「インストール - KVM」の版間の差分

提供:MochiuWiki - SUSE, Electronic Circuit, PCB
ナビゲーションに移動 検索に移動
208行目: 208行目:
* 他、多くのサブコマンドが用意されている。
* 他、多くのサブコマンドが用意されている。
  sudo virsh --help
  sudo virsh --help
<br><br>
== 仮想マシンのバックアップおよび復元 ==
ここでは、仮想マシンが以下の情報に基づいているとする。<br>
ドメイン名(仮想マシン名) : SUSE
イメージ名 : SUSE.qcow2
設定ファイル(XML) : SUSE.xml
バックアップ先 : /run/media/Storage1 (外付けSSD)
<br>
===== 仮想マシンのバックアップ =====
仮想マシンを停止する。
sudo virsh shutdown SUSE
<br>
設定ファイルをバックアップする。<br>
sudo virsh dumpxml SUSE > /run/media/Storage1/SUSE.xml
<br>
仮想マシンのイメージをバックアップする。<br>
sudo cp -p /<仮想マシンのイメージがあるディレクトリ>/SUSE.qcow2 /run/media/Storage1/.
<br>
===== 仮想マシンの復元=====
運用しているSSDとは別のSSDで復元する。<br>
ここでは、外付けSSDを/run/media/Storage1にマウントしている。<br>
<br>
バックアップした仮想マシンのイメージを復元する。<br>
sudo cp -p /<仮想マシンのイメージをバックアップしたディレクトリ>/SUSE.qcow2 /<仮想マシンのイメージを保存するディレクトリ>/.
<br>
バックアップした設定ファイルを復元する。<br>
sudo cp -p /run/media/Storage1/SUSE.xml /etc/libvirt/qemu/.
<br>
復元した設定ファイルをKVMに反映する。<br>
sudo virsh define /etc/libvirt/qemu/SUSE.xml
<br>
バックアップに成功すると、以下のようなメッセージが出力される。<br>
ドメイン SUSE が /etc/libvirt/qemu/SUSE.xml から定義されました
<br>
復元されたSUSEを起動する。<br>
sudo virsh start SUSE
<br><br>
<br><br>


__FORCETOC__
__FORCETOC__
[[カテゴリ:CentOS]][[カテゴリ:SUSE]]
[[カテゴリ:CentOS]][[カテゴリ:SUSE]]

2020年7月2日 (木) 15:40時点における版

概要

ここでは、KVM(Kernel-based Virtual Machine)とQEMUのインストールと仮想マシンの設定方法を記載する。
搭載しているCPUが仮想化機構(Intel VTやAMD-V等)を備えている必要がある。


KVMとQEMUのインストール

KVMとQEMUをインストールする。

# CentOS
sudo yum install qemu-kvm libvirt virt-install virt-manager

# SUSE
sudo zypper install qemu-kvm libvirt virt-install virt-manager


モジュールが読み込まれているか確認する。

lsmod | grep kvm


正常に読み込まれている場合は、以下のように表示される。

kvm_intel             241664  0
kvm                   704512  1 kvm_intel
irqbypass              16384  1 kvm


KVMを起動および自動起動する場合は、以下のコマンドを実行する。

sudo systemctl start libvirtd
sudo systemctl enable libvirtd



仮想ネットワークの設定

CentOS

仮想マシンがブリッジ接続できるように、ブリッジネットワークを構成する。
ens2のインターフェース名の部分は環境によって異なるため、自身の環境に読み替えること。
ブリッジbr0を追加する。

nmcli connection add type bridge autoconnect yes con-name br0 ifname br0

Connection 'br0' (a7fa989a-798e-40ac-acc4-3d1733189b82) successfully added.


br0のIPアドレスを設定する。

nmcli connection modify br0 ipv4.addresses 10.0.0.30/24 ipv4.method manual


br0のゲートウェイを設定する。

nmcli connection modify br0 ipv4.gateway 10.0.0.1


br0のDNSを設定する。

nmcli connection modify br0 ipv4.dns 10.0.0.1


既存のインターフェースは一旦削除する。

nmcli connection del ens2


br0のメンバーとして再度追加する。

nmcli connection add type bridge-slave autoconnect yes con-name ens2 ifname ens2 master br0


CentOSを再起動する。

reboot


正常にbr0が起動しているか確認する。

ip a


SUSE

仮想マシンをブリッジ接続する場合は、NetworkManagerをwickedに変更して、ブリッジネットワークを構成する。

sudo mv /etc/sysconfig/network/ifcfg-eth0 /etc/sysconfig/network/ifcfg-br0
sudo vi /etc/sysconfig/network/ifcfg-br0


以下の内容を、/etc/sysconfig/network/ifcfg-br0ファイルに追記する。

# 最終行に追記
BRIDGE='yes'
BRIDGE_FORWARDDELAY='0'
BRIDGE_PORTS='eth0'
BRIDGE_STP='off'


次に、以下の内容を、/etc/sysconfig/network/routesファイルに追記する。

sudo vi /etc/sysconfig/network/routes


# 最終行:br0のデフォルトゲートウェイを追記する
default 192.168.1.1 - br0


wickedサービスを再起動する。

sudo systemctl restart wickedd wicked


正常にbr0が起動しているか確認する。

ip a



仮想マシンの作成(CLI)

仮想マシンをインストールして作成する。
ここでは、仮想マシンとしてSUSE Linxu Enterprise Server 15(以降、SUSEという)をインストールする。

取得したSUSEのisoファイルを/tmpディレクトリに配置して、テキストモードでインストールする。
コンソールからでもPutty等のエミュレータ経由からでも実行できる。
初期設定では、仮想マシンの保管場所(ストレージプール)は、/var/lib/libvirt/imagesディレクトリであるが、ここでは、別の場所に新たにストレージプールを作成して進める。

ストレージプールディレクトリの作成

まず、ストレージプールディレクトリを作成する。

sudo mkdir -p /var/kvm/images


仮想マシンの作成とインストール
sudo virt-install \
--name sle15 \
--ram 4096 \
--disk path=/var/kvm/images/sle15.img,size=30 \
--vcpus 2 \
--os-type linux \
--os-variant sle15 \
--network bridge=br0 \
--graphics none \
--console pty,target_type=serial \
--location /tmp/SLE-15-Installer-DVD-x86_64-GM-DVD1.iso \
--extra-args 'console=ttyS0,115200n8 serial'

Starting install...     # インストールが開始される


上記の例で指定しているオプションの意味を以下に示す。その他多数のオプションは、man virt-installで確認できる。

  • --name
    仮想マシンの名前を指定する。
  • --ram
    仮想マシンのメモリ容量を指定する。(単位は、M)
  • --disk path=xxx ,size=xxx
    [path=]で仮想マシンのディスクの保管場所を指定する。(初期設定では、/var/lib/libvirt/imagesディレクトリ)
    [size=]で仮想マシンのディスク容量を指定する。(単位は、G)
  • --vcpus
    仮想マシンの仮想CPU数を指定する。
  • --os-type
    仮想マシンのOタイプを指定する。
  • --os-variant
    仮想マシンの種類を指定する。
    osinfo-query osで指定可能な種類を確認できる。
  • --network
    仮想マシンのネットワークタイプを指定する。
    ここでは、仮想マシンにブリッジ接続させるため、--network bridge=br0としている。
    br0は、上記セクションの[仮想ネットワークの設定]で設定したブリッジインターフェースを指定している。
    ホストがNICを複数持っていて、かつ、ブリッジインターフェースを複数設定しており、仮想マシンからも同様に複数のネットワークインターフェースを使用する場合は、改行して複数指定する。
  • --graphics
    グラフィクスを指定する。
    noneを指定するとグラフィックスを使用しない。
  • --console
    コンソールタイプを指定する。
  • --location
    インストール元を指定する。
  • --extra-args
    インストール時にカーネルに渡すパラメータを指定する。


インストーラ起動後は、CLIでインストール作業を進める。CLIもGUIと同様なのでインストール過程は省略する。
インストールが完了すると、一旦再起動がかかり、以下のようにターミナル上に仮想マシンのログインプロンプトが表示される。

Welcome to SUSE Linux Enterprise Server 15  (x86_64) - Kernel 4.12.14-25.25-default (ttyS0).

eth0: 10.0.0.204 fe80::5054:ff:feff:cfce

linux-6am4 login:


ホストと仮想マシンの切り替え

仮想マシン側からホスト側へのコンソールの切り替えは、[Ctrl]キー + []]キーである。
また、ホスト側から仮想マシン側へのコンソールの切り替えは、virsh console <仮想マシン名>]と入力して実行する。

仮想マシンの複製

作成した仮想マシンは容易に複製できる。

sudo virt-clone --original sle15 --name template --file /var/kvm/images/template.img

Allocating 'template.img' | 30 GB 00:00:02
Clone 'template' created successfully.


# ディスクイメージ
ll /var/kvm/images/template.img

-rw------- 1 root root 2835087360 Jan 18 19:09 /var/kvm/images/template.img


# 定義ファイル
ll /etc/libvirt/qemu/template.xml

-rw------- 1 root root 3681 Jan 18 11:09 /etc/libvirt/qemu/template.xml



仮想マシンの作成(GUI)

ここでは、GUIの操作で、仮想マシンを作成およびインストールする。

  1. ターミナルにてsudo virt-managerコマンドを実行して、Virtual Machine Managerを起動する。
    左上のPCアイコンまたは[ファイル] - [新しい仮想マシンの作成]を選択して、新規仮想マシン作成ウィザードを開く。
  2. [新しい仮想マシン]画面が開くので、仮想マシンのインストール元を指定する。
    インストールメディアまたはISOファイルとアーキテクチャを選択して、OSのタイプとバージョンを指定する。
  3. 仮想マシンのメモリ容量と仮想CPU数を指定する。
  4. 仮想ディスクの場所や容量を指定する。
  5. 仮想マシン名を入力する。また、これまでの設定内容を確認しておく。
  6. インストーラが起動するので、画面に従ってインストールする。



KVMの操作方法

Libvirtに含まれるVirshコマンドを使用した仮想マシンの操作方法を記載する。

  • 仮想マシンを起動する。
sudo virsh start <仮想マシン名>


  • 仮想マシンを起動して同時にコンソールに接続する。
sudo virsh start <仮想マシン名> --console


  • 仮想マシンを停止する。
sudo virsh shutdown sle15


  • 仮想マシンを強制停止
sudo virsh destroy sle15


  • 仮想マシンをシステム起動時に自動起動の設定をする。
sudo virsh autostart sle15


  • 仮想マシンの自動起動設定を解除する。
sudo virsh autostart --disable sle15


  • 仮想マシンの一覧を表示する。
sudo virsh list


  • 全ての仮想マシンを一覧を表示する。
sudo virsh list --all


  • コンソールを切り替える。
    仮想マシン側からホスト側へのコンソールの切り替えは、 [Ctrl]キー + []]キーである。
    ホスト側から仮想マシン側へのコンソールの切り替えは、sudo virsh console <仮想マシン名>コマンドを実行する。


  • 他、多くのサブコマンドが用意されている。
sudo virsh --help



仮想マシンのバックアップおよび復元

ここでは、仮想マシンが以下の情報に基づいているとする。

ドメイン名(仮想マシン名) : SUSE
イメージ名 : SUSE.qcow2
設定ファイル(XML) : SUSE.xml
バックアップ先 : /run/media/Storage1 (外付けSSD)


仮想マシンのバックアップ

仮想マシンを停止する。

sudo virsh shutdown SUSE


設定ファイルをバックアップする。

sudo virsh dumpxml SUSE > /run/media/Storage1/SUSE.xml


仮想マシンのイメージをバックアップする。

sudo cp -p /<仮想マシンのイメージがあるディレクトリ>/SUSE.qcow2 /run/media/Storage1/.


仮想マシンの復元

運用しているSSDとは別のSSDで復元する。
ここでは、外付けSSDを/run/media/Storage1にマウントしている。

バックアップした仮想マシンのイメージを復元する。

sudo cp -p /<仮想マシンのイメージをバックアップしたディレクトリ>/SUSE.qcow2 /<仮想マシンのイメージを保存するディレクトリ>/.


バックアップした設定ファイルを復元する。

sudo cp -p /run/media/Storage1/SUSE.xml /etc/libvirt/qemu/.


復元した設定ファイルをKVMに反映する。

sudo virsh define /etc/libvirt/qemu/SUSE.xml


バックアップに成功すると、以下のようなメッセージが出力される。

ドメイン SUSE が /etc/libvirt/qemu/SUSE.xml から定義されました


復元されたSUSEを起動する。

sudo virsh start SUSE