「インストール - Fcitx」の版間の差分
65行目: | 65行目: | ||
mkdir build && cd build | mkdir build && cd build | ||
../configure --prefix=<Fcitxのインストールディレクトリ> | ../configure --prefix=<Fcitxのインストールディレクトリ> --enable-dtd | ||
make -j $(nproc) | make -j $(nproc) | ||
make install | make install |
2022年1月16日 (日) 18:02時点における版
概要
Fcitxは、拡張機能をサポートした入力メソッドフレームワークである。
Fcitxには、3つの入力メソッドエンジン、Pinyin、QuWei、テーブルベースの入力メソッドが内蔵されている。
Fcitxのインストール
パッケージ管理システムからインストール
CentOS
SUSE
Fcitx Input Method Frameworkにおいて、サポートされているエンジンおよびその派生物は、SUSEの公式OSSリポジトリのM17Nリポジトリで開発されている。
リポジトリにおいて、M17N、M17N:Develはそれぞれ別のリポジトリであることに注意すること。
# KKCを使用する場合 sudo zypper install fcitx-kkc fcitx-table-other # SKKを使用する場合 sudo zypper install fcitx-skk fcitx-table-other # Mozcを使用する場合 sudo zypper install fcitx-mozc fcitx-table-other # Anthyを使用する場合(Anthyは開発停止しているため、使用しないこと) sudo zypper install fcitx-anthy fcitx-table-other
次に、Fcitxの設定ツールをインストールする。
# GNOME sudo zypper install fcitx-configtool fcitx-config-gtk3 # KDE sudo zypper install fcitx-config-kde4 (以前は、kcm-fcitxと呼ばれていた)
※注意
パッケージ管理システムを使用して、Fcitxをインストールすることを推奨する。
Fcitx関連のソフトウェアは、全てfcitxで始まるため、fcitxを検索すると表示される。
ソースコードからインストール
まず、XCB-IMDKitをGithubからダウンロードする。
git clone https://github.com/fcitx/xcb-imdkit.git cd xcb-imdkit
XCB-IMDKitのビルドに必要なライブラリをインストールする。
sudo zypper install libxcb-devel xcb-util-devel xcb-util-keysyms-devel libut2 uthash-devel
XCB IMDkitをビルドおよびインストールする。
mkdir build && cd build cmake -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<Fcitxのインストールディレクトリ> .. make -j $(nproc) make install
EmojiモジュールのGithubにアクセスして、Emojiモジュールのソースコードをダウンロードする。
tar xf cldr-emoji-annotation-<バージョン>.tar.gz cd cldr-emoji-annotation-<バージョン>
または、git clone
コマンドを使用して、Emojiモジュールのソースコードをダウンロードする。
git clone https://github.com/fujiwarat/cldr-emoji-annotation.git cd cldr-emoji-annotation
Emojiモジュールをビルドおよびインストールする。
# Tarballからビルドする場合 mkdir build && cd build ../configure --prefix=<Fcitxのインストールディレクトリ> --enable-dtd make -j $(nproc) make install # Githubのソースコードからビルドする場合 ./autogen.sh mkdir build && cd build ../configure --prefix=<Fcitxのインストールディレクトリ> make -j $(nproc) make install
XCB IMDkitおよびEmojiモジュールを読み込むため、~/.profileファイル等に環境変数を追記する。
export LD_LIBRARY_PATH="/<Fcitxのインストールディレクトリ>/lib64" export PKG_CONFIG_PATH="/<Fcitxのインストールディレクトリ>/lib64/pkgconfig:/<Fcitxのインストールディレクトリ>/share/pkgconfig:$(pkg-config --variable pc_path pkg-config)"
次に、Fcitxのビルドに必要なライブラリをインストールする。
# CentOS sudo yum install cairo-devel pango-devel dbus-devel dbus-glib-devel qt-devel intltool cmake gtk3-devel gtk2-devel \ gcc-c++ libicu-devel opencc-devel # SUSE sudo zypper install cairo-devel pango-devel dbus-1-devel dbus-1-glib-devel intltool cmake extra-cmake-modules libexpat-devel \ gtk3-devel gtk2-devel gdk-pixbuf-devel gcc-c++ libicu-devel opencc-devel libevent-devel fmt-devel xcb-util-wm-devel libxkbcommon-x11-devel \ libxkbfile-devel iso-codes-devel enchant-1-devel enchant-devel libjson-c-devel systemd-devel libtevent-devel libxkbcommon-devel
FcitxのGithubから、Fcitxのソースコードをダウンロードする。
ダウンロードしたファイルを解凍する。
tar xf <バージョン>.tar.gz cd <バージョン>
または、git clone
コマンドを実行して、ソースコードをダウンロードする。
git clone https://github.com/fcitx/fcitx5.git cd fcitx5
Fcitxのビルドディレクトリを作成する。
cd <Fcitxのソースコードがあるディレクトリ> mkdir build && cd build
Fcitxをビルドおよびインストールする。
cmake .. -DCMAKE_CXX_COMPILER=<G++8.5以降のG++のフルパス> \ -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<Fcitxのインストールディレクトリ> \ -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release \ -DENABLE_GTK3_IM_MODULE=ON \ -DENABLE_QT_IM_MODULE=ON \ -DENABLE_WAYLAND=Off # Waylandで使用しない場合 make -j $(nproc) make install
もし、FcitxおよびFcitxライブラリをホームディレクトリ等にインストールする場合、~/.profileファイルに環境変数の設定を追記する。
export PATH="/<Fcitxのインストールディレクトリ>/bin:$PATH" export LD_LIBRARY_PATH="/<Fcitxのインストールディレクトリ>/lib:$LD_LIBRARY_PATH" export PKG_CONFIG_PATH="/<Fcitxのインストールディレクトリ>/lib/pkgconfig:$(pkg-config --variable pc_path pkg-config)"
Fcitx5-qtのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
tar xf <バージョン>.tar.gz cd <バージョン>
または、git clone
コマンドを使用して、Fcitx5-qtのソースコードをダウンロードする。
git clone https://github.com/fcitx/fcitx5-qt.git cd fcitx5-qt
Fcitx5-qtをビルドおよびインストールする。
cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<Fcitxのインストールディレクトリ> -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release \ -DENABLE_QT4=off -DENABLE_QT6=off .. make -j $(nproc) make install
Fcitx5-gtkのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
tar xf <バージョン>.tar.gz cd <バージョン>
または、git clone
コマンドを使用して、Fcitx5-gtkのソースコードをダウンロードする。
git clone https://github.com/fcitx/fcitx5-gtk.git cd fcitx5-gtk
Fcitx5-gtkをビルドおよびインストールする。
cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<Fcitxのインストールディレクトリ> -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release \ -DENABLE_GTK2_IM_MODULE=off -DENABLE_GTK4_IM_MODULE=off .. make -j $(nproc) make install
Fcitx5-KKCのGithubにアクセスして、ソースコードをダウンロードする。
tar xf <バージョン>.tar.gz cd <バージョン>
または、git clone
コマンドを使用して、Fcitx5-gtkのソースコードをダウンロードする。
git clone https://github.com/fcitx/fcitx5-kkc.git cd fcitx5-kkc
Fcitx-KKCのビルドに必要なライブラリをインストールする。
sudo zypper install libkkc-devel gettext libgee-devel json-glib-devel pkg-config libQt5Core-devel libQt5Gui-devel libQt5Widgets-devel
Fcitx5-KKCをビルドおよびインストールする。
cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX=<Fcitxのインストールディレクトリ> -DCMAKE_BUILD_TYPE=Release .. make -j $(nproc) make install
拡張機能のインストール
GNOME
https://extensions.gnome.org にアクセスし、検索項目にfcitxと入力・検索して、その拡張機能をインストールする。
KDE
Input Method Panelと呼ばれるプラズモイドを追加できる。
これは、KDE Plasmaアドオンのkimpanelである。
標準でインストールされているので、必要なことは、そのプラズモイドを追加することだけである。
他には、M17Nには、kimtoyと呼ばれるサードパーティ製ソフトウェアが存在する。(Qtで記述されている)
nepomuk等を有効にすることができる。(ただし、KDEの反応が悪くなる)
Fcitxの設定
GNOME
/etc/sysconfig/languageファイルを、以下のように編集する。
sudo vi /etc/sysconfig/language
# /etc/sysconfig/languageファイル # 変更前 INPUT_METHOD="" # 変更後 INPUT_METHOD="fcitx"
~/.profileファイルに、以下の設定を追記する。
vi ~/.profile
# ~/.profile export XMODIFIERS="@im=fcitx" export GTK_IM_MODULE=fcitx export QT_IM_MODULE=fcitx
PCを再ログインまたは再起動する。
次に、以下のコマンドを実行して、Fcitxの設定ツールを起動する。
fcitx-config-gtk3
Fcitxの設定ツール画面左下にある[+]アイコンを選択して、入力メソッドを追加する。
インプットメソッドの追加画面下部にある[only show current language]チェックボックスのチェックを外して、"Japan"と検索する。
目的のインプットメソッドを選択して、[OK]ボタンを押下する。
これにより、[Ctrl] + [Space]キーを同時押下して、Fcitxのインプットメソッドを呼び出すことができる。
KDE
~/.profileファイルまたは~/.ximファイルに、以下の設定を追記する。
vi ~/.profile または vi ~/.xim
# ~/.profileファイルまたは~/.ximファイル export INPUT_METHOD="fcitx" export XMODIFIERS="@im=fcitx" export GTK_IM_MODULE=fcitx export QT_IM_MODULE=fcitx
PCを再ログインまたは再起動する。
次に、以下のコマンドを実行して、設定ツールを起動する。
または、システムトレイから起動する。
# GNOME fcitx-config-gtk # KDE fcitx-config-kde
Wayland
最新のFcitxとiBusでは、Xのプロトコルアダプタを介して、基本的なWaylandサポートを備えている。
今後は、Waylandを直接サポートする予定である。
Waylandで入力メソッドを有効にするには、/etc/environmentファイルに以下の内容を追記する。
sudo vi /etc/environment
# /etc/environmentファイル # Fcitxを使用する場合 INPUT_METHOD=fcitx GTK_IM_MODULE=fcitx QT_IM_MODULE=fcitx XMODIFIERS=@im=fcitx # iBusを使用する場合 INPUT_METHOD=ibus GTK_IM_MODULE=ibus QT_IM_MODULE=ibus XMODIFIERS=@im=ibus
最後に、PCを再起動する。
KKC
単語登録
KKCにおいて、単語登録する手順を以下に示す。
- ~/.config/fcitx/kkc/dictionary/segmentファイルを開く。
- segmentファイルの最下行に、以下の内容を追記する。
- 1つの読みがなで1つの単語を登録する場合 :
<読みがな> /<登録する単語>;<登録する単語の種類>/
- 1つの読みがなで3つの単語を登録する場合 :
<読みがな> /<登録する単語>;<登録する単語の種類>/<登録する単語>;<登録する単語の種類>/<登録する単語>;<登録する単語の種類>/
- 例えば、"hoge@piyo.com"という単語を"めーる"という読みで登録する時は、以下の手順を行う。
めーる /hoge@piyo.com;メール/
- 1つの読みがなで1つの単語を登録する場合 :
- Fcitxにおいて、[Reload Config]または[再起動]を選択する。
- 正常に単語登録されているかどうかを確認する。
- 登録された単語を削除する場合は、該当単語の行を削除して、[Reload Config]または[再起動]を選択する。
その他
Fcitxの再起動
Fcitx関連のソフトウェアのインストール後、設定等を反映させるため、Fcitxを再起動する必要がある。
Fcitxを再起動するには、以下のコマンドを実行する。
fcitx -r
一部の入力メソッドは標準でリストに追加される。(通常、内部に入力メソッドが1つしかないパッケージの場合)
入力メソッドが追加されない場合、設定ツールを使用してそれらをリストに追加して、ニーズに合わせていくつかのオプションを調整することを推奨する。
ibusからfcitxへの切り替え
GNOME以外では、切り替え操作は不要である。
Fcitxを導入して再ログインすると、インプットメソッドがfcitxに自動的に切り替わる。
GNOMEの場合、ibusとの統合を解除する必要があるかもしれない。
もし、自動的に切り替わらない場合は、以下コマンドを実行する。
gsettings set org.gnome.settings-daemon.plugins.keyboard active false
以下のコマンドを実行して、ibusからFcitxへ切り替える。
imsetting-switch fcitx
日本語入力できない場合 1
以下のコマンドを実行する。
sudo mv /usr/share/ibus/component/kimpanel.xml /usr/share/ibus/component/kimpanel_org.xml
日本語入力できない場合 2
Fcitxより先に起動したソフトウェアにおいて、日本語入力できない場合がある。
その時、~/.ximファイルを作成して、以下の内容を記述する。
vi ~/.xim
export XMODIFIERS="@im=fcitx" export GTK_IM_MODULE=fcitx export QT_IM_MODULE=fcitx LANG=ja_JP.UTF-8 fcitx -r
Fcitxのアンインストール
以下のコマンドを実行して、Fcitxをアンインストールする。
# GNOME sudo zypper remove fcitx fcitx-kkc fcitx-skk fcitx-mozc fcitx-anthy fcitx-m17n fcitx-table-other fcitx-config-gtk3 # KDE sudo zypper remove fcitx fcitx-kkc fcitx-skk fcitx-mozc fcitx-anthy fcitx-m17n fcitx-table-other fcitx-config-kde4
再ログインまたはPCを再起動する。