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| 定点 <math>A(\vec{a})</math> を通り、<math>\vec{0}</math> でないベクトル <math>\vec{d}</math> に平行な直線のベクトル方程式 | | 定点 <math>A(\vec{a})</math> を通り、<math>\vec{0}</math> でないベクトル <math>\vec{d}</math> に平行な直線のベクトル方程式 |
| <math>\vec{p} = \vec{a} + t \vec{d}</math> | | <math>\vec{p} = \vec{a} + t \vec{d}</math> |
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| 点 <math>A(\vec{a})</math> を通り、<math>\vec{0}</math> でないベクトル <math>\vec{d}</math> に平行な直線をgとする。<br> | | 点 <math>A(\vec{a})</math> を通り、<math>\vec{0}</math> でないベクトル <math>\vec{d}</math> に平行な直線をgとする。<br> |
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| 平面上の異なる2点 <math>A(\vec{a}), \, B(\vec{b})</math> を通る直線上に,点 <math>P(\vec{p})</math> があることを考える。<br> | | 平面上の異なる2点 <math>A(\vec{a}), \, B(\vec{b})</math> を通る直線上に,点 <math>P(\vec{p})</math> があることを考える。<br> |
| | [[ファイル:Vector Equation 2.jpg|フレームなし|中央]] |
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| この時、<math>\overrightarrow{OP} = \overrightarrow{OA} + t \overrightarrow{AB}</math> と表されるので、次式となる。<br> | | この時、<math>\overrightarrow{OP} = \overrightarrow{OA} + t \overrightarrow{AB}</math> と表されるので、次式となる。<br> |
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| 例. <math>A(2, 1), \, B(3, 3)</math> の時、直線ABの式は <math>y = 2x - 3</math> である。<br> | | 例. <math>A(2, 1), \, B(3, 3)</math> の時、直線ABの式は <math>y = 2x - 3</math> である。<br> |
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| P(x, y)として、ベクトルで考えると<br> | | P(x, y)として、ベクトルで考えると<br> |
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| 下図に、定点 <math>A(\vec{a})</math> を通り、ベクトル <math>\vec{n}</math> に垂直な直線を示す。<br> | | 下図に、定点 <math>A(\vec{a})</math> を通り、ベクトル <math>\vec{n}</math> に垂直な直線を示す。<br> |
| | [[ファイル:Vector Equation 4.jpg|フレームなし|中央]] |
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| 点 <math>P(\vec{p})</math> がこの直線上にあるということは、<math>\vec{n} \perp \overrightarrow{AP}</math> である。<br> | | 点 <math>P(\vec{p})</math> がこの直線上にあるということは、<math>\vec{n} \perp \overrightarrow{AP}</math> である。<br> |
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| 例. 点 <math>A(2, 1), \, B(3, 3)</math> 、直線ABの式 <math>y = 2x - 3</math> とする時、この直線に垂直な直線の式を求める。<br> | | 例. 点 <math>A(2, 1), \, B(3, 3)</math> 、直線ABの式 <math>y = 2x - 3</math> とする時、この直線に垂直な直線の式を求める。<br> |
| P(x, y) として、ベクトルで考えると | | [[ファイル:Vector Equation 5.jpg|フレームなし|中央]] |
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| | P(x, y) として、ベクトルで考える。<br> |
| <math>\overrightarrow{AP} \cdot \overrightarrow{A } = 0</math><br> | | <math>\overrightarrow{AP} \cdot \overrightarrow{A } = 0</math><br> |
| <math>\begin{pmatrix} x - 2 \\ y - 1 \end{pmatrix} \cdot \begin{pmatrix} 1 \\ 2 \end{pmatrix} = 0</math><br> | | <math>\begin{pmatrix} x - 2 \\ y - 1 \end{pmatrix} \cdot \begin{pmatrix} 1 \\ 2 \end{pmatrix} = 0</math><br> |
概要
ベクトル方程式とは、"ある条件を満たす点を、ベクトルで表現した式"のことである。
直線は、点の集合である。
例えば,直線
は、点(x, y)が満たす条件を式にしたもので,この条件を満たす点の集合が直線になる。
ベクトルでは、点の位置を表すために、位置ベクトルが存在する。
この位置ベクトルを利用して、曲線上の点の位置ベクトル
の満たす関係式を、その曲線のベクトル方程式という。
直線のベクトル方程式
定点
を通り、
に平行な直線のベクトル方程式
定点を通りある直線に平行な直線のベクトル方程式
定点
を通り、
でないベクトル
に平行な直線のベクトル方程式
点
を通り、
でないベクトル
に平行な直線をgとする。
点
が直線g上にあるということは、
と表すことができる。
より、


と表すことができる。
この時、
を直線gの方向ベクトルtを媒介変数という。
また、このベクトル方程式をベクトルの成分で表すことを考える。
原点をO、点Aの座標を
、直線g上の任意の点を
として、
とする時、
ベクトル方程式は、次式となる。


媒介変数tを用いて表されたこの連立方程式を、直線gの媒介変数表示という。
この連立方程式からtを消去する時、次のことが成り立つ。
点
を通り、
が方向ベクトルである直線の方程式
異なる2点を通る直線のベクトル方程式(共線条件)
異なる2点を通る直線のベクトル方程式(共線条件)の定義
異なる2点
を通る直線のベクトル方程式は、次式となる。
または
平面上の異なる2点
を通る直線上に,点
があることを考える。
この時、
と表されるので、次式となる。

上式の方程式において、
とおく時、次式としても表すことができる。

例.
の時、直線ABの式は
である。
P(x, y)として、ベクトルで考えると

したがって、次式のように媒介変数表示で表すことができる。

上記の連立方程式からtを消去すると、直線の式
が成り立つことがわかる。
定点
を通り、ベクトル
に垂直な直線のベクトル方程式
定点を通り,ある直線に垂直な直線のベクトル方程式の定義
定点
を通り、
でないベクトル
に垂直な直線のベクトル方程式
(
は直線の法線ベクトル)
下図に、定点
を通り、ベクトル
に垂直な直線を示す。
点
がこの直線上にあるということは、
である。
内積を用いて表すと、次式となる。


例. 点
、直線ABの式
とする時、この直線に垂直な直線の式を求める。
P(x, y) として、ベクトルで考える。





したがって、ベクトル方程式
を用いて、定点
を通り、ベクトル
に垂直な直線を表すことができる。
ベクトルの終点の存在範囲
定義
ベクトルの終点の存在範囲の定義
とする。(s、tは実数の変数)
s、tに条件がある時,次のような図形を表す。
直線AB
線分AB
の周と内部
平行四辺形OACBの周と内部
直線AB
異なる2点を通る直線のベクトル方程式の通り、点
が次式を満たしながら動く時、点
の存在範囲は直線ABとなる。

線分AB
点
の存在範囲を線分AB上に限定する場合を考える。
の時、点
は、点
と一致する。
の時、点
は、線分ABの中点に位置する。
の時、点
は、点
と一致する。
つまり、
の時、線分ABを表現することができる。

△OAB
例えば、
の時、次式となり、
tを
の範囲で変化させると、点Pは、下図(1)のように、線分ABに平行な線分A'B'上を動く。

そして、
を、
の範囲で変化させると、線分A'B'は、上図(2)のように、△OABの全体を動く。
したがって、

平行四辺形OACB
円のベクトル方程式
中心がC,半径がrの円のベクトル方程式
中心がC、半径がrの円のベクトル方程式の定義
3つの定点を
、円周上の任意の点を
とする。
または
中心C、半径rの円上にある点Pについて考える。
円の定義は、"中心Cからの距離がrである点の集まり"であるため、
である。
ベクトルで表すと、
である。
ゆえに、
したがって、
また、
として成分で表すと、
であり、円の方程式となる。