「第7回 - ベイズの定理」の版間の差分
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あるガンの検査装置の性能が以下の通りとする。<br> | |||
* ガンである被験者を検査し ガンと検出した確率 | |||
*: P 検出した ガンである = 0.9 | |||
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この時、検査装置が検出した時に被験者が癌である確率P(ガンである|検出した)を求めよ。<br> | |||
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2021年8月8日 (日) 17:35時点における版
概要
推定統計を学習する準備として、確率の基礎に関する次の事項を記載する。
- 条件付き確率
- ベイズの定理
条件付き確率
条件付き確率とは、2個の事象AとBがあるとき、既に事象Aが起きた場合に、事象Bも合わせて起きる確率を条件付き確率P(B|A)という。
P(B|A)
P(左 : 合わせて起きる事象 | 右 : 既に起きた事象)
条件付き確率の式(事象Aが起きた場合に、事象Bも合わせて起きる条件付き確率)は、次式で表される。
条件付き確率P(B|A)と同時確率P(A∩B)の違い
- 条件付き確率P(B|A)
- 全事象をAのみとしている。
- つまり、事象Aが起きた場合の中で、さらに事象Bも起きる確率P(B|A)を考える。
- 同時確率P(A∩B)
- 全事象をUとしている。
- つまり、事象Aが起きた場合のみに限定せず、A以外が起きる場合も合わせた上で事象AとBが同時に起きる確率を考える。
ベイズの定理
以下に、ベイズの定理の導出過程を示す。
条件付き確率の計算式の2式
上式より、次式が求まる。
さらに、上式をまとめると次式となる。
あるいは下図に示すように、
ベイズの定理は、先に事象Bが起きた場合に、後の事象Aが起きる場合の確率P(A|B)が分かっている場合において、
逆に後の事象Aが起きたと分かっている時に、先の事象Bが起きる場合の確率P(B|A)を与えるものである。
ベイズの定理の例
あるガンの検査装置の性能が以下の通りとする。
- ガンである被験者を検査し ガンと検出した確率
- P 検出した ガンである = 0.9
- ガンでない被験者を検査し ガンと検出した確率
- P 検出した ガンでない = 0.1
- ガンになる確率
- P(ガンである) = 0.001
- ガンにならない確率
- P(ガンでない) = 0.999
この時、検査装置が検出した時に被験者が癌である確率P(ガンである|検出した)を求めよ。