「応用数学 - 1階常微分方程式」の版間の差分

提供:MochiuWiki - SUSE, Electronic Circuit, PCB
ナビゲーションに移動 検索に移動
126行目: 126行目:
  \end{align}
  \end{align}
  </math>
  </math>
<br><br>
== 同次形微分方程式 ==
<math>\frac{dy}{dx}</math> が <math>\frac{y}{x}</math> のみの関数になっている微分方程式を、同次形微分方程式という。<br>
<math>\frac{dy}{dx} = f \left ( \frac{y}{x} \right )</math><br>
<br>
同次形微分方程式は、変数変換することにより、変数分離形として記述できる。<br>
<br>
変数分離形として記述できることの説明
<math>u = \frac{y}{x}</math> とおけば、<math>y = ux</math> より、積の微分公式を使用して、<math>\frac{dy}{dx} = \frac{du}{dx} x + u</math> となる。
これを、<math>\frac{dy}{dx} = f \left ( \frac{y}{x} \right )</math> に代入すると、<math>u + \frac{du}{dx} x = f(u)</math> となる。
したがって、<math>\frac{du}{dx} = \frac{f(u) - u}{x}</math>
これは未知関数uの変数分離形である。
<br>
同次形微分方程式の例<br>
* <math>\frac{dy}{dx} = \frac{y}{x} + 1</math>
* <math>\frac{dy}{dx} = 2 \left ( \frac{y}{x} \right )^3 + \frac{y}{x}</math>
* <math>\frac{dy}{dx} = \frac{(x + y)}{(x - y)} \quad \Rightarrow</math> 分母分子をxで除算すると、<math>\frac{dy}{dx} = \frac{1 + \frac{y}{x}}{1 - \frac{y}{x}}</math> と記述できるため、同次形微分方程式である。
<br>
例題.
微分方程式の一般解を求めよ。
<math>\frac{dy}{dx} = \frac{y}{x} + 1</math>
解答.
<math>\frac{y}{x} = u</math> とおくと、<math>y = ux</math>
積の微分公式より、<math>\frac{dy}{dx} = \frac{du}{dx} x + u</math>
これを微分方程式に代入すると、<math>u + \frac{du}{dx} x = u + 1</math> となり、各項を計算すると、<math>\frac{du}{dx} x = 1</math> となる。
したがって、<math>\frac{du}{dx} = \frac{1}{x}</math> であるため、変数分離形となる。
この両辺をxで積分すると、
<math>
\begin{align}
\int{\frac{du}{dx} dx} &= \int{\frac{1}{x}} dx \\
\int{du} &= \int{\frac{1}{x} dx} \\
u &= \ln|x| + C
\end{align}
</math>
<math>u = \frac{y}{x}</math> であるので、これを上式に代入すると、次式となる。
<math>\frac{y}{x} = \ln|x| + C</math>
したがって、一般解は、
<math>y = x(\ln(|x|) + C) \qquad \mbox{( C : 任 意 定 数 )}</math>
<br><br>
<br><br>


__FORCETOC__
__FORCETOC__
[[カテゴリ:解析学]]
[[カテゴリ:解析学]]

2022年11月14日 (月) 15:03時点における版

概要

1階常微分方程式としては、以下のようなものがある。
これらは方程式の形により分類される。

  • 変数分離形微分方程式
  • 同次形微分方程式
  • 1階線形微分方程式
  • ベルヌーイ形微分方程式
  • 完全微分方程式



の扱い

以下の命題は、 は、形式的に分数のように扱うことができることを示している。

命題1.


証明.
 とおいて、両辺をxで微分すると、
置換積分の公式より、
 より、


命題2.


証明.
 の両辺をdxで除算して、本来の記号  に戻すと次式となる。


両辺をxで積分すると次式となる。


左辺に対して命題1を適用すると次式となる。


命題3.


証明.
 の両辺をdxで除算して、本来の記号 に戻すと次式となる。


この両辺をxで積分すると次式となる。


左辺第2項に命題1を適用して整理する。



変数分離形微分方程式

f(x)をxのみの関数、g(y)をyのみの関数とする時、以下に示す形になる微分方程式を変数分離形という。


変数分離系の方程式は、以下のように記述することもある。


  • 変数分離形の例

  • 変数分離形ではない例


例題1. 
微分方程式の一般解を求めよ。


解答.


例題2.
微分方程式の一般解を求めよ。


解答.


例題3.
微分方程式の一般解を求めよ。


解答.


例題4.
微分方程式の一般解を求めよ。


解答.
 とおく。



同次形微分方程式

のみの関数になっている微分方程式を、同次形微分方程式という。


同次形微分方程式は、変数変換することにより、変数分離形として記述できる。

変数分離形として記述できることの説明

 とおけば、 より、積の微分公式を使用して、 となる。
これを、 に代入すると、 となる。
したがって、

これは未知関数uの変数分離形である。


同次形微分方程式の例

  • 分母分子をxで除算すると、 と記述できるため、同次形微分方程式である。


例題.
微分方程式の一般解を求めよ。


解答.
 とおくと、
積の微分公式より、

これを微分方程式に代入すると、 となり、各項を計算すると、 となる。
したがって、 であるため、変数分離形となる。

この両辺をxで積分すると、


 であるので、これを上式に代入すると、次式となる。


したがって、一般解は、