「シェルスクリプトの基礎 - ファイルとディレクトリ」の版間の差分

提供:MochiuWiki - SUSE, Electronic Circuit, PCB
ナビゲーションに移動 検索に移動
(文字列「source lang」を「syntaxhighlight lang」に置換)
 
(同じ利用者による、間の2版が非表示)
15行目: 15行目:
     echo "File exists."
     echo "File exists."
  fi
  fi
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br>
<br>
===== ファイルが存在しない場合 =====
===== ファイルが存在しない場合 =====
30行目: 30行目:
     exit -1
     exit -1
  fi
  fi
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br><br>
<br><br>


45行目: 45行目:
     echo "Directory exists."
     echo "Directory exists."
  fi
  fi
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br>
<br>
===== ディレクトリが存在しない場合 =====
===== ディレクトリが存在しない場合 =====
60行目: 60行目:
     exit -1
     exit -1
  fi
  fi
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br><br>
<br><br>


129行目: 129行目:
== ファイルの処理 ==
== ファイルの処理 ==
==== ワイルドカードの使用 ====
==== ワイルドカードの使用 ====
ワイルドカード(*)を使用して、カレントディレクトリ内のファイルを順に処理することができる。
ワイルドカード(*)を使用して、カレントディレクトリ内のファイルを順に処理することができる。<br>
以下の例では、全てのファイルを繰り返し処理している。
以下の例では、全てのファイルを繰り返し処理している。<br>
  <syntaxhighlight lang="sh">
  <syntaxhighlight lang="sh">
  for FILENAME in *; do
  for FILENAME in *; do
     echo "$FILENAME"
     echo "$FILENAME"
  done
  done
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br>
<br>
特定の拡張子を持つファイルのみを列挙する場合は、以下のように記述する。
特定の拡張子を持つファイルのみを列挙する場合は、以下のように記述する。<br>
以下の例では、全てのPNGファイルを繰り返し処理している。
以下の例では、全てのPNGファイルを繰り返し処理している。<br>
  <syntaxhighlight lang="sh">
  <syntaxhighlight lang="sh">
  for PNGFILE in *.png; do
  for PNGFILE in *.png; do
     echo "$PNGFILE"
     echo "$PNGFILE"
  done
  done
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br>
<br>
また、次のように1行で記述することもできる。
また、次のように1行で記述することもできる。<br>
  <syntaxhighlight lang="sh">
  <syntaxhighlight lang="sh">
  for PNGFILE in *.png; do echo "$PNGFILE"; done
  for PNGFILE in *.png; do echo "$PNGFILE"; done
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br>
ワイルドカードを使用する場合、アスタリスク(*)をクォートの中に入れると、シェルによるワイルドカードの展開が行われない。<br>
<br>
<syntaxhighlight lang="sh">
# 推奨する記述
## パス部分は安全にクォートされて、アスタリスクはワイルドカードとして機能する
rm -r "$HOME/.cache/"*
# 間違った記述
## アスタリスクがクォート内にあるため、*は文字列として扱われてワイルドカードとして機能しない
rm -r "$HOME/.cache/*"
## パスにスペースが含まれている場合、パスが正しく解釈されない
## また、変数が未定義の場合、意図しない動作につながる可能性がある
rm -r $HOME/.cache/*
</syntaxhighlight>
<br>
<br>
==== findコマンドの結果の使用(再帰処理) ====
==== findコマンドの結果の使用(再帰処理) ====
以下の例では、findコマンドで検索したファイルを、while文で順に処理している。
以下の例では、findコマンドで検索したファイルを、while文で順に処理している。
157行目: 174行目:
     echo "$FILENAME"
     echo "$FILENAME"
  done
  done
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br><br>
<br><br>


178行目: 195行目:
  # 出力
  # 出力
  AAA  100
  AAA  100
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br>
<br>
==== 標準入力へリダイレクトさせて読み込む ====
==== 標準入力へリダイレクトさせて読み込む ====
194行目: 211行目:
  two
  two
  three
  three
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br>
<br>
==== ファイルを変数に格納して読み込む ====
==== ファイルを変数に格納して読み込む ====
212行目: 229行目:
  two
  two
  three
  three
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br>
<br>
==== catコマンドでファイル内容を表示してパイプで渡す ====
==== catコマンドでファイル内容を表示してパイプで渡す ====
228行目: 245行目:
  two
  two
  three
  three
  </source>
  </syntaxhighlight>
<br><br>
<br><br>
{{#seo:
|title={{PAGENAME}} : Exploring Electronics and SUSE Linux | MochiuWiki
|keywords=MochiuWiki,Mochiu,Wiki,Mochiu Wiki,Electric Circuit,Electric,pcb,Mathematics,AVR,TI,STMicro,AVR,ATmega,MSP430,STM,Arduino,Xilinx,FPGA,Verilog,HDL,PinePhone,Pine Phone,Raspberry,Raspberry Pi,C,C++,C#,Qt,Qml,MFC,Shell,Bash,Zsh,Fish,SUSE,SLE,Suse Enterprise,Suse Linux,openSUSE,open SUSE,Leap,Linux,uCLnux,Podman,電気回路,電子回路,基板,プリント基板
|description={{PAGENAME}} - 電子回路とSUSE Linuxに関する情報 | This page is {{PAGENAME}} in our wiki about electronic circuits and SUSE Linux
|image=/resources/assets/MochiuLogo_Single_Blue.png
}}


__FORCETOC__
__FORCETOC__
[[カテゴリ:シェルスクリプト]]
[[カテゴリ:シェルスクリプト]]

2024年12月9日 (月) 04:22時点における最新版

概要

シェルスクリプトにおいて、ファイルとディレクトリに関する処理を記載する。


ファイルの存在を確認

ファイルが存在する場合

if文の演算子で、-eを使用することでファイルが存在することを確認することができる。
以下のシェルスクリプトでは、test.txtファイルが存在するか確認して、ファイルが存在する場合、File exists.と表示する。

 #!/bin/bash
 
 FILE="test.txt"
 
 if [ -e $FILE ]; then
    echo "File exists."
 fi


ファイルが存在しない場合

上記と逆の場合、ファイルが存在しないことを確認する場合、演算子に!を付加することで結果を反転させることができる。
つまり、! -eと記述することで、ファイルが存在しない場合に真となる。
以下のシェルスクリプトでは、test.txtファイルが存在しない場合に、File not exists.と表示する。

 #!/bin/bash
 
 FILE="test.txt"
 
 if [ ! -e $FILE ];then
    echo "File not exists."
    exit -1
 fi



ディレクトリの存在を確認

ディレクトリが存在する場合

if文の演算子で、-dを使用することでディレクトリが存在することを確認することができる。
以下のシェルスクリプトでは、testディレクトリが存在する場合、Directory exists.と表示する。

 #!/bin/bash
 
 DIR="test"
 
 if [ -d $DIR ];then
    echo "Directory exists."
 fi


ディレクトリが存在しない場合

上記と逆の場合、ディレクトリが存在しないことを確認する場合、演算子に!を付加することで結果を反転させることができる。
つまり、! -dと記述することで、ディレクトリが存在しない場合に真となる。
以下のシェルスクリプトでは、testディレクトリが存在しない場合に、Directory not exists.と表示する。

 #!/bin/bash
 
 DIR="test"
 
 if [ ! -d $DIR ];then
    echo "Directory not exists."
    exit -1
 fi



コマンドを使用した確認

ワイルドカードを指定してファイルおよびディレクトリを確認することができる。
ファイル名およびディレクトリ名にワイルドカードを指定して存在を確認する場合、以下のように記述する。(例 : txt拡張子を持つファイル等)

以下の例では、ls *.txtコマンドは、txt拡張子のファイルが存在する場合、なんらかの文字列を返すため、if文の判定は真となる。
txt拡張子のファイルが存在しない場合、エラーが発生するので、/dev/nullにリダイレクトしている。

 if ls *.txt > /dev/null 2>&1; then
    echo "exists"
 fi



その他の演算子

下表に、ファイルやディレクトリの存在を確認する際に、使用できる演算子を記載する。

表. 演算子

演算子 説明
-a ファイル ファイルがあれば真
-b ファイル ファイルがありブロックス特殊ファイルであれば真
-c ファイル ファイルがありキャラクター特殊ファイルであれば真
-d ファイル ファイルがありディレクトリであれば真
-e ファイル ファイルがあれば真
-f ファイル ファイルがあり通常のファイルであれば真
-g ファイル ファイルがありSGID(特殊なアクセス権)であれば真
-G ファイル ファイルがあり実行グループIDによる所有者であれば真
-h ファイル ファイルがありシンボリックであれば真(-Lと同じ)
-k ファイル ファイルがありステッキービットが設定されていれば真
-L ファイル ファイルがありシンボリックであれば真(-hと同じ)
-O ファイル ファイルがあり実行ユーザIDによる所有者であれば真
-p ファイル ファイルがあり名前付きパイプであれば真
-r ファイル ファイルがあり読み取り可能であれば真
-s ファイル ファイルがありサイズが0より大きければ真
-S ファイル ファイルがありソケットであれば真
-t FD FD(ファイルディスクリプタ)が端末でオープンされていれば真
-u ファイル ファイルがありSUID(特殊なアクセス権)であれば真
-w ファイル ファイルがあり書き込み可能であれば真
-x ファイル ファイルがあり実行可能であれば真



ファイルの処理

ワイルドカードの使用

ワイルドカード(*)を使用して、カレントディレクトリ内のファイルを順に処理することができる。
以下の例では、全てのファイルを繰り返し処理している。

 for FILENAME in *; do
    echo "$FILENAME"
 done


特定の拡張子を持つファイルのみを列挙する場合は、以下のように記述する。
以下の例では、全てのPNGファイルを繰り返し処理している。

 for PNGFILE in *.png; do
    echo "$PNGFILE"
 done


また、次のように1行で記述することもできる。

 for PNGFILE in *.png; do echo "$PNGFILE"; done


ワイルドカードを使用する場合、アスタリスク(*)をクォートの中に入れると、シェルによるワイルドカードの展開が行われない。

 # 推奨する記述
 ## パス部分は安全にクォートされて、アスタリスクはワイルドカードとして機能する
 rm -r "$HOME/.cache/"*
 
 # 間違った記述
 ## アスタリスクがクォート内にあるため、*は文字列として扱われてワイルドカードとして機能しない
 rm -r "$HOME/.cache/*"
 
 ## パスにスペースが含まれている場合、パスが正しく解釈されない
 ## また、変数が未定義の場合、意図しない動作につながる可能性がある
 rm -r $HOME/.cache/*


findコマンドの結果の使用(再帰処理)

以下の例では、findコマンドで検索したファイルを、while文で順に処理している。 深い階層にあるファイルも再帰的に処理される。

 find . -type f | while read FILENAME; do
    echo "$FILENAME"
 done



テキストファイルの読み込み

while文とreadコマンドを組み合わせて使用すると、テキストファイルの内容を1行ずつ処理できる。

このセクションでは、以下に示すlist.txtファイルを使用する。

# list.txtファイルの内容
one
two
three


テキストファイルを1行のみ読み込む

readコマンドは、ユーザからの入力の他に、ファイルからの入力を1行のみ読み込むことができる。

 # 実行
 read line < list.txt
 echo "$line"
 
 # 出力
 AAA   100


標準入力へリダイレクトさせて読み込む

ファイルを標準入力へリダイレクトさせて、ファイル内容を1行ずつ読み込ませる。
以下の例では、list.txtファイルの内容を読み込み、1行ずつechoコマンドで表示させている。

 # 実行
 while read line
 do
    echo $line
 done < ./list.txt
 
 # 出力
 one
 two
 three


ファイルを変数に格納して読み込む

ファイル内容をcatコマンドで表示させて、それを変数に格納し、ヒアドキュメントを使用して読み込む。
以下の例では、list.txtファイル内容を変数DATAに格納して、ヒアドキュメントを使用して変数の内容を読み込んでいる。

 DATA=`cat ./list.txt`
 while read line
 do
    echo $line
 done << FILE
 $DATA
 FILE
 
 # 出力
 one
 two
 three


catコマンドでファイル内容を表示してパイプで渡す

ファイル内容をcatコマンドで表示させて、その結果をパイプを使用して読み込む。
以下の例では、lixt.txtファイルの内容をcatコマンドで表示させて、その結果をパイプでwhile readコマンドに渡している。

 # 実行
 cat ./list.txt | while read line
 do
    echo $line
 done
 
 # 出力
 one
 two
 three