドを実行する。

sudo usermod -aG docker $(whoami)



Docker CEの動作確認

最後に、Docker CEが正常に動作するか確認する。
これを行うには、以下のように、Dockerのテストイメージを使用する。

sudo docker run --rm hello-world

# 出力
Hello from Docker!


上記のメッセージは、インストールが正常に動作していることを示す。

また、上記のメッセージを生成するために、Dockerは以下の手順を実行している。

  1. Dockerクライアントが、Dockerデーモンに接続される。
  2. Dockerデーモンが、Docker Hubから"hello-world"イメージをプルする。
  3. Dockerデーモンが、実行可能な"hello-world"イメージから、現在読み込んでいる出力を生成する新しいコンテナを作成する。
  4. Dockerデーモンは、Dockerクライアントにその出力をストリーミングして、Dockerクライアントは各自のターミナルに送信する。



設定

接続方法の設定

変数DOCKER_HOSTは、DockerクライアントにDockerデーモンへの接続方法を指示するためのものである。
変数DOCKER_HOSTを設定する場合、dockerコマンドを実行するたびに、ローカルホスト上のソケットではなくHTTP APIを使用する。
未設定の場合は、HTTP APIは無効となる。

例えば、変数DOCKER_HOSTtcp://localhost:2375に設定する時、ローカルホスト上のHTTP APIを監視できるが、
通常は、tcp://0.0.0.0:2375と設定して、リモートサーバ上のAPIを監視する。(この時、ファイアウォールを適切に設定すること)

  • 方法 1
    1. ~/.profileファイル等に、変数DOCKER_HOSTの設定を追記する。
      vi ~/.profile

      export DOCKER_HOST='tcp://localhost:2375'

  • 方法 2
    1. Dockerデーモンの設定ファイルをバックアップする。
      sudo cp /usr/lib/systemd/system/docker.service /usr/lib/systemd/system/docker_org.service

    2. Dockerデーモンの設定ファイルにあるexecstart項目を、以下のように編集する。
      sudo vi /usr/lib/systemd/system/docker.service

      # 編集前
      ExecStart=/usr/bin/dockerd --add-runtime oci=/usr/sbin/docker-runc $DOCKER_NETWORK_OPTIONS $DOCKER_OPTS

      # 編集後
      ExecStart=/usr/bin/dockerd --add-runtime oci=/usr/sbin/docker-runc $DOCKER_NETWORK_OPTIONS $DOCKER_OPTS -H fd:// -H tcp://localhost:2375

    3. Dockerデーモンの設定を有効化する。
      sudo systemctl daemon-reload


Dockerイメージおよびコンテナの保存先

Dockerのイメージおよびコンテナの保存先は、初期設定では、/var/lib/dockerディレクトリに保存される。
もし、保存先を変更する場合は、以下の手順を実施する。

  • /etc/docker/daemon.jsonファイルが存在する場合
    1. /etc/docker/daemon.jsonファイルに、data-rootパラメータを追加する。
      詳細は、https://docs.docker.com/engine/reference/commandline/dockerd/#daemon-configuration-file を参照すること。
      sudo vi /etc/docker/daemon.json

      /etc/docker/daemon.jsonファイル
      {
        # ...略
        "data-root": "<Dockerイメージおよびコンテナの保存先のフルパス>",
        # ...略
      }

  • /etc/docker/daemon.jsonファイルが存在しない場合
    1. Dockerデーモンの設定ファイルをバックアップする。
      sudo cp /usr/lib/systemd/system/docker.service /usr/lib/systemd/system/docker_org.service

    2. Dockerデーモンの設定ファイルにあるexecstart項目を、以下のように編集する。
      sudo vi /usr/lib/systemd/system/docker.service

      # 編集前
      ExecStart=/usr/bin/dockerd --add-runtime oci=/usr/sbin/docker-runc $DOCKER_NETWORK_OPTIONS $DOCKER_OPTS

      # 編集後
      ExecStart=/usr/bin/dockerd --add-runtime oci=/usr/sbin/docker-runc $DOCKER_NETWORK_OPTIONS $DOCKER_OPTS -g <Dockerの保存先のフルパス>

    3. Dockerデーモンの設定を有効化する。
      sudo systemctl daemon-reload



Dockerコマンド

Dockerイメージの検索

Docker Hubからイメージを検索およびダウンロードすることもできる。

sudo docker search <イメージ名>


Dockerイメージのダウンロード

sudo docker pull <イメージ名>


Dockerイメージの一覧表示

sudo docker image ls
または
sudo docker image ls -a  または  sudo docker image ls --all


Dockerイメージの削除

<イメージ名>は上述の"イメージの一覧表示"で確認できる。
-fオプションを付加することにより、使用中のイメージおよびコンテナであっても削除することができる。

sudo docker rmi -f <イメージ名>


Dockerイメージの実行

<イメージ名>はイメージの名前であり、<COMMAND>はDockerコンテナ上で実行するコマンドである。

sudo docker run <イメージ名> <COMMAND>


実行コマンドが、/bin/bashのような対話型(インタラクティブ)なコマンドの場合は、-itオプションを指定する。
-iオプションはコンテナの標準入力を有効化、-tオプションはttyを有効化するためのオプションである。

sudo docker run –it <イメージ名> /bin/bash


detachedモード(バックグラウンドモード)で実行する場合は、–dオプションを指定する。

sudo docker run -d dockersamples/static-site


実行中のDockerコンテナの一覧表示

sudo docker ps
または
sudo docker container ls


全てのDockerコンテナの一覧表示

sudo docker ps -a
または
sudo docker ps --all
または
sudo docker container ls –a
または
sudo docker container ls –-all


Dockerコンテナの削除

<CONTAINER ID>を指定する。
<CONTAINER ID>は上述の"コンテナの一覧表示"で確認できる。

sudo docker rm <CONTAINER ID>
または
sudo docker countainer rm <CONTAINER ID>


Dockerコンテナの停止

sudo docker stop <CONTAINER ID>
sudo docker container stop <CONTAINER ID>


コンテナの停止と削除を同時に実施する。

sudo docker rm –f <CONTAINER ID>
sudo docker container rm -f <CONTAINER ID>


Dockerコンテナに任意の名前を付ける

これは、<CONTAINER ID>の代わりに指定できる。

sudo docker run --name <任意のコンテナ名> <イメージ名>


ポートマッピング

runコマンドにおいて、-pオプションを使用すると、コンテナのポートをマッピングするホストのポートを指定できる。
以下の例では、ホストPCの12345番ポートをコンテナの80番ポートにマッピングしている。

sudo docker run -it -p 12345:80 <イメージ名> /bin/bash


-Pオプションを指定すると、コンテナが使うポートがランダムにホストのポートにマッピングされる。

sudo docker run -it -P <イメージ名>


どのポートにマッピングされたかは、sudo docker psコマンドまたはsudo docker port <CONTAINER ID>で確認できる。

sudo docker port <CONTAINER ID>

# 出力例
443/tcp -> 0.0.0.0:32770
80/tcp -> 0.0.0.0:32771


ディレクトリの共有

runコマンドにおいて、-vオプションまたは–-volumeオプションを指定することにより、
コンテナ内のボリュームとローカル環境のボリュームを接続することができる。

sudo docker run -d -p 12345:80 -v /home/user/htdocs:/var/www/html <イメージ名>


バックグラウンドでの実行

runコマンドにおいて、-dオプションまたは-–detachを指定することにより、コンテナをバックグラウンドを実行することができる。
実行直後にコンテナIDが表示される。

sudo docker run -d <イメージ名>


DockerコンテナからDockerイメージを作成する

まず、Dockerコンテナを停止する。

sudo docker container stop <CONTAINER IDまたはコンテナ名>


次に、停止したDockerコンテナからDockerイメージを作成する。

sudo docker commit <CONTAINER IDまたはコンテナ名> <イメージのリポジトリ名>:<イメージのタグ名>


作成したDcockerイメージを確認する。

sudo docker images


作成したDockerイメージからDockerコンテナを作成する。

sudo docker run -it --name <CONTAINER IDまたはコンテナ名> <イメージのリポジトリ名>:<イメージのタグ名> /bin/bash


Dokerイメージのエクスポートおよびインポート

まず、Dockerコンテナを停止する。

sudo docker container stop <Dockerコンテナ名またはDockerコンテナのID名>
# または
sudo docker stop <Dockerコンテナ名またはDockerコンテナのID名>


必要であれば、Dockerコンテナでの変更をDockerイメージに反映する。

sudo docker commit <Dockerコンテナ名またはDockerコンテナのID名> <イメージのリポジトリ名>:<イメージのタグ名>


Dockerイメージに付随するレイヤの情報(メタ情報)等を含めたイメージを保存する。

sudo docker save <オプション> <イメージ名> > <保存するファイル名>
# または
sudo docker save <オプション> <イメージ名> -o <保存するファイル名>

# 例. Dockerイメージのsample-imageをsample-image.tarとして保存する
sudo docker save sample-image > sample-image.tar


エクスポートしたDockerイメージファイルをインポートする場合は、loadコマンドを使用する。

sudo docker load < <エクスポートしたDockerのファイル名>

# 例. エクスポートしたファイルであるsample-image.tarファイルをインポートする
sudo docker load < sample-image.tar


Dokerコンテナのエクスポートおよびインポート

まず、Dockerコンテナを停止する。

sudo docker container stop <コンテナ名またはコンテナID>
# または
sudo docker stop <コンテナ名またはコンテナID>


必要であれば、Dockerコンテナでの変更をDockerイメージに反映する。

sudo docker commit <Dockerコンテナ名またはDockerコンテナのID名> <イメージのリポジトリ名>:<イメージのタグ名>


コンテナのメタ情報等は保存されず、ファイルシステムのコピーがそのまま保存される。

sudo docker export <オプション> <コンテナ名またはコンテナID> > <保存するファイル名>

# 例. Dockerコンテナのsample-containerをsample-container.tarとして保存する
sudo docker export sample-container > sample-container.tar


エクスポートしたDockerコンテナファイルをインポートする場合は、importコマンドを使用する。

sudo docker import <エクスポートしたコンテナファイル名> - <リポジトリ名>:<タグ名>

# 例. エクスポートしたsample-container.tarファイルをインポートする
sudo docker import < sample-container.tar - sample-container:latest
# または
cat sample-container.tar | sudo docker import - sample-container:latest



Dockerイメージの作成

Dockerイメージを作成するには、まず、Dockerfileを記述する必要がある。(Dockerfileはテキストファイルである)
このDockerfileに、インストールするOSやライブラリを指定して、最後に、コンテナで実行したいソフトウェアを指定する。

まず、Dockerfileでは、Base Imageを指定する。(例えば、OSのImageはBase Imageの一種である)
Base Imageは"FROM"で指定する。以下の例は、CentOS 7を指定する例である。

FROM centos:centos7


次に、コンテナが必要とするソフトウェアのインストール等を行う。(各OSのパッケージ管理システムを使用すると簡単である)
CentOSであればyum、Ubuntuならaptを使用する。(yumやapt等のコマンドの実行は、RUNで行う)

RUN yum install xxxx


特定のファイルをコンテナに埋め込むには、"COPY"を使用する。コンテナのどこにファイルを埋め込むのかを指定する。

COPY <File Name> /home/xxx


コンテナが実行するソフトウェアが通信を行う場合、そのソフトウェアは特定のポート番号を使用する。(例えば、Webサーバであれば80番や443番を使用する)
そのポート番号を、ホストOSのポート番号とマッピングする必要がある。
マッピングは、コンテナを実行する際に使用するが、そのためには、コンテナのポート番号を公開する必要がある。
それを行うには、"EXPOSE"を使用する。

EXPOSE 80


コンテナが実行するソフトウェアは、"CMD"で指定する。
CMDは、Dockerfileに1個だけである。諸々の準備の完了後、最後にCMDを指定する。

CMD ["python", "/usr/src/app/app.py"]


以下の例では、pythonがコマンドで、その後は、コマンドに対する引数である。つまり、上記の例は、以下のコマンドをコンテナ上で実行することを意味する。

python /usr/src/app/app.py


Dockerfileが完成したら、イメージを作成する。
-tオプションを使用してイメージの名前を指定する。
その後ろの"."は、Dockerfileがあるディレクトリのパスである。Dockerfileと同じディレクトリであれば、"."でoである。
Dockerfileの内容が正しければ、イメージが作成される。

sudo docker build -t xxxx/yyyy .


プロキシ配下でbuildする場合は、プロキシを設定する必要がある。
例えば、コンテナ上でyumやaptを使用する場合は、プロキシの設定が必要である。
環境変数は、"ENV"で指定できる。

ENV https_proxy "http://proxy.hoge.server:8080/"
ENV http_proxy "http:// proxy.hoge.server:8080/"


※注意(yum関連のエラー)
yumのリポジトリが見つからないというエラーが表示される場合がある。
標準のリポジトリではなく、特定のレポジトリを指定する場合、そのリポジトリを記載した設定ファイル(CentOS-Base.repoなど)をCOPYするように、
Dockerfileに記載しておけばよい。

COPY CentOS-Base.repo /etc/yum.repos.d/


yumの処理は、ユーザに対して"yes or no"を訊ねる場合があるので、自動的にyesと答えないと途中でイメージ作成が止まるので、以下のように記述する。

CMD yum update –y



Dockerfileの基礎

Dockerfileの概要

Dockerfileは、Dockerイメージの設計図のようなものである。 Dockerfileを作成することにより、任意のDockerイメージを作成できる。
DockerfileからDockerイメージを作成するには、Dockerfileが存在するディレクトリで以下のコマンドを実行する。

# イメージ名およびタグ名、Dockerファイル名を指定する場合
sudo docker build -t <イメージ名>:<タグ名> -f <Dockerファイル名> .

# イメージ名およびタグ名、Dockerファイル名(Dockerファイル名がdockerfileの場合のみ)は省略できる
sudo docker build .


Dockerfileで使用するコマンドを、以下に示す。

  • FROM
  • RUN
  • CMD
  • ENTRYPOINT
  • COPY
  • ADD
  • ENV
  • WORKDIR


Dockerfileの作成手順

  • FROM
    ベースとなるイメージを決定するコマンドである。
    Dockerfileの先頭に記述する。
    FROMの後には、基本的にOSを記述する。


例1. FROM centos7:latest
例2. FROM ruby:2.5


  • RUN
    FROMで記述したOSに対応するコマンドを実行するコマンドである。
    RUNごとにLayerが作成される。(Dockerイメージは、レイヤーを積み重ねていくように作成される)

    以下の例では、Dockerイメージには、centos7のレイヤーにtouch /usr/bin/testのレイヤーが追加作成される。
    (/usr/bin/testファイルを作成するDockerイメージを作成している)
例. FROM centos7:latest
    RUN ["touch", "/usr/bin/test"]

以下の例では、Dockerイメージには、centos7のレイヤーにcurlとnginxという2つのパッケージをインストールするレイヤーが追加作成される。
(yum updateはインストールするパッケージを新しいものにするために記述して、yum install -yはパッケージをインストールするために記述している)
例. FROM centos7:latest
    RUN yum update && yum install -y curl nginx

DockerfileからDockerイメージを1度作成したものはキャッシュされるため、RUNを複数記述することにより、ビルドの時間を短くすることができる。
ただし、レイヤー数は少ない方が望ましいため、&&や\を使用して、RUNの記述を少なくする。


  • CMD
    コンテナの実行コマンドを指定するコマンドである。
    Dockerfileの最後に記述する。

    以下の例では、DockerfileからDockerイメージを作成、docker runコマンドによりコンテナを作成した後、/bin/bashを実行している。
例. FROM centos7:latest
    RUN yum update && yum install -y curl nginx
    CMD ["/bin/bash"]


  • ENTRYPOINT
    CMDに近い役割を持つコマンドである。
    CMDは、Dockerコンテナを作成・実行する時(docker runコマンド)、コマンドを上書きできるが、
    (例. docker run lsコマンドを実行する場合、上記のCMDの例ではbashではなく、lsが実行される)
    ENTRYPOINTを使用する場合、コマンドは上書きできなくなり、CMDはENTRYPOINTのオプションを記述する形となる。

    以下の例では、ENTRYPOINTlsコマンドを記述することにより、コンテナ実行時(docker runコマンド)に、ls以外のコマンドが実行できなくなる。
    なお、CMDでは、--helpオプションを指定している。
例. FROM centos7:latest
    RUN yum update && yum install -y curl nginx
    ENTRYPOINT ["ls"]
    CMD ["--help"]


  • COPY
    Dockerfileが存在するディレクトリ(BuildContextという)にあるファイルを、Dockerイメージにコピーするコマンドである。
    DockerfileをビルドしてDockerイメージからコンテナを作成した後、コンテナにNewDirディレクトリを作成して、Test.txtファイルをコピーしている。
    この時、Dockerイメージのレイヤーが追加・作成される。
例. FROM ubuntu:latest
    RUN mkdir /NewDir
    COPY Test.txt /NewDir
    CMD ["/bin/bash"]


  • ADD
    COPYのコマンドと似ていて、同じくコピーができるインストラクションです。

    ADDとCOPYとの違い
    ADDは圧縮ファイルをコピーした際、コピーと解凍の両方を行います。
    COPYは単純なコピーのみです。
    圧縮ファイルをコピー・解凍する時にはADD、圧縮ファイルが関係ない単純なコピーにはCOPYを使います。

    以下の例では、Dockerfileをbuildした際、DockerImageにsample.tarを/(ルート直下)にコピー・解凍するLayerを作成されます。
    コンテナを作成した際に、コンテナのルート直下にsample.tarが解凍されたものが作成されています。
例. FROM ubuntu:latest
    ADD sample.tar /
    CMD ["/bin/bash"]


  • ENV
    環境変数を設定するインストラクションです。

    以下の例では、コンテナ作成時にkey1=valueという環境変数が設定されるDockerImageが作成されます。
例. FROM ubuntu:latest
    ENV key1 value
    CMD ["/bin/bash"]


  • WORKDIR
    インストラクションの実行ディレクトリを変更するインストラクションです。

    以下の例では、sample_folderというディレクトリを作り、sample_folder内でsample_fileを作成するLayerとなります。
    (WORKDIRを使ったことで、コンテナ内に作成した/sample_folderの中でRUNの実行ができます。)
例. FROM ubuntu:latest
    RUN mkdir sample_folder
    WORKDIR /sample_folder
    RUN touch sample_file



エラー関連

エラー : error checking context: 'no permission 〜'

dockerfileファイルとdocker-compose.ymlファイルのパーミッションを755にする必要がある。

chmod 755 dockerfile docker-compose.yml


openSUSEコンテナ

openSUSEコンテナをDockerコンテナとして動作する時、以下のようなエラーが出力されてsystemdが起動できない。

Failed to connect to bus: No such file or directory.


これは、Dockerコンテナを実行する時、initシステムを実行していないからである。

systemctlコマンドは、dbusを介してsystemdと通信するプロセスである。
openSUSEコンテナでは、dbusとsysvinitがインストールされていないため(dbusやsystemdが動作していない)、systemctlコマンドは失敗する。

Dockerコンテナでsystemctlを実行するには、その依存関係をインストールして、特殊なコマンドを実行する必要がある。

dockerfileを作成および使用して解決する手順を、以下に記載する。
まず、以下のようなdockerfileを作成する。

FROM opensuse/leap:15.3
MAINTAINER Annonymas

RUN zypper update -y
RUN zypper install -y dbus-1 systemd-sysvinit
RUN cp /usr/lib/systemd/system/dbus.service /etc/systemd/system/; \
    sed -i 's/OOMScoreAdjust=-900//' /etc/systemd/system/dbus.service

VOLUME ["/sys/fs/cgroup", "/run"]

CMD ["/sbin/init"]

EXPOSE 22
EXPOSE 80


次に、作成したdockerfileからDockerイメージを作成する。

sudo docker build -t <イメージ名>:<タグ名> -f <Dockerfile名> .  # イメージ名:タグ名およびDockerfile名(Dockerfile名がdockerfileの場合のみ)は省略できる
例. sudo docker build -t suse153i .


Dockerコンテナを実行する。

sudo docker run -d --name=<コンテナ名> --hostname <コンテナのホスト名> <ポートマッピングする場合: -p <ホストのポート番号>:<コンテナのポート番号>> --privileged -v /sys/fs/cgroup:/sys/fs/cgroup:ro <イメージ名>
例. sudo docker run -d --name=suse153c --hostname suse153 -p 50080:80 --privileged -v /sys/fs/cgroup:/sys/fs/cgroup:ro suse153i

# 開始しているコンテナ内にアクセスする場合
sudo docker exec -it <コンテナ名> /bin/bash
例. sudo docker exec -it suse153c /bin/bash

# 停止したコンテナを開始する場合
sudo docker container start <コンテナ名>
例. sudo docker container start suse153c


openSUSEコンテナにおいて、systemctlコマンドが実行できるかどうかを確認するには、以下のコマンドを実行する。

systemctl list-units