「HTML - formタグ」の版間の差分
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例えば、メールアドレスの形式チェックやテキストの必須入力等が実装できる。<br> | |||
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また、古いWebブラウザでも適切にフォールバック (代替動作) するよう設計されているため、段階的な実装が可能である。<br> | |||
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スマートフォンやタブレット等のモバイルデバイスでは、入力項目の種類に応じて最適なキーボードが自動的に表示される。<br> | |||
例えば、メールアドレス入力時には@マークが表示されたキーボード、電話番号入力時には数字キーパッドが表示される等、ユーザの入力をサポートする。<br> | |||
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フォームデータの送信方法には、主にGETとPOSTがある。<br> | |||
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POSTはデータを非表示で送信するため、パスワード等の機密情報を扱うフォームに適している。<br> | |||
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適切なマークアップとフォーム要素の使用により、スクリーンリーダー等の支援技術を使用するユーザにも配慮したフォームを作成できる。<br> | |||
HTML5の新しい属性を活用することにより、多くのユーザにとって理解しやすいフォームを提供することができる。<br> | |||
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2024年11月20日 (水) 07:28時点における版
概要
<form>タグは、Webページでユーザから情報を収集して、サーバに送信するための仕組みを提供するものである。
<form>タグは、オンラインショッピングの注文フォームやお問い合わせフォーム、ログインフォーム等、Webサイトには不可欠な要素である。
ユーザが入力した情報は、サーバサイドで処理されて、データベースへの保存やメール送信等の処理が行われる。
HTML5の登場により、フォームの機能は大きく進化しており、
最新のWebブラウザでは、JavaScriptを使用せずともフォームのバリデーション (入力値の検証) が可能になっている。
例えば、メールアドレスの形式チェックやテキストの必須入力等が実装できる。
また、古いWebブラウザでも適切にフォールバック (代替動作) するよう設計されているため、段階的な実装が可能である。
スマートフォンやタブレット等のモバイルデバイスでは、入力項目の種類に応じて最適なキーボードが自動的に表示される。
例えば、メールアドレス入力時には@マークが表示されたキーボード、電話番号入力時には数字キーパッドが表示される等、ユーザの入力をサポートする。
HTML5では、日付選択や色選択等の専用インターフェースが提供され、ブラウザネイティブのUI要素を活用できる。
これにより、より直感的で使いやすいユーザ入力を実現できる。
フォームデータの送信方法には、主にGETとPOSTがある。
GETはURLにデータを含めて送信するため、ブックマーク可能な検索フォーム等に適している。
POSTはデータを非表示で送信するため、パスワード等の機密情報を扱うフォームに適している。
適切なマークアップとフォーム要素の使用により、スクリーンリーダー等の支援技術を使用するユーザにも配慮したフォームを作成できる。
HTML5の新しい属性を活用することにより、多くのユーザにとって理解しやすいフォームを提供することができる。
formタグ
<form>タグは、Webページ上でユーザからデータを収集して、サーバに送信するためのHTMLタグである。
<!-- 基本的な使用例 -->
<form action="/submit" method="post" name="contactForm">
<!-- ここにフォーム要素を配置 -->
</form>
※注意
- ネストして使用することは推奨されない。
- JavaScriptでフォームの送信を制御する場合は、onsubmitイベントが使用可能である。
属性
action属性
フォームのデータを送信する先のURLを指定する。
<form action="/submit">
method属性
データの送信方法を指定する。
- GET
- URLにデータを付加して送信する。(データはURLに表示)
- POST
- HTTPリクエストのボディにデータを含めて送信する。(データは非表示)
<form method="post">
enctype属性
フォームデータのエンコード方式を指定する。
- application/x-www-form-urlencoded (デフォルト値)
- text/plain
- プレーンテキストとして送信する。
- multipart/form-data
- ファイルアップロード時に使用する。
<form enctype="multipart/form-data">
name属性
JavaScript等で参照する場合、フォームの名前を指定する。
<form name="loginForm">
target属性
フォーム送信後の結果をどこに表示するかを指定する。
- _self
- 同じウィンドウ、同じタブ (デフォルト)
- _blank
- 新しいタブ、新しいウィンドウ
- _parent
- 親フレーム
- _top
- 最上位フレーム
<form target="_blank">
autocomplete属性
フォームの自動補完機能の有効 / 無効を指定する。
- 値
- on または off
<form autocomplete="off">
novalidate属性
Webブラウザのデフォルトの検証機能を無効にする。
<form novalidate>
accept-charset属性
フォームの文字エンコーディングを指定する。
<form accept-charset="UTF-8">
ラジオボタン
ラジオボタンの基本
ラジオボタンは、複数の選択肢から1つだけを選べる入力要素である。
基本的な実装を以下に示す。
- inputタグのtype属性を"radio"に指定する。
- 各選択肢には固有のvalue属性を設定する。
- checked属性で初期選択状態を設定できる。
また、アクセシビリティのためにlabelタグと組み合わせて使用する。
<form>
<div>
<input type="radio" id="male" name="gender" value="male">
<label for="male">男性</label>
<input type="radio" id="female" name="gender" value="female">
<label for="female">女性</label>
</div>
</form>
<!-- checked属性は初期選択を指す -->
<input type="radio" name="gender" value="male" checked>
<!-- disabled属性は選択不可を指す -->
<input type="radio" name="gender" value="female" disabled>
グループ化
ラジオボタンをグループ化するには、同じname属性値を設定する。
各ラジオボタンには個別のid属性値とvalue属性値を設定する。
labelタグを使用して、ラジオボタンにラベルを付ける。
labelのfor属性が存在する場合は、対応するラジオボタンのid属性値と一致させる。
<form>
<div>
<p>好きな色を選んでください:</p>
<input type="radio" id="red" name="color" value="red">
<label for="red">赤</label>
<input type="radio" id="blue" name="color" value="blue">
<label for="blue">青</label>
<input type="radio" id="green" name="color" value="green">
<label for="green">緑</label>
</div>
</form>
グループ化を視覚的にも明確にする場合は、fieldsetおよびlegendを使用する。
これにより、グループに枠線が付き、legendでグループのタイトルが表示される。
<form>
<fieldset>
<legend>好きな色を選んでください:</legend>
<input type="radio" id="red" name="color" value="red">
<label for="red">赤</label>
<input type="radio" id="blue" name="color" value="blue">
<label for="blue">青</label>
<input type="radio" id="green" name="color" value="green">
<label for="green">緑</label>
</fieldset>
</form>
テキストボックス
Eメール
emailは、メールアドレス入力用のテキストボックスである。
<input type="email" name="email">
URL
urlは、URL入力用ののテキストボックスである。
<input type="url" name="website">
数値入力
numberは、数値入力用のテキストボックスである。
<input type="number" min="0" max="100" step="1">
数値入力 (rangeの使用)
rangeは、スライダーによる数値入力するものである。
<!-- JavaScriptの関数を分離して記述する場合 -->
<input type="range" min="0" max="100" value="50" oninput="updateValue(this.value)">
<input type="text" id="rangeValue" value="50" readonly>
<script>
function updateValue(value) {
document.getElementById('rangeValue').value = value;
}
</script>
<!-- JavaScriptの関数を直接HTML属性に記述する場合 -->
<div>
<input type="range" min="0" max="100" value="50" oninput="document.getElementById('rangeValue').value = this.value">
<input type="text" id="rangeValue" value="50" readonly> <!-- readonly属性を使用して、テキストボックスの値を直接編集できないようにしている -->
</div>
電話番号入力
telは、電話番号入力用のテキストボックスである。
<input type="tel" name="phone">
検索ボックス
searchは、検索ボックス用のテキストボックスである。
<input type="search" name="query">
時刻選択
timeは、時刻選択用のテキストボックスである。
<input type="time">
バリデーション
正規表現の使用
patternは、正規表現によるバリデーションを指定する。
<input type="text" pattern="[A-Za-z]{3}">
数値の最小 / 最大値
min / maxは、数値の最小 / 最大値を制限する。
数値入力やレンジスライダで使用する。
<input type="number" min="18" max="65">
数値の増減幅
stepは、数値の増減幅を指定する。
- 未指定の場合は、1
- 小数点の入力も可能
<input type="number" min="100" max="250" step="0.5">
以下の例では、min / max / stepを使用して、スライダでの数値入力を指定している。
<input type="range" min="0" max="100" step="10">
文字数制限
maxlength / minlengthは、最大文字数 / 最小文字数を指定する。
input要素やtextarea要素で使用可能である。
<!-- テキスト入力の文字数制限 -->
<input type="text" maxlength="20">
<!-- パスワードの文字数制限 8-16文字 -->
<input type="password" minlength="8" maxlength="16">
<!-- テキストエリアの文字数制限 最大200文字 -->
<textarea maxlength="200" rows="4" cols="50"></textarea>
その他属性
必須入力項目の指定
requiredは、必須入力項目を指定する。
<input type="text" required>
プレースホルダ
placeholderは、入力例やヒントを表示する。
<input type="text" placeholder="例: 山田太郎">
オートコンプリート
autocompleteは、自動補完を制御する。
<input type="text" autocomplete="on">
自動フォーカス
autofocusは、ページ読み込み時に自動フォーカスを制御する。
<input type="text" autofocus>
ラベル
for属性
for属性は、labelタグとフォームコントロール (input、select、textarea等) を関連付けるために使用する属性である。
for属性の値は、関連付けるフォームコントロールのid属性と一致させる必要がある。(大文字・小文字も区別される)
ラベルを押下する時、関連付けられたフォームコントロールにフォーカスが移動する。
for属性は、<label>タグ専用の属性であり、他のHTML要素では使用できない。
※注意
同じページ内で同じid値を複数使用してはいけない。
for属性を使用するメリットは、スクリーンリーダーでの読み上げが適切になり、クリック / タップ可能な領域が広がることである。
<!-- 基本 -->
<label for="username">ユーザ名:</label>
<input type="text" id="username">
<!-- チェックボックス -->
<label for="agree">利用規約に同意する</label>
<input type="checkbox" id="agree">
<!-- ラジオボタン -->
<label for="male">男性</label>
<input type="radio" id="male" name="gender">
<label for="female">女性</label>
<input type="radio" id="female" name="gender">
<!-- テキストエリア -->
<label for="comment">コメント:</label>
<textarea id="comment"></textarea>
<!-- プルダウン (セレクトボックス) -->
<label for="country">国:</label>
<select id="country">
<option value="jp">韓国</option>
<option value="jp">中国</option>
<option value="us">アメリカ</option>
</select>
また、for属性を使用せずに、<label>タグの中にフォームコントロールを直接入れることもできる。
<!-- ネストした記法 -->
<label>
ユーザ名:
<input type="text">
</label>
<!-- チェックボックス -->
<label>
<input type="checkbox">
利用規約に同意する
</label>
カレンダー
日付選択用
dateは、日付選択用のカレンダーである。
<input type="date">
日時選択
datetime-localは、日時選択用のカレンダーである。
<input type="datetime-local">
月選択
monthは、月選択用のカレンダーである。
<input type="month">
週選択
weekは、週選択用のカレンダーである。
<input type="week">
カラーピッカー
<input type="color">
入力要素
入力候補リスト
<datalist>タグは、入力候補リストを提供する。
<input list="browsers">
<datalist id="browsers">
<option value="Chrome">
<option value="Firefox">
<option value="Safari">
</datalist>
その他表示
計算結果等の出力表示
<output>タグは、計算結果等の出力表示用である。
<output name="result"></output>
進捗表示
<progress>タグは、進捗状況表示用である。
<progress value="70" max="100">70%</progress>
数値の度合い
<meter>タグは、数値の度合いを表示する。
<meter value="0.6">60%</meter>
ファイル
複数ファイルの選択
multipleは、複数ファイルの選択を許可する。
<input type="file" multiple>
送信ボタン
属性
送信先URLの指定
formactionは、送信先URLを指定する。
<input type="submit" formaction="/submit2.php">
送信メソッドの指定
formmethodは、送信メソッドを指定する。
<input type="submit" formmethod="post">
エンコードタイプの指定
formenctypeは、エンコードタイプを指定する。
<input type="submit" formenctype="multipart/form-data">
送信後の表示先の指定
formtargetは、送信後の表示先を指定する。
<input type="submit" formtarget="_blank">
バリデーションの無効化
formnovalidateは、バリデーションを無効化する。
<input type="submit" formnovalidate>